Sing Listen Travel 〜歌って、聴いて、旅をして〜

リタイアしてから鬱憤を晴らすようにできなかったことをやってきた。でもマンネリ化してる。まだやり残してることをやろう。

今夜はムーティとウィーンフィルでサントリーホール

2021-11-03 22:40:00 | リッカルド・ムーティ
今夜はウィーン・フィルハーモニー ウィーク イン ジャパン 2021でサントリーホール。マエストロムーティの用意したプログラムはふたつで今日はBプロ。
シューベルトの4番 、ストラヴィンスキーの交響組曲、メンデルスゾーンのイタリア。
 
シューベルトがはじまってすぐ、弦の音がすごい、これはどのオーケストラとも違う別格だという気がした。
ウィーンでオペラ6公演を観ているからウィーンフィルの実演は体験済みなわけだけど、こうしてコンサートホールで聴くのはまた違う。
 
シューベルト4番は副題が「悲劇的」。インドネシアの自然災害の影響で欧州が凶作・飢饉となった最悪の1816年に作曲。ムーティが頭にこれを選んだのは、コロナ禍で苦しんだこの2年とイメージを重ねたのではないか。
3楽章までは重厚で重々しく、シューベルトの不安に満ちた内面のようだったが、ムーティは最終章をそれら悲劇を乗り越えようという希望が感じられる、ポジティブなエンディングとした。
 
交響組曲はチャイコフスキーのバレエ音楽をベースにした作品。プログラムの解説を読んで、バレエのストーリーをイメージしながら聴いてとっても楽しめた。ここでは管楽器の音と技術がすごいと思った。演奏後ムーティも管楽器奏者を多く称えていた。
 
最後のイタリアは好きな作品。第1楽章から素晴らしかった。初めてイタリアを訪れた作曲家の驚きや感動を、ムーティは瑞々しく奏でた。
エンディングが近づくにつれ、終わってほしくないという思いが募ったが、やはり終わりは来た。
でもムーティはアンコールをやってくれた。オペラの序曲だがこれがサイコーに素晴らしく。
当然、大歓声拍手鳴止まず、ぼくら聴衆はスタンディング。ムーティは2度戻ってきてくれた。そしてチャオって、あの仕草で、終わった。
 
2021年、ムーティとは東京春祭で4日を共有した。
だから威厳はあれど、若々しく、チャーミングで、人を笑わせたくて仕方ないイタリア人気質に満ちたひとでもある。
そして、人間に音楽は必要だとコロナと戦い続けた、情熱のひと。
ぼくらはそのことを知っている。
そんなムーティとの素晴らしい夜だった。
 
 
























 
 


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