四国遍路(108箇所)の旅

お遍路(88+別格20)の準備計画と実際の歩き通し打ちの記録を、5月11日から(実行は6月3日スタート)記録しています。

「石鎚山への思い!明日は・・・遍路28日目」

2007年06月30日 | Weblog
「石鎚山への思い!明日は・・・遍路28日目」

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天気:朝からずっと晴れ
気温:21度~33度位
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湯の里しこくや  4:55発
60番横峰寺   7:50着   8:30発
霊場星が森    8:45着   8:55発
61番香園寺  12:40着  13:10発
62番宝寿寺  13:25着  13:50発
63番吉祥寺  14:10着  14:40発
64番前神寺  15:15着  15:40発
西条ステーションホテル  15:45着
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歩行距離:約20Km
歩数:44,000歩
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主な出費
納経代:300円×5寺=1,500円
飲物代:450円
夕食&お酒:2,200円
宿代: 5,480円(朝食のみ)
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総合計:9,630円
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携帯の有料情報サイトからの予報では、今日のこの地方の天気は日中は「晴れ」
との事である。昨日から、朝、寝坊しないように気合を入れて、今朝も4時に起
きる。支度をして、朝から部屋で、昨日横峰の登り口のファミマで買って持込ん
だカップラーメンを部屋で食べて、4時50分にフロントに下りた。

昨日の夕食時のレストランでの生ビール(500円)の代金を支払って、夜勤の
フロントの方に表のドアを開けていただいて、4時55分、ちょうど夜明けの時
間であろう、国道11号線を横峰寺の登り口を目指して出発する。

(5:10)1.5キロ弱だろう、15分程歩いてファミマに到着。念のため、
ここで朝食の補給(おにぎり2個)と缶コーヒーを買い、少し表のベンチに座っ
て休む。お握り1個を食べ、残りはザックに仕舞い、非常食のパンをザックに確
認して、缶コーヒーを飲んでいると、昨日の宿(しこくや)の社長?マネージャー
?が車でファミマに来て、出て行くところで、挨拶をされる。「頑張ります!」
と答え、気合を入れて国道から横峰への上り口に入る。(5:20)

宿の人にも、ファミマの人にも、健脚なら、この入り口から横峰の山門まで、
3時間だと教えられる。二人が言うんだから間違いないのだろうと思い、念のた
め、地図で確認すると見ると、約8.8キロの道のりであり、最後の2キロ強が
急な登りのようだ。最初は県道歩きのようで、途中からの山道と推測した。

覚悟を決めて、登り口から県道のアスファルト道を歩き出す。(5:40)最初
のへんろ小屋を通過する。まだファミマから30分経過していないので、パスす
る事にした。徐々に緩やかな上りのアスファルト道になり、(6:05)地図に
も出ている「喫茶てんとうむし」を通過。意外に?!(失礼!)綺麗な建物で、
8時からのオープンのようでコーヒーを飲みたかったが、残念ながら通過!

(6:20)湯浪(ゆうなみ)に入ると、ここから県道147号線は車両通行止
めとなっており、工事が行われており、但し「歩行者は通行可」となっている。

「歩行者」って・・・歩き遍路以外には想定できないのだが・・・と、思いつつ
この工事のバリケードを避けて工事中の道に入っていく。約1キロくらいの上り
だろうか?だんだん上り勾配がきつくなり、その後へんろ小屋に到着。ここから、
県道(本来の)はUターンのように尾根を曲がりくねりながら登るのだろうが、
今は工事中で一台の車両もいない。この静かなへんろ小屋(休憩所)でしばしの
小休止を取る。(6:35~6:45)

この横に、遍路道(山道)の入り口があり、急な階段を上りここから横峰寺まで
(2.2キロ)との表示になっている。頭の中で、時速2.2キロで1時間。つ
まり8時前には横峰に着けば、国道11号からの分岐から2時間40分程度か?
と「皮算用」しながら・・・(笑)登り始める。

地図では、標高差でここからの山道だけで400m以上登るはずである。2キロ
で400mと言うのは、全部登りのはずは無いので、結構急な登りがあるのだと
頭にいれ、焦らず、急な登り勾配は、歩幅を狭くして、息が上がらないように、
そして足に無理な負担が無いような歩幅にして、慎重に歩く。

結構な大汗をかかされるが!(笑!マジで大汗ですね・・・)、山の中である事
で、既に日が上り暑さが出ていると思われるが、木々で日差しが遮られ、また、
早朝なので気温もまだ山中は低い(25度までいっていない)ので、大汗をかく
が、はやり早出は正解だと感じた。

(7:50)山門を抜け、納経所前に到着。ここまで国道分岐から2時間35分。
おおよそ想定通りの時間だと思う。しかし、雨や猛暑の午後になると、3時間は
十分必要だろう。また、山道の上りや、アスファルト道の歩き方が苦手な人は、
全体として、この上りを4時間見ておくのが無難かも知れないと思う。

意外に?狭いと感じた、本堂と大師堂でお参りを済ませ、納経をして頂き、多分
住職だと思うが、星が森の行き方とそこからの帰り道を確認して、山門に戻り、
星が峰へ向かう。(7:50~8:30)

山門の横に、星が峰まで、約580mと書いてあるがダラダラとした結構広い
(十分乗用車の通過できる幅の)砂利道を上って星が峰に到着した(8:45)

今朝は、昨日の午後の雲行きが嘘のように晴れ渡り、ガスもほとんど無く、思った
よりも狭い旧跡星が峰から、絶景「石鎚山」が見えたのだ。星が峰の墓標のよう
なところに、「弘法大師がここから石鎚山を見て・・・」と書いてあり、詳しく
はメモしなかったが、「そうなのか!石鎚山は弘法大師とも縁があるのだ!」と、
勉強不足を痛感し、道理で、遍路地図にも石鎚山への上り方を詳しく書いてある
のだと、改めて実感した。(すみません。ただの、「やまや」(山岳愛好家)の
趣味で、四国遍路の途中で上っている人がいるのをそう思っていました!申し訳
ありません!)

星が峰を堪能?するには短い時間だったが、山門に下り、境内を抜けて、下りに
入る。途中、ただ一人大汗をかいて上ってくる自動車遍路の方がいた。カメラを
片手に、ヘロヘロになりがら、山門下から星が峰に登ってくる人とすれ違った。
「後もう少しですよ。10分も掛かりません」と答え、私もずいぶん強くなった
と思いながら別れた。

この時点では、横峰寺への道は、アスファルト道がほとんど(2キロしか山道が
無く)で、有名な横峰の道としては、少々がっかりしていたが・・・(それ程の
「やまや」ではないのに!(ごめんなさい!))、実は、横峰は、下り(ある意
味では(登り口は沢山あるのだから)上りだろう)は、これまでの山道の中では
個人的には最高の道だと感じた。変化に富み、静かな森の中を、優しい山道が包
み、素晴らしい道だと感じた。

今日は、星が峰まで行って本当に良かった。多分、あれが石鎚山だろう。絶景で
あった。と、一人、時間の幸運に感謝していた。昨日、強引に昇っていたら、こ
んなに余裕は無かったであろうと。そんな思いで、下り始めて1時間弱たった頃、
山の中に木のベンチがあり、ここで小休止とした。61番までは10キロ弱の行
程であり、途中休める場所は、遍路地図では不明なので、ここで小休止として、
靴まで脱いで10分の休憩とした。(9:40~9:50)

正確な時間は記録しなかったが、この小休止から30分以上歩いた頃、へんろ小
屋のような休憩所があった。ここに、二人の女性(お婆さん(失礼!)とおばさ
ん!(大変失礼!))が、山歩きの格好で食事!?をしているではないか!

