今夜は小曽根さんの「トリビュート トゥ チック・コリア スペシャル」でオーチャードホール。
口開けはチックのウィンドウをトリオで。次もトリオの、チックのために小曽根さんが書いた曲。
どちらもほとんどインプロビゼーションに聴こえるが、次の須川展也さんのサキソフィン独奏曲は違っていた。
須川さんに頼まれてチックが書いた譜面通りの13分の大作。ピアノ伴奏は奥様、小柳美奈子。これはもう現代音楽というべき作品ではないか。
後半はNo Name Horsesと、さまざまに編曲されたチックの曲を熱演。ビッグバンドはジャズの魅力を最大に発揮する演奏形態だからたまらない。
バークレーで学んだ新々のアレンジャー、えりちゃんと鈴木さんにそれぞれ編曲させ、しくさせたが、2人とも挾間美帆ばりですごい才能だ。
チックはこのんで若い人にチャンンスを与え、同時に自分も若い感性を貪欲に吸収しようとした。同じことを小曽根さんはやったんだね。
最後は須川夫妻も入ってのルンバでホールは最高に盛り上がっての終演。ホールはスタンディングオベーション。
チックの死をセンチメンタルに悼むのではなく、チックが切り開いた現代ジャズ、フュージョン、クラシックとの融合などなどを、まるでチックと共演しているかのように聴かせたコンサートだった。
17歳のころ、マイルスやエバンスやピーターソンでジャズを聴き始めたぼくが、今夜改めて思ったのは、ジャズはホントに進化したし、進化し続けてるってこと。
面白いね。
チックも小曽根さんも、相当にすごいひとだけど、でもこの先も、想像できないようなひとが出てきて、何かやるかも。
そんなことを思った夜だった。