Sing Listen Travel 〜歌って、聴いて、旅をして〜

リタイアしてやっと自由を手にしてから、海外を旅行し、合唱を歌い、オペラやコンサートに通っています。

歌舞伎座「六月大歌舞伎・夜の部」は襲名披露公演。

2024-06-06 22:40:00 | 歌舞伎・能楽
今夜は歌舞伎座「六月大歌舞伎・夜の部」。
今月は長く務めた時蔵を息子に継がせ自らは萬壽を襲名した披露公演。併せて新時蔵の襲名披露と梅枝を襲名した梅枝初舞台。更には獅童の息子たち陽喜、夏幹の初舞台というメモリアルな公演だった。

一、南総里見八犬伝(なんそうさとみはっけんでん)
“運命に導かれた八犬士の出会い”

江戸時代に大流行した曲亭(滝沢)馬琴の小説で、八犬士たちが、里見家の再興を図るハナシ。扮装も趣向を凝らした若手たちの八犬士が見せる錦絵のような立ち回りが美しい。

二、山姥(やまんば)
“旅立つ子と見送る母、新たな門出を寿ぐ情趣あふれる舞踊”

山姥の萬壽に足柄山で育てられた怪童丸の梅枝が、力量を認められ、都で召し抱えられることになる。めでたいが別れが切ないハナシでぐっとくる。

途中で萬壽、時蔵、梅枝、獅童、陽喜、夏幹がそろい襲名口上がはじまる。
すっごく芝居を頑張ったこの3人。梅枝8才、陽喜6才、夏幹3才、とは驚く。あどけなく愛らしく大喝采。
時蔵と獅童がインタビューで子どもたちのことを愛情いっぱいに語っていたのを読んでいたから、余計にぐっときた。
伝統芸能というのはすごいもんだと思う。

三、魚屋宗五郎(さかなやそうごろう)
“生き生きとした江戸庶民を描く生世話物の”

奉公に出した妹が不義の疑いで手打ちにされ嘆き悲しむ獅童の宗五郎が、無念を晴らすために主君邸に乗り込みハナシ。
宗五郎の家族愛や、禁酒を破って酩酊していく姿、怒りと悲しみなどが泣けて、可笑しくて、ジーンとくる。江戸の市井の人々はこんなだったのか。あの時代の人々はこんな芝居が大好きだったのか。
獅童が素晴らしい。七之助もとてもいい。
陽喜、夏幹も頑張った。

”劇中にて襲名口上申し上げ候“ とプログラマに記された歌舞伎の公演はもちろん初めて。忘れられない夜になった。
今年から毎月歌舞伎座に来ている。気負いもなく来て、自然な感じで楽しめてる。
新国立オペラもいいが、歌舞伎座もいいなぁ。












































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