「おはようございます!」と、先ほどの休息で、足にはまだ余裕があったので、
通り過ぎようとしたら、「ちょっと、コーヒーでも飲んでいかない?!」と声を
掛けて頂いた。

「コーヒー?!」と、、、無類のコーヒー好き(本当は、酒好きだが!)なので
遠慮なく反応してしまい、ここに同席させて頂き、美味しい手作りのパンや、り
んごや、その他沢山のお接待を受けてしまった。

沢山のおしゃべりを楽しみ、朝自宅から用意したという美味しいコーヒーも遠慮
なく2杯も頂き、彼女達は、直ぐ下(と言っても恐らく1時程度の山登り)に車
を止めて、この休憩小屋で、「山歩きの後の休日の朝食」を楽しんでいた人たち
なのである。歩き遍路にも大変理解があり、そしてとても優しい人たちだった。

ここでの会話・・・

「明日、石鎚山の『山開き』なの知ってるの!?」
「いいえ、知りません・・・」
「あんた!せっかくお遍路さんしてて、そんなに元気なんだったら!、明日石鎚
さんに登りなさい!明日1日から10日まで、山開きのお祭りだけど、明日は、
男しか登れない日で、あたし達(彼女達)は登れないのよ!」
「そんな!滅多に無い、幸運なのよ!、お遍路に来て、何十日も歩き続けて、
それで、今日は、横峰さんに登って、今日は64番まで打ったら、どうせその近く
で泊まりでしょう?」「登りなさい!」って・・・

「明日、うちのだんなが、石鎚のロープーウェイで仕事しているから、朝、拾って
上げるから!、ロープーウェイで上り口まで行って、そこから3時間位で登って、
明日は、山開きで1000人位の人が出るから、迷う事も無いし、皆が押してくれ
るから、素人でも大丈夫!、それに、そんな健脚なんだから、夏山だし、長ズボン
で、上に長袖あれば、もう大丈夫!高山病?そんなの心配ない!2000mも無い
から、大丈夫!」「弘法大師のゆかりもあるのよ!」「絶対、上りなさい!」
「1日、2日、遍路の日程が延びたって・・・大丈夫でしょう!?人生も急いだって
同じなの!本当に、滅多に無いタイミングなのよ!明日は『山開き!』なの!」

【何よりも、星が峰で、石鎚さんを見れるなんて、そんな地元の私達でも滅多に
ないことなのよ!そんな偶然は、あなたの遍路に!】

って・・・

最後の30分は、自宅の電話番号を教えてくださるは、、、私の携帯をお教えして、
明日の待ち合わせ場所まで指定され・・・ご主人のご意見は?!と心配しながらも、
取りあえず、「どうしようかなぁ~」と思いながら、それでも、本当に楽しい一時
を過ごさせて頂き、納め札に、Blogのアドレスも書いてお渡しし、楽しい時間
に別れを告げました。

なんと!1時間半程度もここで休憩していたようで!時計の針は(11:45)
ちょっと、急がないと!と思ったのですが、冷静になると、まだ時間的に64番ま
で打つのは余裕だと考え、ゆっくり山を下りました。

(12:40)横峰を打った時点での、自分の頭の中の予想時刻より大幅に遅れて
香園寺に到着。ここは、新興宗教団体か!?と思う程、鉄筋コンクリートの寺?!
で、おまけに、大師堂が左右の階段から2Fにどうぞ!って・・・噂には聞いてい
ましたが、もう、びっくりしました。。。

その後、61番香園寺とは、全く正反対の静かな62番宝寿寺を打ちました。この
差は何でしょうね・・・隣町?同じ町?なのに、この寺の差?いろいろな理由
(わけ)があるのでしょう。地元の人にしかわからないのだと思いました。

その後、63番の吉祥寺でお参りし、納経を済ませると、納経所で、「歩き遍路」
と言う事で「お饅頭とモナカ」のお接待を頂きました。有り難い事です。

納経所で、決めかねていた「石鎚山」の事を恐る恐る・・・聞いてみると、明日は
「山開き」なので、大勢の人が出る事、そして、夏山なので、軽装でも大丈夫だと
言う事、そしてバスの時間まで調べて頂きました。今日の宿を、伊予西条にすれば
伊予西条駅前からロープウェイ乗り場までバスがあること。その時間も、日帰りで
十分である事。「高山病」の心配なんてない事!

但し!「ブヨ」対策だけしっかりして、虫除けスプレーと、虫刺されの薬の手配が
あれば?!大丈夫だとの事など、お話させていただきました。

そして、最後に!止めとして!

「石鎚山は、弘法大師が百日修行された山ですから、お遍路さんの修行にも繋がる
大事な事で、非常に稀なタイミングで、時間があれば、どうぞ行ってみて下さい!」

との事・・・

これは、行くしなかない!登るしかない!

と決意した次第であります・・・

山登りも何もした事がない私が・・・

これも人生、そして、お遍路に出て、こんな(明日が山開きの日の前日に此処にい
る)偶然と、何よりも、多くの方の出会いなど。

登ってみることにしました。

伊予西条のホテルの連泊の手配。明日予約していた、伊予三島のホテルの明後日へ
の予約変更等を、64番前神寺の後、コンビニ・サンクスの前のベンチで、500
mlのビールを飲みながら!完了しました。

この宿は、駅前で、石鎚山のロープウェイまでのバス停のまん前です!
インターネットはフリーで部屋で使えるし、少し部屋は狭いですが、清潔なホテル
です。まずまずでしょう。

先ほど、自転車を借りて!薬屋さんまで、虫除けスプレーと、虫刺されの薬を買い
に行き、帰りにスーパー(マルナカ)で今日の夕食と、ビール6缶!と焼酎1本!
等、明日の昼の山用の食料など買い物しましたので、万全です!

そんなBlogの原稿を書いていたら、昼間、この偶然を頂いた、横峰からの下り
で出会った、素敵なおばさん(私の母とほとんど変わりません!)からお電話を頂
きました。ホテルまで、迎えに行ってあげようか!と言われましたが、中年の意地
もあり!(笑)、明日、登ります!そして、便利なバス停の前にホテルを取った事
を伝え、またまた楽しい会話でした。横で、ご主人の声が聞こえていました。

ありがとうございました。本当に感謝しております。明日、ちゃんと、弘法大師縁
の石鎚に登ってみます。

どんな事になるのか、少し不安ですが、2000m弱の山など、私にとっては初め
ての経験です。

多くの出会いがあり、そして、楽しい一日でした。

夕方、実家の父から携帯に電話がありました。

そんな事を話すと、「そうか、良い経験だ!しっかり登ってきなさい!」と、香川
に入る事を楽しみに待っていていてくれますが、石鎚山に登って、香川入りが少し
遅れる事は、逆に喜んで見守ってくれているようでした。

不勉強であった自分を反省し、そして、こんな私にチャンスを頂いた、天候と様々
な出会いに感謝しております。

さて、今日の「酒量」は・・・
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(1)夕方、64番の後、サンクスで缶ビール(500ml×1)
(2)お風呂から出て、缶ビール(350ml×3)
(3)今、ブログを書きながら、焼酎水割り(2合原酒×1(お茶割り多分5杯)
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では、明日は、石鎚山レポートになります。

山開きのノボリなどが、国道11号線に沢山出ていました。また、先ほど、埼玉の
Aさんからお電話を頂き、昨日無事に、そんなに雨にも降られず、横峰を打ち、そ
して下り、美味しいしゃぶしゃぶをBH小松で堪能したとお電話を頂きました。
Aさんの奥様からも、コメントを頂いております。奥様の方が心配していたので
しょう!(笑)

こんな日があって良いのだと実感しました。
私の人生はずっと急いでばかりでした。
出会いを大切に、流れに任せて、せっかくの弘法大師への縁の旅ですから、
もう旅の残された時間は限られているのですから、
焦らず、楽しんで、歩きたいと思います。

今日はこの辺で!



