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肝炎友の会との関わりで成長した肝臓専門医のブログです。2007.9.4より新規開始しました。

歌の集いについて

2008年02月26日 | 歌の集い
そういえば、歌の集いについて説明したことがなかったような気がします。
今では音楽療法が、患者さんの治癒力を高めたり、精神的な安定をえられると、とても学問として認められるようになってきています。何かするにしても、学問的な根拠があると心強い、でも、そんなことが言われる前から知られていたこと。分かってる人は実践してたんですよね。しかし、積極的に広めるためには、こういった研究会や学会みたいな形が大切なんだなあと思います。

私は、歌の集いというものを1995年の4月ころからはじめました。それまでは、自己満足でフォークギターを弾きながら歌を歌っていたんです。ある日、患者さんから先生の弾き語りが聞いてみたいなと言われました。今まで、家族とか学校の音楽の時間のときとかたまにしか人に聞かせることはなくて、患者さんに聞いてもらうなんてとっても恥ずかしかったのを覚えています。

試しにと弾いて歌ってみたんです。そしたら、これはいい。今度、肝炎友の会の全道集会で弾いてくれって、300人来るからって言われたんです。ひえー、300人ですかあ。って感じでした。でも、患者さんがとっても喜んでくれるから、是非先生やってくださいって。

その頃、私は診療所の副所長をしていて、入院のある診療所だったので、お昼休みに入院患者さんを集めて、練習もかねて演奏してたんです。みんなとても喜んでくれて、歌うことでこんなに元気になってくれるなら、頑張ってみようと思ったのがきっかけでした。

私が弾き語りを一人でずっとしてたのは、これもまた、ストレス発散というとわかりやすいかもしれません。しかし、高校生の頃自分をとても責める性格で自分みたいなやつはいなくなればいいと思うような青年だったんです。それを忘れるためにギターを弾いて大きな声で歌っていた。不思議と歌った後、何とかまた頑張ろうって気持になる自分がいて、こうして今があるような感じです。

音楽は本当に不思議なものです。カラオケは嫌いだという人もいますが、どんな形でも人それぞれが気に入った音楽があるならそれは生きる力につながることがある。元気なときには音楽なんて無くても平気って思うことは多いかもしれませんが、辛い体験をしている人や、体が弱ってきてる人、悩んだりしてる人、なんらかの生命力が落ちていくような状況にある人にとって音楽は驚くような効果をだします。
ふっとした辛いときに歌を聴いて涙ぐむなんて経験がある人ならきっと分かると思います。

私はよく、自分で歌って、自分で泣いていました。それで、今があるって感じです。

医療機関などでは、格好良くコンサートといって、交響楽だとか、クラシックだとかやっていますが、そんな形にこだわることなく、患者さんと歌う、集う。それも、主治医だったりすると効果は何倍にもなってるって言われたりもします。その人のこころのそばにある音楽こそ、生きる力につながる。理屈ではない、気持を伝えていくのが歌のすごいところです。
少しでも元気になってください、楽しい時間を過ごして元気を出して欲しい、そんな思いを持って、歌の集いをしています。

フォークソングが最初は中心だったのですが、演歌が入ったり、懐メロが入ったりと患者さんと歌える歌をくわえて来ました。今では、自分の作った曲なんかもまじえて、時間を過ごしています。涙を流して聞いてくれる人がいることが少なくありません。一緒に病気と歩いて生きましょう、そんなメッセージが伝わってくれたらと思ってやっています。

クリスマスとか病院祭、介護施設のお祭りなどで、ミニコンサート形式でやっていますし、患者会の宴会では、いまは、持って行って歌ったりしています。希望する方にはCDも差し上げますヨー。今なら無料です。(いつまでも無料と思うけど)

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