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寓話の部屋

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第108話 battle without honor and humanity4

2022-01-12 10:32:08 | 召喚大統領が異世界を逝く!

第百八話 

在ワシントウD.Cのモトヒノ大使がフラリー・クリトリン大統領と面会した。
「モトヒノ・ツイステ安全保障条約による参戦を我が国は要請いたします。」

「もちろん我が国は貴国の最大の友好国であり、貴国の会われた奇禍については遺憾に思っておりますわ。しかし、相手のコーライも我が国との安全保障条約を継承した友邦であり、非常に複雑な状況なのです。まずは平和的解決を求めるべきでしょう。そのための努力は惜しみません!」
ツイステ合州国大統領が言うと、すごいブラックジョークである。

「そんなことを言っている状況ではありません!既にコーライ軍は我が国の本土の一部を占拠し、民間施設にまで攻撃を仕掛けているのですよ!」
必死な大使。

「わかっています。まずはコーライに対し、停戦の要求をすぐに突きつけます。その後の交渉については我が国が100%貴国をバックアップしますから…。」

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というわけで、フラリーはすぐさま、在ワシントウD.C.のコーライ大使を呼びつけたのだった。

「なんてことしてくれるのよ!コーライは我が国と戦争したいの?最近ちょっと景気が良いからって調子に乗りすぎじゃないかしら!」

「はあ…。もちろんそんなことはありません。長年の領土問題に寛容な我が国の堪忍袋の緒がとうとう切れただけで、これはモトヒノとの二国間問題であります。」
ちなみにこの大使には、対モトヒノ開戦の計画は事前に知らされていなかった。開戦後に、当然行われるだろうツイステ側からの抗議にはのらりくらりと追及をかわして時間を稼げという指示がようやく大洋海底ケーブルを通じた暗号通信で命令が届いた。つらたん(つらい部分担当)な立場である。

「そんな言い訳が通用するはずないでしょう!あなたでは話になりません。ムーン大統領をこちらに来させなさい!」
実のところ、大洋海底ケーブルを通じた外交暗号通信は、ツイステの誇るシギント担当諜報機関により丸裸にされており、この大使が何も知らないし、何の決定権も無い使いっ走りであることはツイステ側にはバレバレであったw。

「戦争中の大統領が国を離れるわけにもいきませんよ…。一応、本国には伝えますが、この件は持ち帰らせて戴きます…。」
と肩を落として帰る大使。

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「まあ、中間管理職の悲哀を演出して…。しかし、素直にあのムーンが我が国にやってくるでしょうか…」
同席していたオコメ国務長官が言う。

「そうだ。すっかり忘れていたけど、国聯とかいうのもあったわね。緊急総会を招集させましょう。何の役にも立っていない無駄なお遊び機関だけれども、そもそもムーンの発案で設立され、事務総長にコーライ人を送り込むほど熱を入れているのだから、これは面子的に無視できないはずだわ!」
とフラリーが名案を思いついたという風に呟く。実際のところ、これまでも様々な国際紛争の度に緊急総会が開かれていたが、ダイシン帝國の多数派工作もあり、機能不全に陥り、決定的な役割を果たしたことなど一切無かった。
主要国の首脳の認識は小国のガス抜き機関というレッテルを貼っており、実際そういう位置付けと評価されてもしょうがない現実があった。

「というわけで、国聯緊急総会を開き、ニュウヨックにムーンとマリア・アベ首相を呼びなさい。総会の方はどうでもいいけど、二国間の首脳を直接対決させることで、なんとか穏便に事態を収束させるのよ!あの小娘でも背後に我が国のバックアップがあればなんとかなるでしょう。」

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そんな政治劇が繰り広げられていた一方で、現場のキュウシュウでは、コーライ軍が次々に陸揚げされ、ファックオカ周囲に布陣した後は、コーライ軍の進軍はパタリと止まった。
いくら、軍拡著しいコーライ軍であろうと、渡洋した軍による戦線拡大には無理があり、橋頭堡を確保した後の行動には無理がある上、そもそもいくらコーライの軍関係者がムーンの異能力「夜郎自大」にイかれてイケイケになっていても、キュウシュウ全土を掌握できると考えるほどには煮えていなかった。
今回の戦争では、シマツ島をコーライの領土とすることを最終目標とし、北キュウシュウへの侵攻は、その奪還作戦の能力を喪失せしめることが最大の目的であり、最終的には停戦交渉でキュウシュウ本土の軍は撤退することになるだろうとの目算もあった。
なので、ファックオカ空港を軍事基地とした航空機による襲撃の他には積極的な攻勢は行われなかった。

モトヒノ国防軍の艦隊・航空部隊・陸軍部隊は、破壊された空港施設、橋梁・トンネルの為に、直近のヨウサン地方に集結したものの、民間フェリーをも活用したキュウシュウ地方への陸揚げは遅々としたものであり、反攻のための戦力集結には時間を要した。
元々、憲法上、外征を考えてこなかったモトヒノ国防軍の揚陸能力はお粗末なものであり、最近、とみに増えてきた海外派兵の際にも民間輸送船をチャーターして軍を送っていたのが実情である。
そんな民間船による軍部隊の輸送は、たびたびコーライの航空機による嫌がらせ襲撃に邪魔されながら、なんとかそれなりのまとまった軍の数を一週間で揃えられた。
モトヒノは民間空港の修復は一時諦め、まずツイキチ基地の機能回復に全力を尽くした。
ミサイルの誘導方式は未だに捕まれていなかったが、ツイキチ基地の周囲は少数の精鋭部隊による襲撃も警戒され、全周厳戒態勢を敷かれた。
対空自走車両を含んだ陸軍部隊の派遣を最優先し、厳重な対空警戒態勢の下で滑走路を速乾コンクリートで補修し、燃料補給車を大量に運び込み、今になって、プレハブに土砂をかぶせた掩体を作成した。
この作業の間には、ヨウサン地方の基地から増槽で長征した空軍機が上空でパトロールするという重い負担が空軍には課せられた。
なんとか10日程度で、ツイキチ基地の補修、前線基地機能が回復したかというところで、国防軍は一時停戦の命令を受領し、血の涙を流すことになる。



2 コメント(10/1 コメント投稿終了予定)

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Unknown (Unknown)
2022-01-12 15:14:07
エー反撃しないですか???胸糞悪くなってきた。
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Unknown (ryouchin)
2022-01-13 08:47:01
ちゃんとざまあされますのでご安心をw
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