猛暑日?!なの?!今日は!遍路27日目

2007年06月29日 | Weblog
「猛暑日なの?今日は!?遍路27日目」

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天気:朝から猛暑、その後曇り、そして激しい雨、その後曇り
気温:22度~35度位
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ホテルコスモオサム  6:55発
59番国分寺   7:40着   8:00発
別格10興隆寺 12:10着  12:45発
別格11生木地蔵13:40着  14:45発
湯の里小町温泉しこくや 15:45着
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歩行距離:約31Km
歩数:39,900歩
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主な出費
納経代:300円×3寺=900円
数珠代:300円×4=1,200円
飲物代:550円
昼食代:400円
宿代: 7,500円(夕食のみ)
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総合計:10,550円
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今朝は、埼玉のAさんとホテルで食事してから一緒にスタートすることにしてい
たので、ホテルの朝食を頼んでいたので6時半にレストランで朝食を取り、6時
55分にホテルを出発した。

Aさんは、今日、一緒にこれから59番国分寺を打ち、その後、約20キロ歩い
て横峰寺の麓まで行き、そこから8キロ弱の山登りをして、61番近くのホテル
に向かう予定である。

59番を打つのが8時前になるので、少し「気が急いている」ような気がするが、
朝食を取ってのスタートとしたようだ。私だと、せっかちなので、朝、途中のコ
ンビニで朝食を取ることにして、6時にはホテルを出て、7時前に4キロ先の国
分寺に到着して7時に納経を済ませて、そのまま午前中に20キロを歩き麓まで
行って、横峰の山登りとするが、最悪納経時間時間ギリギリに横峰を打って、そ
れから2~3時間掛けて7時過ぎまでの下りも考えているらしい。

大丈夫だと良いが・・・と考えながら、一緒にホテルを出発した。

二人で国分寺に到着し、なんとなく慌しいお参りと納経を済ませて、一緒にとり
あえず、約4.5キロ地点(国分寺から)の道の駅の休憩ポイントを目指す。途
中、私が、先に歩くのを止めて、Aさんに先に歩いて頂く。普通に歩くと私の方
が早いのだと思い、私のペースに合わせていると疲れてしまうかなと思い、また、
彼は、これからが大変な今日の行程なので、彼のペースで歩いてもらう事にした。

歩道も狭い県道から国道に出ても、彼のペースはかなり速い。恐らく時速5キロ
を超える程度まで上がっており、私の朝の抑え目のペースだと彼に徐々に離され
る程である。

「こんなに急ぐと山登りがあるので、大丈夫だろうか?」と少し心配になるが、
大人同士なので、あまり助言も出来ずに・・・何とか、私が付いていく感じで、
道の駅に到着。(8:45)

Aさんは、自動販売機でドリンクを飲み、10分程度で先に出発した。ここまで
の気温は、私がこれまで感じていた中で最も厳しいと感じていたので、私は、彼
に「午後の山登りがあるので、時間的に急いている気持ちは分かりますが、あま
り急がず、適宜、休める場所では休憩も取って、山の手前まで『足を貯める』よ
うに」と、少しおせっかいだと思ったが、アドバイスさせて頂いた。

ただ、彼も、昨日の40キロで自信もあるのだろう。気が張っている時は、大丈
夫だろうが、彼の判断なので彼に任せるしかないと、祈る気持ちである。

私は、Aさんの出発の後、9:10までしっかり休憩してスタートする。

しかし、今日は、これまでで、朝なのに・・・「最も暑い」と感じた。

その後、スポーツドリンクを、20分毎に、一口ちょっと口に含み、あまり一度
に飲まないようにしながら、脱水症状が出ないように、ダラダラの汗を拭いなが
らの歩行である。

とにかく、暑い・・・日差しも強く、遍路道に逸れても、山道ではなく、高速道
路のわき道で、アップダウンもきつく、この暑さでは、結構大変な道が続く。

(10:00~10:10)8.2K地点の川の手前の、屋根の無いベンチのあ
る休憩ポイントを発見。ここで、暑さの中、強引に休憩した。地図では、この後
の休憩できそうな場所が確認できないのだ。屋根の下で日差しを避けたいが、と
にかく、『腰をおろす』事が最も重要で、道の駅から、既に50分程度歩いてい
るので、ここで強引に休憩して、ここでも靴下まで脱いで小休止した。

その後、歩き始めて10分程度で、臼井御来迎を過ぎたところで、右側に喫茶店
のようなものを発見した。本当はコーヒーでも飲んで休憩したかったが、10分
前に休憩からスタートしたばかりなのでそのまま通過したのだが・・・

中から、綺麗な奥様が走り寄って来て「ご苦労様です。これ、お接待です。頑張
って下さい!」と、「良く冷えた」「ヤクルトと蒟蒻畑」を頂く。『ありがとう
ございます!』と答え、「何だ~寄れば良かった~」と、本当にあり難く、直後
に歩きながら飲み、そして食べる・・・

多分、お店の名前は「楠庵」だと思います。(くすのきあん)
本当に素晴らしい、そして、さりげない、お接待に、なんだか、歩いていて、涙
がこぼれそうになりました。ありがとうございました。

私は、見た目・・・「トレッキングパンツの短パン!に、サングラス!白いポロ
の帽子」という格好である。金剛杖を持ち、ザックの後ろに菅笠をくくり付けて
あるが、「杖を菅笠」が無ければ、ただの「バックパッカー」である。

ただ、バックパッカーと違うのは、「BPマット」も「テント」も持っていない。

太ってもいないし、薄汚れてもいない(と思うが・・・)、四国の遍路道周辺を
歩いているので(杖と菅笠もあるので)、歩き遍路だと分かるのだろうが、それ
以外の地方だと、「中年の、やたら元気な、不思議な、でも清潔そうな、歩きニ
スト的なおっさん」に過ぎないのだ。

歩き遍路は、四国では「許された」格好だが、他の地方では、どんな風に見られ
るのだろう~などと考えながら歩く。

国分寺から13キロポイントで、横峰寺を直接打つ方々とは、道を別れて、別格
10番興隆寺を目指す。ここから「登り道」となる。

結構長いダラダラと登る県道を歩きながら、休憩ポイントを探す自分がいる。こ
の県道は、道に小石が多く、歩きながら靴が小石を拾って、靴の中に小石が入り
妙に歩き難いのだ・・・

(11:25~11:45)徳田小学校の前にバス停を発見!ここで強引に休憩!
後2キロ程度なのだが、ここからの登りはきついのだ。標高差約200mの道の
りと地図で判断して、直前の休憩から1時間以上経っているので休憩とした。
このバス停で、今日の宿に電話して、予約が完了。ひと安心だ!

ここから、少し県道を歩き、右に遍路案内を確認して、本格的な登りに入る。

別格10番の興隆寺の手前の2キロの登りは、正直「結構、厳しい」と言うのが
感想である。

地図でみてもらうと分かるが、尾根をつたった県道やアスファルト道ではなく、
何故か・・・「真っ直ぐ登る急勾配のアスファルト道」なのだ・・・「真っ直ぐ
登る」のである!

足首に力を入れて、しっかり、歩幅を狭くして、ピッチを落とさないようにしな
がら、淡々と登る・・・結構大変な坂である。大汗を2回しっかりかいた頃、よ
うやく到着か?!と思う、駐車場の先の、木立の中に到着。

実はここからが・・・長い石段が続く・・・石段を淡々と登っていくと、上から
ご夫婦の方が降りてくる。「頑張ってください」と声を掛けられ、「はい!」と
元気良く答えるが、まだまだ先は長いようだ・・・本当に長い・・・

重いザックと疲れた足に、結構堪えるのだ・・・

(12:10)境内に到着。大汗かいたので、少し休憩して、お参りを済ませて、
納経をしようと思ったら、納経所は「不在なので(下の)・・・所におります」
との案内があった。詳しくメモを取るのを忘れたので、「・・・」は忘れた!

