四国遍路(108箇所)の旅

お遍路(88+別格20)の準備計画と実際の歩き通し打ちの記録を、5月11日から(実行は6月3日スタート)記録しています。

「第二部 108寺歩き遍路の総括(17)」

2007年08月03日 | Weblog
「第二部 108寺歩き遍路の総括(17)」

■ 各寺間の実際の時間と道のりについて

『40番~41番までの推定方法』

前回と同じく、へんろみち保存協会編(39p)の四国遍路道基本コース歩行
距離表の平均所要を参考にすると、以降のコースは下記のようになる。

40番~41番 50.2K 16時間(2日間)
41番~42番  2.6K  48分
42番~43番 10.6K 3時間40分
43番~44番 67.2K 20時間(3日間)
44番~45番  8.4K 4時間
45番~46番 29.0K 9時間40分

40番観自在寺から北上する遍路道の一つに、通称“灘道(なだみち)”があ
る。灘道の中でも、南宇和郡内海(うちうみ)村柏から北宇和郡津島町上畑地
に至る約9.8キロの区間は、急な上り坂を経て標高450mの峠に至り、そ
の後緩やかに下っていく山道で、地元ではここを柏坂(かしわざか)と呼ばれ
ているらしい。天気の良い日に、峠から見渡すリアス式海岸の風景のすばらし
さは古くから有名であるが、大正時代に、海岸回りの新道が開かれてから後は
徐々に荒れ果て、ついには“忘れられた遍路道”となっていたらしい。

それが、昭和60年になって、この遍路道を再び歩けるように整備しようと、
地元の地域おこしの団体「柏を育てる会」の人々が活動を始め、会員約90名
が手弁当で柏坂に上り、生い茂って道をふさいだ木を切り、下草を刈り取った
のだと言われている。また、遍路やハイキングの人たちが気持ちよく歩けるよ
うに、道沿いに桜を植樹したり、休憩用のベンチやトイレを設置していったの
だと。さらに、山中に朽ち果てていた柳水(やなぎみず)大師堂も再建したと
言われている。

この柏坂以外にも、無論、遍路のためだけではないが、いろいろな地元の人の
ボランティア活動により復活した道は多い。素晴らしい事だ。

でも…たまには、海岸回りの「新道」も悪くない。純粋にそう思えるのだ。

さて、私は、宿を選ぶ時に、知らず知らずの間にWillcomの電波の入る
可能性の高い「地区」を選ぶようにしていたと思う。

延光寺近くではWillcomは電波が入らない地区があった。宿毛なら入る
だろうと踏んだのだ。「人口カバー率」であろうと、電話会社にとっては、
未だに「辺境」に価する「高知の過疎地域」の経験から、高知最後の地区でも
割と大きな「宿毛市」は「圏内」であるとの確信があった。

結果は、以下のようになった。

===================================
困難度(【1~5】【5】が最難関)を個人的主観にて採点した
===================================
40番~41番 50.2K  14時間30分(延べ3日間合計)
伊予に入り、40番観自在寺を打ちホッとする間も無く、50キロ以上の長い
道のりになる。通常、延べ2日間で抜ける道だが、私は宿泊を2日挟み、延べ
3日間で歩いた。宇和島で鯛めし食べて…休息(足)日としたからだ!
美味しかった~
(1)観自在寺から内海町を抜け津島町まで
(2)津島町から宇和島市外を抜け龍光寺まで
以上に分割して説明する。

(1)観自在寺から国道56号線沿いに内海町まで約10キロの国道歩きの後、
眺望の良い著名な遍路道「柏坂越え」の遍路道(標高450m)を越えるか、
国道歩きを選択し、内海トンネルという歩道専用のトンネル、そして海岸線を
歩き、更に嵐坂トンネルも歩道専用トンネルを抜け少し歩くと、柏坂からの遍
路道と合流する(約20キロ地点)。合流後、国道56号線を歩くのではなく、
芦原川の堤防沿いの歩き専用道を5キロ以上歩く道がある。途中、畑地小学校
近くの遍路小屋があり、また、堤防沿いの道を抜けた津島大橋を右手に市街地
に入ると遍路小屋が2つある。平坦な道だが、少し単調な感じもある。津島町
は、小説家獅子文六「てんやわんや」舞台の里である(約25キロ地点)。

