寓話の部屋

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第140話 終わりの始まり

2022-07-19 11:17:29 | 召喚大統領が異世界を逝く!

第百四十話 終わりの始まり

大コーライ連邦によるモトヒノへの武力侵攻への懲罰という名目で始まったこの戦争。
ウルソが陥落すれば、城下の誓いでムーン政権を倒し、傀儡国家を作るという目論見は両国とも外された形になった。

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「まさか首都を放棄して逃げ出すとは、あの男のGKBなみのしぶとさを甘く見ていたわね…。首都にいるのならば隠れ家の庭にある地下穴に潜んでいようと見つけ出してやるものを…。それでどこに逃げたの?」
と忌々しげに下問するフラリー・クリトリン大統領だった。

「えー、残された資料によりますと、西海岸に要塞都市を建造し、そちらに政府機能や軍指令機能を移したようです。」

「なんでカンパネラ(ツイステの中央情報機関)は、その情報を掴んでいなかったのよッ!」

「それが、南北統一の混乱と未曾有のコーライ経済の好景気により、奇想天外な建造計画が濫立し、その怪情報の山の中に埋もれてしまっていたようなのです。なにしろ、中には、コーライ半島からトンネルを掘ってモトヒノまで攻め込む計画なんて情報までありましたもので…。」
「ちなみに、今まで相手をしていたコーライ軍は召集兵がほとんどの単なる肉壁だったという話です。ウルソからその西海岸の要塞都市間に強固な防衛線を張っており、、正規軍の2/3は未だ温存され、そちらに配備されていると…。」
苦しげに答えるカンパネラ長官・軍情報部長官だった。

「オーケイ、整理しましょう。コーライ半島の下半分は獲った。残り火と言うには少しやっかいな勢力が残っている。しかし、忘れてはいけないのは、あくまでコーライ侵攻は、ダイシン帝國との対決のための手段であって目的ではないということよッ!本当の敵はコーライ半島の上半分を獲っている国聯軍を詐称するダイシン帝國と不愉快な仲間達なの!!」

「それは承知の上ですが、無視するには残存勢力は、やや大きな戦力でもあり、放置して上コーライに侵攻を始めたとたんに背後を突かれては補給線を遮断されるなどの大打撃を受けかねません。」
と軍高官が念を押す。
「我が軍は、二国間戦争を二つ、地域紛争を一つ同時に行える戦力の保持を目標にしていましたが、ダイシン帝國を相手にするというには、それらの全ての戦力を合わせても決して絶対的な優勢を維持できるというわけではありません。まずはコーライ残党の掃討を行った上で戦力の再評価を行ってダイシン帝國との対決をすべきです。」

「それは正論ではあるわね…。?!良いアイディアを思いついたわ!そうよ、もともと、この戦争はモトヒノの報復という名目だったのだから、彼らにトドメを刺させれば良いのよ!」

「なるほど!モトヒノ軍は外征能力・継戦能力には問題がありましたが、運搬・補給などを我が軍が充分に援助すれば練度的には残敵掃討くらいはやり遂げるでしょう。彼らも溜飲が下がるというもの!なにせいぜい、燃料・弾薬くらいは奢ってやりましょうwww。」

「我ながら天才的なアイディアだわ。さっそくあの小娘に魔伝話しなきゃ…。」

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一方、その頃、ペイキンの禁裏では同じ事態についての朝議が開かれていた。

「なるほど。ムーンとあの豚は手とを手を取って、尻尾を巻いて逃げ出したか。ある意味感心アル…www」
と、マオ皇帝。

「今は、ウルソの街を二分して栄輝たる我が帝國軍と、夷狄(ツイステ・モトヒノ有志連合)軍が対峙しておりますが、このあとの方針としましては?西海岸に逃げた奴原どもを駆逐なさいますか?」
拱手して尋ねる宰相。

「…。よい。放っておけアル…。」

「へ?よろしいので?」

「そもそもコーライへの懲罰戦争の目的は、夷狄どもとの避け得ない決戦の最前線を我が国の国土から少しでも遠ざけることであり、既にその目的は充分に達しているアル。残り滓のコーライ人など鶏肋にも値しないアル。」
ないのかアルのかハッキリしろ…。
「もうコーライのことはどうでも良い。これからが本当の地獄の戦争の始まりアル…。」

もはや、読者も覚えていないだろう文化省の士大夫カン(康)・チォウ(秋)クァイが空気を読まず、口を開く。

「私めがプロデュースし、モトヒノ・ツイステに浸透した我が国の伝統と革新がクロスオーバーしたD(ダイシン)-ポップグループ、女子四十八楽坊に反戦ソングを歌わせます!歌の力で我が国に攻め入らんとする夷狄どもの戦意を挫くのです!なに任せください!ガハハ」

そういえばコイツは粛正リストに入っていたな…とマオは心の中の備忘録を読み返し、このステージに至っては、もう用済みだなと粛正を命じるのであった。



1 コメント

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Unknown (Unknown)
2022-08-25 19:30:50
 先生、終戦までお願いいたします。m(_ _)m

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