この寺自体は、「別格の中でも、あるいは、88箇所の寺を含めても、非常に、
素晴らしい風格を持つ、そして荘厳な大規模なお寺だと思うが、どうも最後の納経
がいけない・・・、住職(納経してくれた)方が変わっている・・・」と思った。
のは・・・私だけだろうか・・・

わかり難い納経所でブザーを押して、さらに納経して下さる方が出てくるまで、
結構待たされて・・・納経をして頂き、ようやく下山開始。

ここからが、厳しい上りの逆である、「最も嫌なアスファルト道の急な下り」が
続く。本当に辛い、アスファルトの急な勾配である。

焦ると足に来るので、ゆっくりゆっくり下りる。ようやく下りきったところから
ダラダラと同じくアスファルト道を歩き、別格11番生木地蔵に到着。田舎町の
小さなお寺であった。

1時間も掛かっていないのでたいした「下り」でもないが、それでも、足には結
構来ている・・・

向かって左側に大きな鳥居があり、その奥に登り階段があり、ここがこの寺の
「本堂」かな?と瞬間思った程、寺(別格11番)と、隣の神社が隣接しており、
私は「鳥居」は寺ではあるまいと・・・さすがに登らなかったが・・・納経所の
おばさんは、「よく間違える人がいるんです」と言っていた。

それ程、この寺は小さく、そして、隣(隣接)の神社の「鳥居」は立派だったよ
うに思えた。

大汗をかき、お参りをする前に納経所の横の椅子に座らせてもらい休憩している
と、納経所のおばさんが「お水しかないけど飲む?」ってお声を頂き、あり難く
500mlの冷えたペットボトルのお水をほぼ一気飲みして、おばさんと話しな
がら、今日はこれで終わりだと。そしてここから約5キロの道のりで宿なので、
安心してホッとした瞬間だった。

ちょうど誰もお参りに訪れる人も無く、私にとっては、納経所のおばさんいろい
ろ話せて大変有意義な時間が経過した。しかし、冷静に思うと、やはり、88箇
所の寺に比べ、別格は経済的には相当に苦しいのだろうと感じた。

その後、お参りして納経、そして、近所のお婆さんも登場して、会話も弾んだ後、
雨が降り出した合間をぬって宿に出発した。が・・・しかし・・・突然の豪雨で
ある。寺を出て10分位歩いた後、急に曇り空が暗転して、土砂降りになった。
逃げる場所がなく、必死に探して、田んぼの真ん中で、ビニールハウスの影に駆
け込んで15分程雨宿りし、再出発。

堤防に出て、橋を渡り、小学生の集団下校の挨拶の中、元気に答えて、国道11
号線に出たところのファミリーマートで一息ついた。

ここは、明日、横峰寺の上りの基点になる場所である。今日の宿から1.5キロ
弱の所で、明日、ここから本格的な登りとなる。

今日の寝酒?(笑)と、非常食の補給、そして、小腹が空いた(爆笑)のでから
揚げ棒と・・・「ビール」を買い、小雨だが外のベンチの屋根のあるところで、
座って休憩しながら小休止とした。

その後、11号線を、1キロ強歩き宿に入り、大きなお風呂に入り、食事をして、
部屋に戻った。

Blogを書きながら、もう既に眠い・・・飲みすぎたかな?!(笑)
今日の午前中の暑さは格別であった。雨は今は止んでいるようだ。

今は、19時前。洗濯も乾燥も終わった。支度は明日の朝にして、Blogを送
信したら、今日は寝ようと思う。

最後に、今日、別格13番の打ち方を2人の方に聞いてみた。
一人は、別格10番の境内であった方だが、徳島から別格を含めて、軽バンで何
度か回っている非常に感じの良い紳士の方であるが、彼によると、三角寺の後、
新しいバスの通る県道を行くのが、歩きにも良いのではとの事だった。

もう一人、11番生木地蔵の納経所のおばさんによると、同じくアドバイスとし
ては三角寺を打った後に、山道を行く!のが最短だとの事。その後、別格14番
に県道をトンネルを抜けて行くのだと・・・

二人とも・・・歩いてその行程を行った事は無いと・・・言っていた。

まともに、歩いた人に出会った(インターネットでも)記憶が無いのはどうして
だろう?と、、、思いながらも、先ほどのコメントでもあったように、明後日の
伊予三島の宿が気になってきた。

明日は、早朝出発で、横峰を打ち、61番に下り、64番までは打てるだろうと
いう計画である。その宿すら取っていないのに、明後日、64番近くの宿から、
40キロ歩き、途中で延命寺(54番の同名の寺ではなく、別格12番の寺)を
打ち、三角寺手前の伊予三島の宿を確保した方が良いと、読者の方も、同じく、
今日の宿のマネージャーもそう言っていた。ありがたいアドバイスだ!

今から調べて電話してみよう・・・と、思い、伊予三島のBHに予約完了!
明後日は、日曜日なので、工事の人も帰るのだろう・・・直ぐに予約出来た~

翌日、三角寺→13番→14番→民宿岡田(まだ取ってない・・・が、早出して
予定通り行けば、64番の近くの石鎚温泉の2軒の宿で駄目なら、4キロ強歩け
ば、伊予西条に10軒以上のBH等があるので、それ程神経質になる必要もある
まい・・・との判断である)予定なので、早出の時は、BHに限ると思う。

襖一枚の隣の部屋に気を使わずに、ホテルの部屋で、持込んだ朝食を取り、早出
可能だからだ。私の「早出趣味?!」の考え方である。

それに、パソコンを持ち出し、「椅子」に掛けて書くのが楽だ。民宿や旅館で、
ちゃぶ台の上にパソコンを置いて座布団に胡坐(あぐら)をかいて、ブログの
原稿をダラダラと飲みながら・・・書くのが、意外に辛いのである。

さて。。。頭の中では、その翌日は、民宿岡田からの連泊にて箸蔵寺からの
打戻りになると想定しているが、果たして・・・ロープーウェイを使わずに
登れる道はあるのだろうか?と考えている。

そう言えば、先に進んだはずの108ヶ所打ちの「野宿派チャリダーS君」は、
箸蔵寺をもう打ったのだろうか?後でメールしてみよう・・・
「歩いて登れるの?」って・・・

と言う感じです・・・結構、酔っ払っているかな?!(笑)

今日の「酒量」は・・・
=====================================
(1)夕方、ファミマで缶ビール(350ml×1)
(2)宿に入った直後、缶チュウハイ(500ml×1)
(3)お風呂から出て、缶ビール(500ml×1)
(4)夕飯時に、中ジョッキ1
(5)ブログを書きながら、焼酎水割り(220ml原酒×1)
=====================================

私もズブ濡れにした今日の午後の雨は、見上げると、横峰の山も(多分)、真っ暗
な雲が覆っていた。

埼玉のAさんは、無事下山して、ネットで有名な、ビジネス旅館小松のしゃぶしゃぶ
肉を食べきれない程、美味しく頂いているだろうかと、ふと気になった。
この旅館は、お肉屋さんの経営だそうだ。私は明日泊まれそうに無い。残念!