(2)津島町を抜けると、松尾トンネル(27.5キロ地点)を抜けるか、
手前から松尾峠遍路道を選ぶのかの選択肢がある。遍路地図の注釈によると
「国道56号線松尾トンネルは、全長1,710m、通過所要時間約27分。
8:00~18:00は車両交通量が多く、トンネル内は排気ガス充満の状態
になる。松尾峠遍路道は、全長3.7Km。峠まで1.7Km標高差180m
の穏やかな道、平成18年11月地元住民の奉仕活動により全面復元された
自然満喫の道。下り途中、採石場の中を通過するのでトラック往来注意。」
とある。これまでの私の経験であると、約1.7キロのトンネルの通過時間は
約20分程だと判断したが、ここは遍路道を進むのが妥当だろうと。何故なら、
地図の遍路道の説明が標高差など詳細な記述があり、事前情報が充実しており
安心して歩けると感じた。特に、最後のトラック(実際はダンプカー)の往来
は本当に多く、事前の説明に感謝した。綺麗な道であり、トンネル手前の遍路道
の上り口に、地元の方の善意の建設なのだろう…遍路小屋とトイレもあった。
最初の15分が少し厳しい上りだけで、後は急な勾配のない良い遍路道である。
約1時間で抜けられる。この後は宇和島市内を抜け、41番龍光寺までの道は、
全てアスファルト道である。松尾峠を抜けて国道56号線に出て、その後は、
宇和島市街地歩きを経て、県道57号線をダラダラと上る道である。
(47.5キロ地点)に最後の休憩可能な遍路小屋がある。

総合的に判断して、a)宿泊を必ず挟む道である事。b)柏坂以外に高低差が
ほとんど無い事。c)その唯一の峠越えの道も回避する海岸線沿いの道もある事。
d)遍路道も整備されていて安心して歩ける事。e)最後に、休憩箇所も適所に
設置されており、f)宿の選択肢も多く、全体として、優しい道であろう。
【2】
===================================

■18日目宿「ザヘンロ・サーベイ」
===================================
民宿西遊魚センター  T16 F18 D12 S17 C¥6,300
宇和島市津島町針木260         0895-35-0917
通称「柏坂」遍路道と呼ばれる、内海町から津島町までの峠越え遍路道(柳水
大師/清水大師)越えを選択すると、この宿に泊まる事は無い。リアス式海岸
の絶景を見ながらの峠越えの遍路道も良いが、峠道の入口の内海町から次の宿
まで15キロ以上歩かないと宿に着かないため、この宿に向かって国道56号
線沿いに歩くのも悪くない。この宿は、1DK一戸建てが4~5戸独立した形
式の建物で、母屋に食堂がある。民宿と言うより「釣り宿」なのだろう。それ
でも年に何人かの歩き遍路が訪れるという。建物は古いが「修行であるから我
慢せよ」との言い訳の効く客を相手にしていないからだろうか。食事は美味し
いし、部屋もギリギリ…納得がいく。しかし、クーラーが時間単位で有料なの
にはちょっとゲンナリである。違った趣もたまには悪くないか…
===================================
全ては、私の個人的判断です。
 総合(Total)は、「T」
 料理(Food)は、「F」
 内装(Decor)は、「D」
 サービス(Service)は、「S」  
 料金(Cost)は、平均的コストの「C」
評価は、
 0~9 お粗末~可
 10~15 可~良
 16~19 良~優
 20~25 優~秀
 26~30 秀~完璧
 NAは、評価できず(食事など無しの場合)Not Applicable
===================================

今日はこの辺で。