では、また明日!明日は、横峰だぁ~~~~

自嘲気味に58番まで!偶然の再会!遍路26日目

2007年06月28日 | Weblog
「自嘲気味に58番まで!偶然の再会!遍路26日目」

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天気:朝、曇り後雨、その後晴れ!(蒸し風呂!)
気温:22度~34度位
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ユースホステル北条水軍  5:00発
54番延命寺  10:35着  11:00発
55番南光坊  11:40着  12:05発
56番泰山寺  12:55着  13:15発
57番栄福寺  14:00着  14:25発
58番仙遊寺  15:10着  16:25発
ホテルコスモオサム 17:20着
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歩行距離:約42Km
歩数:56,200歩
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主な出費
納経代:300円×5寺=1,500円
飲物代:450円
昼食代:600円
金剛杖3号:1,200円
宿代: 5,600円(朝食のみ含む)
夕食代:2,975円(中ジョッキ2杯、チュウハイ1杯、カツ鍋定食)
=======================
総合計:12,325円
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昨日の北条水軍ユースで、あの後、部屋で手前の酒屋で買ってきた「いいちこ」
を飲もうと思ったが、階下の食事の時に芋の水割りまで十分飲んだので、部屋で
は、片付けやらブログの準備やら、今後の行程の確認やらやっていたら10時を
過ぎてしまったので、明日(今日)に備えて、寝ることにした。

朝の食事は、私は早出をするので断り、Aさんは、6時にしてもらい、互いに今
後の検討を願いつつ部屋で挨拶して別れた。

私は朝、4時過ぎに起き、準備をして5時に出発。夜明けの港町の雰囲気を味わ
いながら、国道に出て、2キロ程進んで国道196号から、一度、鎌大師の方角
に遍路地図の指示は出ているので、ここを右折して、手前のファミマ(コンビニ)
で朝の食事のため、お握り2個と缶コーヒーで朝食とする。

鎌大師の横を5時45分に通過。立ち寄らなかったが、6時前だと言うのに、お
よそ50m程離れているが、お経の声が聞こえたような気がした。途中で、鎌大
師に朝のお参りをするために散歩していたご夫婦に挨拶して、山を登る。この峠
と言うか小山が以外にきつい・・・80m程の標高なのだが・・・

急な下りを経て、国道196号に戻り、6時半に浅海の町に出る。ここには、昨
日泊まろうかと考えていた「コスタブランカ」という宿があるが、ちょうどその
先に国道の合流で出てしまったので、どんな雰囲気の宿か確認できなかった。こ
の「コスタブランカ」はネットの情報では、2食付4,500円の格安で、歩き
遍路には人気のある宿だとの情報だったのだ。

ここまでで約5キロ強、時間にして、ファミマの食事を除いて既に1時間15分
経過。一度休みたいと思う時間である。

今日の最初の休憩ポイントをこの先4キロ程度の菊間の町の、遍照院近くのコン
ビニに設定。最初のサークルKは遍照院の隣にあり、既に7時過ぎで、前のバス
停に学生が数人いたので、何となく恥ずかしくなり・・・300m程度先のロー
ソンを地図で確認し、そこまで歩く。

「娑婆」(普通の人が働いている日をそう呼ぶ)の人が働いている日(時間)に
遍路は(仕事もしないで)のん気に歩いている・・・
「あんた、ええ、ご身分やねぇ~」と言うか、そう思っている人もいるはずであ
る。作家の加賀山氏が、そんな事を書いていた気がする・・・そんな事を思いな
がら、何となく、気が引けたのかも知れない・・・

朝から2時間以上歩いているので、結構足が辛い。ローソンで、もう一度コーヒ
ーとパン1個を買い、いつものように!(笑)駐車場の縁石のコンクリートに座
り、靴を脱いで小休止とする。(7:15~7:35)

休憩終了後にスタートすると少しずつ小雨が降りはじめた。天気予報通りである。
今日は一日曇りか雨の予報だったので、覚悟はしていたが、少し降り始めが早い
かなと思いながら、この程度の雨なら何とかなると、傘をさしながらの歩行とな
る。

休憩から1キロ程度歩いた8時少し前から雨が結構激しくなり、必死に雨宿りの
場所を探しながら国道を歩いていると、少し先にバス停があり、ここに飛び込み、
朝から「短パン」状態で、トレッキングパンツを半ズボンにして歩いていたのだ
が、雨が激しく、「ふくらはぎ」から、雨が靴に「つたう」ので、少し気になり、
ここでトレッキングパンツの下側を装着し、「普通の長ズボン」状態に戻す。
15分ほどで雨が小止みとなり、小休止を終了してもう一度再スタート。この
バス停は、「太陽石油精製所前」のようだった。(8:00~8:15)

次の休憩ポイントは、ここから5キロ程度先の「星の浦海浜公園」と地図を見て
確認し、ひたすら、「雨の上がった超~蒸し暑い」蒸し風呂の中を歩く。

(9:15~9:30)までトイレ休憩を兼ねて、星の浦海浜公園で休憩し、こ
こから残り6キロ程度と確認し、今日は、休憩のタイミングが割りと良いので、
足の調子も良く、ガンガン一人歩く!

10:35に、54番延命寺に到着。お参りし、納経。団体の合間だったのか、
ゆっくり上の大師堂でもお参りが出来て、親切な納経所の奥さんに道を確認して
55番に出発する。結構大規模な墓地を抜け、市街地(今治)に出て、南光坊を
目指す。団体さんが2つ来ており、結構本堂はまだ込んでいるので、先に大師堂
でお参りして、団体さんが終わったのを確認して、本堂に戻りお参りをして納経
を済ませ、今治駅方向に向かう。

56番の泰山寺は今治駅を抜けて行くのだが、ここで、今日は大事な仕事?があ
った。

以前、松山の取引先から「鯛の塩釜焼き」を送っていただいた事があり、非常に
美味であり、結構高価なもの(1万円程度かな?)だったが、家族に送ってやり
たいと思っており、これを探して、今治の名産?だと認識し、駅の近くで数人に
聞いたが、分からないのだ。

駅近くではデパートも無く、お土産物屋さんなどに必死に聞いてみたが、分から
ず、結局、難しいと思い諦めて、56番泰山寺方向に歩き出す。

泰山寺の少し手前のコンビニ「サンクス」で、小腹が空いたので(笑)チキン!
とパンと飲物を買い、これをぶら下げて56番泰山寺に到着。結構、歩きが続い
て疲れていたので、先に納経所の横で昼食として靴を脱ぎ休憩しながら、団体さ
んなどの混雑を見ながらのんびり過ごす。

今日はこの時点で、58番仙遊寺までを打ち、59番はわざと・・・打たずに、
59番の精進料理で有名な宿坊か、あるいは、その先59番の手前4キロにある
「歩き遍路では有名」だとネットで確認してある「ホテルコスモオサム」で打ち
止めと決め、電話で予約確保した。

何故なら・・・

(1)59番国分寺まで打ってしまうと、明日、別格10番、11番と打ち、更
に、60番横峰寺まで強行してしまう可能性が残る。

(2)自称スーパー健脚の「性」で、59番を打ち終え宿に入ると、明日、超~
早出すると、20キロ先の別格11番を先に9時過ぎに打ち、別格10番を10
時に打つと、横峰は打てると思ってしまう・・・性が出てしまう恐れがあるのだ。

(3)しかし、59番を残していると、納経はどの寺も7時からなので、朝7時
前に国分寺に到着しても、その後20キロ先の別格10番と11番を打つのは昼
になってしまうので、横峰寺は夕方までに打てても、下まで(61番近く)降り
るのに2~3時間掛かるので、「早出、早仕舞い」が基本の「健脚」君も、断念
せざるを得ないのだ・・・

よって、今日の午後は、自嘲して、ダラダラと時間調整することにした。

それでも、「一応、念のため、今日、59番国分寺は、打っておくか・・・」
などと考えながらいつまでも「諦めない」「性」も心の中にあり、時間切れに
しておかないと「精神状態」が良くないのだ・・・(笑)

57番も終え、とにかく暑い蒸し風呂のような日なので、57番の直ぐ下の土産
物屋で、アイスを食べ、店の中の椅子に座って、世間話をして、更にダラダラす
る・・・

この時点でも、まだ諦めていない自分(健脚の性)がいる・・・

58番仙遊寺までは距離は短いが、250m程度標高の高い寺で、山門から急な
登りが有名と、事前に確認してあるので、真夏の夕方のような暑さの中を、ダラ
ダラの大汗をかきながら上る。

こんなに時間をつぶして来たのに・・・(15:10)到着。

さっさとお参りして、納経して、並足で1時間45分と言われる、下りの道半分
とアスファルト道歩きの合計6キロの道なら、自分なら・・・1時間かな?と・
・・まだ諦めていない・・・

どうしようもない・・・性なのである。

もう少しゆっくり回りなさい!と、言われるのも分かるのだ(爆笑!)

「ゆっくりはお参りしているし、ちゃんとお参りしているが・・・足が速いのを
遅くは出来ない」のだ・・・

仙遊寺は宿坊が綺麗で、精進料理も非常に有名だ。他の宿坊は、肉や魚も出るし、
ビールも飲める?!のだが、ここの精進料理だと「多分、お酒は駄目だと」勝手
に決めて、ここに泊まる事は諦めたのだが、足湯もあるので、時間つぶしに、こ
れを見に行くと、これも今日は休みのようで・・・

そんなかんやと時間つぶしをして、そろそろ出るか~もう大丈夫だ!16時を回
って59番国分寺は今日は無理だぁ~と思った時、ベンチに座っているおじさん
を発見した!歩き遍路である・・・大汗をかいている・・・どこかで見た顔だが
・・・昨日会った、埼玉のAさんであった。

「どうしたんですかぁ~頑張ったじゃないですか~」と話しかけると・・・
「そうなんだよぉ~今治(駅近く)で2時前だったんで、頑張っちゃったぁ~」
って・・・
「今日はどちらに泊まるんですかぁ~」
「この下のちょっと行ったところのオサム何とかってホテルだけど~」
「それって、私と同じですよ!」

って、事で、汗だくのAさんのお参りと納経を、更にのんびりとベンチで待ち、
一緒に山を下りました。

遍路初日以外は、ずっと誰かと同行して、遍路の出会いを満喫し、同業者と励ま
しあいながらの旅立ったAさんだそうで、今日は、宿で私が早出をしてから、
ずっと一人旅だった(本当はお大師様と『同行二人』ですが)ようです。

また、今日も飲むかぁ~って感じですが、さすがに最長不倒距離を歩いたAさん
は、私と同じ40キロ以上の歩行になりますので、お疲れ気味のようでした。

夕食時も、Aさんは、少しお酒は控え気味でした。

でも、明日は、Aさんも、一気に横峰を打つそうです。

私は、明日は、朝一番で59番の国分寺を打って、別格10番と11番を打ち、
夕方までに、横峰の麓の宿までの30キロ弱です。

「はい!明日は、絶対に横峰には上りません!」

それより心配なのは、横峰の次に控える、66番三角寺の前に別格13番仙龍寺
を打つのが正しいのか?それとも、三角寺の下りの、別格14番常福寺(椿堂)
の手前で県道歩きで別格13番に回るのが良いのか?これが、未だに決めあぐね
ています。

108ヶ所を回った名古屋のスーパー健脚お爺さんH氏は、この行程で、雨の中、
唯一の車のお接待で、あっという間の1時間で2つの寺を打っていまい・・・
参考になりませんでした。

この行程の選択とそして事前の整理、そしてアクシデントへの対策は、行程への
入り時間と、終わり(下り)の時間によっては、箸蔵寺までの池田町までを後ろ
に控えており、箸蔵のロープウェイに頼らない山道への挑戦と合わせて、私の今
後の最大の難関だと考えています。

横峰や雲辺は、ある意味、88箇所の方皆が上っているので、あまり気にしてい
ません。ネットや書籍からも資料のあまりにも少ない、別格13番、15番の前
後の行程と15番の上りの山道が、今回の最大の難所なんだと理解しています。

明日から鳥瞰図を見て、じっくり考えてみます。

では!

Aさん、頑張って欲しいものです。横峰は59番国分寺を打ってからだと、結構
上るより下りる時間の計算もしておかないと大変ですよぉ~多分・・・(私も始
めてなので、分かりませんが)

また、皆様の「暑さと飲み過ぎ」に対するご忠告・・・真摯に受け止めております。

しかし・・・ハンデ3の私は、朝から飲み続けながら、月例も、クラチャンの予選
も、接待ゴルフも出ており、夏には・・・水筒に焼酎を入れ、所属クラブの茶店に
ボトルキープして、途中で水割りを飲みながらのプレーをしている「あぶさん」
状態なのであります。

気をつけますが・・・歩き遍路になっても、このスタイルは変わらないと思って
おります。それでも、今日の暑さには、昼間飲む気もしませんでした・・・

今日の「酒量」は・・・
=====================================
(1)昼は無し
(2)宿に入った直後、缶ビール(350ml×1)
(3)お風呂から出て、缶ビール(350ml×1)
(4)夕飯時に、中ジョッキ2、芋焼酎の水割り1
(5)ブログを書きながら、缶ビール(350ml×1)
(6)寝酒に、缶の水割りを多分1・・・
=====================================

では、また明日!

酔っ払い遍路2号~発見!遍路25日目

2007年06月27日 | Weblog
「酔っ払い遍路~同行!遍路25日目」

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天気:一日中~晴れ!(超~暑い!)
気温:22度~33度位
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ビジネスホテルさくら  7:45発
53番円明寺   9:10着   9:35発
52番太山寺  10:10着  10:35発
53番円明寺  11:00着  11:45発
ユースホステル北条水軍 16:30着
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歩行距離:約25Km
歩数:34,000歩
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主な出費
納経代:300円×2寺=600円
飲物代:750円
昼食代:2,400円(生ビール2杯含む)
宿代: 4,200円(夕食のみ含む)
温泉代:500円
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総合計:8,450円
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昨日の暑さが堪えたのか、朝から、何となく気合が入らない・・・朝ホテルで目
覚ましを止めながらダラダラと過ごしてしまう。松山位で、もう少し心のゆとり
でもあればいいのだが、元気に出発するわけでもなく、さりとて、観光や気分転
換もするわけでもなく、体もダルく感じて、早朝の出発にブレーキが掛かった。

7時半からホテルでコーヒーのサービスがあるので、これに時間を合わせるよう
に、荷物をまとめて下に降り、軽くコーヒーを頂き、7時45分に出発すること
になった。

通勤、通学の人々が行き交う、松山市内を、何となく「気恥ずかしい」思いで、
県道187号から国道196号と入り、52番の太山寺を目指す。

遍路地図では、この道後温泉から太山寺までの道のりは、(甲)(乙)(丙)と
おおよそ3つのルートがあり、どの道を通っても1キロ程度の差であり、この道
以外にも、要するに松山の中心街を抜けて行く道を選ぶのは自由である。

基本的に、最短ルートの(乙)ルート中心に、道を間違わない程度に歩き易い道
を確認しながら歩いていった。

6キロ程歩き、国道196号から県道40号に左折して、ここまでは良かったの
だが、途中、県道に歩道がなく、その割りには交通量が多く、狭いので歩き難い
と感じて、小さな川の横の旧道のようなところを歩いていたら、そこに「遍路道
の看板」が出ていて、これを頼りに、恐らく「甲」のルートに入ったのか?と考
えながら、溜池沿いの歩き易い平坦な農道のようなところを淡々と歩いていた。

途中、地図を確認するが、どうも、地図にないルートに感じて、不安を抱えなが
ら、52番の太山寺の方向を目指すが、何となく、いつまでたっても、明確に方
角が確認できない状況で歩き続けた。

途中、JR予讃線の線路を越えるのだが、どうも、地図にはない「越え方」、つ
まり、道の交差の仕方がおかしい・・・と感じて、慌てて通りがかりの車に手を
上げて道を聞く羽目になった。

すると、どうも、方角的にはかなり52番の太山寺からは離れており、なんと、
53番の円明寺の200m程手前に来ているらしいことが分かった。
「その向こうのこんもりした林のところが円明寺さんですよ!」と¥・・・

道を聞いた親切に教えてくださった方に、丁寧にお礼を言い、仕方が無いので、
先に52番円明寺を打つことにした。

お参りを済ませ、納経所に言って、「先にこちらに来てしまいました」と言うと、
「ええ、どちらでも良いんですよ。以外に多いですよ~」との事。「やっぱり~
そうなのか!」と安心したが、納経所の方が、「結局、その道の前まで戻ってき
ますよ~」と、直ぐそばの県道39号線の事をさして言うのだ。

「その信号から、片道2.5キロ程度の往復ですね」との事で、親切な納経所の
方のお言葉に甘えて、荷物を預かってもらい、納経帳などお参りに必要なものだ
けを持って、重たいザックは置いて「空身!」での52番の往復となった。

太山寺までは、本当に円明寺から一本道である。一度も曲がる必要も無いのだ。

快調に「空身」で歩き、30分弱で到着。やっぱり空身は最高である。
山門で、歩き遍路の方とすれ違い、挨拶をして、空身で登って行く。
「空身の楽さ」を痛感したのはここからである。

太山寺は、山門を入った所に、「駐車場まで100m、納経所まで150m、
本堂まで350m」と書いてあったのだ。更に、前を見ると・・・山である。
だんだん急坂になり、本堂は更に階段を上ったところにある。

もし、重たいザックを背負っていたら、結構一汗かく距離であろう。それにここ
まで空身で、いつもなら、背中にザックとの隙間がほとんど無いので「汗」をか
なりかいているが、これがないので、特に日陰に入り、風など吹くと、涼しかっ
たので、もう楽勝!である。

境内でお参りを済ませ、納経所まで降りて納経を済ませ、そして、空身でほとん
ど・・・スキップ状態で(笑)また一本道を円明寺まで戻った!

円明寺の納経所で、丁寧にお礼を言い、「本当に救われました!」と笑いながら
話して、境内に戻ると、境内でお参りを済ませ、先ほど、太山寺の山門ですれ違
った歩き遍路の方がベンチで早い昼食を取っていた。

挨拶し、私も、ザックを下ろし、荷造りをしなおし、今日は、これでお参りは終
わりで、53番円明寺から次の54番延命寺までは約35キロあるので、この時
間からの到着は不可能であるため、今朝既に無駄な往復を含めて15キロ程度歩
いており、これから、10キロ程度先の北条で宿を取るか、あるいは、更に7キ
ロ先に1件だけ宿があり、ここにするか、それとも合計45キロ歩き、夕方遅く
まで歩けば、延命寺手前の宿までいけるかな?「それはかなり辛いので駄目だ」
等と、出発のスタート時間が遅かったので、今日の日程の現実的なところを考え
ながら、この時点ではまだまだ迷っていた。

彼は、埼玉から来られた定年退職を機に歩きをされているAさんで、先週末まで
一度28日掛けて、道後温泉まで歩き続け、所要で一旦飛行機で帰宅して、今朝、
また夜行バスで道後温泉まで到着して、朝から再スタートをされた方であった。

彼の昼食のデザートのポンカン?を半分お接待で頂きながら、一緒に話しながら、
ベンチで歓談していた。彼は、今日は、これまでユースホステルも泊まった事が
無いので、10キロ先のユースホステル北条水軍に泊まってみる事にしたと言う。
そんな話をして、私もどうしようかな?なんか、同行して歩いた方が気がまぎれ
る事も多いので、まして、昨日~今日は32度を超える暑さで、少し参っている
ので、距離は延ばせそうに無いと思い始めていた。

その時、境内に一人の近所の?奥様が登場し「お接待させて下さい」と、お菓子
やジェルタイプの飲料、更にジュースが入った袋を、我々に下さった。二人とも
丁寧にお礼を言い、納め札を二人とも出して、少し会話する事になった。優しい
奥様で、とても、あり難く楽しい会話の一時であった。

そんなかんやで・・・A氏と少し同行して歩く事になった。二人とも、夜はかな
り?(笑)飲みながらの、宿付き贅沢遍路であること。また、歩き遍路は、やは
り修行という意識が多いのか、あまり飲まない方との同行も多く、楽しい出会い
は沢山あるが、そんな人が多いですねぇ~などと、自分達の同類(酔っ払い遍路)
を正当化しながら、楽しい会話のゆったりとした午後の歩きとなった。

ちなみに、今日も、32度~33度、アスファルト道の照り返しも含めると40
度近い国道歩きの「体感気温」が続いており、今日の午後のAさんとの楽しい同
行だったので、少し気もまぎれるのだが、一人で、足も痛くなり始める午後だと、
残り距離がかなりある日には相当憂鬱な日になるだろう。

残り53番円明寺から、約10キロの北条までの道のりの同行において、私も、
今夜はAさんと同じ宿にしようと言う事になり、これでもう完全に楽勝モードと
なった。

スーパー健脚を自称する私としては、今日は25キロだけだ。昼から10キロの
道のりも、いくら暑くても気がまぎれて、話しながらだと本当に助かる。

途中5キロ程歩いて、回転寿司のチェーン店を見つけて、二人で昼食を取りに入
る。Aさんは、既に昼食は済んでいたので軽めとして、私は、非常食のパンもま
だ食べていなかったので、二人で「ニヤッと・・・」顔を見合わせ、店に入ると
直ぐに『「中ジョッキ」2つ!』である!

『乾いた砂に水を流し込むように』二人共、あっという間に一気飲みに近い。

「お代わり!2つ」

と、ほぼ同時・・・

これからまだ5キロあるのだが・・・

結局、二人とも自制して、これで昼間のビールは終わり、あとは、楽しく淡々と
歩いて、4時前には宿に到着したが、宿のご主人(北条水軍ユースホステル)が
外出しており、5時ごろに帰宅となるらしいので、直ぐ近くの酒屋で、2人でビ
ールを買い、つまみを買って、酒屋の前のベンチに座って、気楽に飲み始める・・・

完全に、サラリーマンで賑わう・・・新橋や神田の、立ち飲み屋状態である・・・

今日は、こんな一日となりました。

今日の「酒量」は・・・
=====================================
(1)昼の回転寿司で中ジョッキ2杯
(2)宿に入る前、缶ビール(500ml×1)
(3)お風呂から出て、缶ビール(500ml×1)
(4)夕飯時に、中ジョッキ1、芋焼酎の水割り1
(5)これから、持込んだ焼酎をお茶で割って飲みます。
=====================================

今日は、ゆっくりしました。明日の天気は雨?

この辺で。

「新しい出会いと、道後温泉~!遍路24日目」

2007年06月26日 | Weblog
「新しい出会いと、道後温泉~!遍路24日目」

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天気:一日中~晴れ!(超~暑い!)
気温:20度~33度位
--------------------------------------------------
ガーデンタイム  6:15発
46番浄瑠璃寺 10:00着  10:50発
47番八坂寺  11:10着  11:35発
別格9番文殊院 11:45着  12:05発
48番西林寺  13:10着  13:45発
49番浄土寺  14:20着  15:00発
50番繁多寺  15:25着  15:50発
51番石手寺  16:25着  16:40発
BHさくら   17:15着
--------------------------------------------------
歩行距離:約31Km
歩数:46,400歩
--------------------------------------------------
主な出費
納経代:300円×7寺=2,100円
数珠代:300円×2=600円
飲物代:600円
宿代: 3,980円(素泊り)
道後温泉代:400円
=======================
総合計:7,680円
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今朝は、なんか・・・飲み過ぎなのか、体がダルい・・・ブログの原稿を途中で
中断一度して何とか「その1」を送信した後、倒れこむようにベッドに入り、そ
のまま2時過ぎまで寝てしまった。今日の予定も何も考えず、それでも習慣とし
ては、早朝に出発したいと思いつつ・・・である。

2時に目を覚ましたが、また寝てしまう。4時の目覚ましも一度消してまた寝る。
結局5時過ぎに起き、外の様子を確認すると、「まさに、高原の朝!」霧の中の
朝である。携帯で今日の天気は晴れであると確認し、「温度の低い早朝から歩い
て、その後の事は後で考えよう~」と支度を始める。

それでもなにやら体がダルい・・・きっと昨日のDさんのお接待焼酎の飲み過ぎ
のようであるが・・・体が疲れているのだろう・・・思い体を必死に勇気付け、
いつもより遅い6時15分に出発した。

高原の朝は、雲の中なのだろうか?この町は、関東の菅平や、軽井沢、那須のよ
うな雰囲気が少しある。四国にもこんな町があるのだ。そんな高原の早朝の国道
を松山方面に歩く。

当面5キロ程度先の、休憩ポイント(へんろ小屋か、国道の休憩所)があるはず
で、地図でここを確認して歩く。途中、久万のコンビニ・サークルKで、朝ご飯
の補充にとお握りとコーヒーを買い、そのまま休憩所で食べようとザックにしま
って歩く。

ダラダラと上る道である。久万高原(約490m)から三坂峠(715m)まで
約5キロ程国道を上り坂となり、そこから、遍路道に入り、約5キロの遍路道を
下るはずである。とにかく休憩ポイントに向かうため、必死でダラダラ上りの国
道を歩く。

(7:15)に休憩所に到着。先客と言うより野宿した様子の歩き遍路がいるよ
うで、姿は見えないが(隣のトイレか?)ザックなどが置いてある。広い遍路小
屋なので、片側のベンチで1~2分程待っていると、若い遍路の男性が登場。

「おやようございます!」と互いに挨拶し、何となく会話していると、彼も東京
から来て、108ヶ所(88箇所と別格20寺)を歩きで打っている若者だった。
108ヶ所打ちで、チャリンコ(自転車)の野宿S君は会った事があるが、歩き
遍路の108ヶ所打ちの野宿君は始めてである。

何となく親近感が沸き、少し話して、彼も出発の準備は整っているので、一緒に
少し歩く事にした。(7:15~7:45)

彼は、東京から来た、美大を出た23歳。直ぐには就職せずに、今はフリーター
で、来年には就職すると家族にも彼女にも約束し、今回、四国遍路に出てきた若
者である。

彼と話しながら国道歩きの後、1キロ強進んだ頃であろうか、右に遍路道に入る。
ここまで、登りが続いた(久万高原から標高で200m位上ったのだろう)ので、
結構疲れていたしスピードの出ない事が脚を重くし、「今日はかなり疲れている」
と感じていたのであるが、そこから、同行3人(お大師様がいるので3人)とな
ったので、話している、一人(本来は、お大師様といるから2人だが・・・)で
は無いので、結構疲れている時は助かるものである。

昨日の夜、ホテルの食事の時、カウンターの横で「焼酎のお接待」を頂いたDさ
んが「三坂峠はきついんじゃないのぉ~」と脅かされていたが、ここが三坂峠の
ようである。遍路道に入り、ずっと下りが続く。恐らく、国道歩きで、上りは終
わり、後は、「5キロ前後の長い下りの遍路道」のようだ。

長いアスファルトの急な下りが一番脚には厳しいのだが、ダラダラとそれ程急で
もない遍路道(古道・山道)は、恐らく最も楽な道かもしれない。脚には、最も
優しいのだ。

彼も108ヶ所を打っているので、特に「別格寺の難所」について互いに話を出
来る人は初めてである。

彼は、テントを背負って、一部、善根宿を経て、ほとんどテント生活である。自
分では、毎日、水場で行水したり、自分で洗濯して、野宿にしては~かなり清潔
にしていると自負していたが(笑)、それでも・・・かなり匂う・・・(爆笑!)

私も、下のトレッキングパンツは毎日同じものを着ているし、上の半袖シャツは
2枚を毎日選択して交換しながら着ているが、『野宿無し、宿付き、飯付き』の
【贅沢遍路】である。

自分で言うのもなんだが・・・「中高年の清潔な、贅沢遍路姿」であろう。着て
いる物も、「洗剤+洗濯機」で洗濯しているので、薄汚れた感じは無い。

出来るだけ毎日洗濯するようにしていると言っている彼の着ている物も、何とな
くであるが・・・薄汚れている・・・

世間はどう見ているのであろうか・・・この国(四国)の人は、特に、若者に優
しいのだ。遍路の若者には優しい人が多い。だから許されるし、野宿の若者にお
接待をしてくれる人も多い。

話し方もずいぶん最近の若者の中ではしっかりしている。就職はしていないと言
うが、サービス業でアルバイトをしていたと言う。彼は、今まであった野宿遍路
の中でも最もしっかりしていると思う。それでも、1ヶ月以上の野宿生活は、か
なり外見上の「変化」を生んでいる。でも、素晴らしい青年である。間違いない。
と、私の経験上、そう感じた。

46番までの約10キロの道のりを、彼のおかげだろう!疲れている、今の私に、
自分一人だったら辛い道のりも、あっという間に2時間と少しで、山道も、その
後のアスファルト道歩きも、10時に46番に到着した。一人だったら、ここま
でとても、この時間には来れなかった。それに、足の疲れも、彼との楽しい会話
と出会いで、それ程でもない。

46番では休憩をあまりこれまで取らなかったので、二人で話しながら、共に持
ち合わせたお握りやパンで、軽めの昼食をしながら、会話しながらゆっくり休ん
だ。(10:00~10:50)

徳島から自動車遍路の5人くらいの方にも話しかけられ、子供の頃住んでいた町
の近くの方で、とても会話も弾み楽しい一時でもあった。

47番、別格9番まで一緒に歩きながら打ち、彼に、今日の宿を訪ねると、当然
野宿で、のんびり48番の先の公園か、49番の外れの公園を当面の目的に歩い
ていると言う。

私の「閻魔帳」を取り出し、51番石手寺は、元幼稚園の講堂を通夜堂として貸
していただける可能性があること。また、49番の通夜堂もあるとの話をして、
頑張って!と言って、その後は、互いのペースもあるので、先に行く事にした。

互いに、遍路の【名刺】である「納め札」を交換し、信頼できる人にしか渡さな
い携帯の番号や、メールアドレス、それに、このBlogのアドレスなどを記載
して先に私が進む事にした。

彼は美大出身と言う事もあるのであろう、ただ108ヶ所を回るだけもなく、余
裕を見て、観光も十分楽しんで、各地方の名所、旧跡、城、なども全てとは言わ
ないが回っているのだ。素晴らしい若者だった。

彼と別れて後、また、いつもの一人歩きとなった。ただ、先日、Blogの読者
のKoyamaさんから教えて頂いたように、松山に向かう寺の間隔の短い道は
「気分転換」が可能で、過酷な「長距離の寺間」と異なり、何とか自分ひとりで
も、そして、体や、足の疲れにも、優しい歩きであった。

今日は今年一番の暑さで、松山市内は33度前後と、アスファルト道の体感気温
は40度近い道のりだったと思う。

暑さで参りそうになったが、午前中まで、若者K君との同行で、あっという間の
行程で距離が進んだ。彼の、優しさと、そして、体は、これまでの強行軍がたた
ったのか、44番、45番と当面の「難敵」と倒し?!ホッとしてか、何となく
脱力感なのかダルく感じたが、それでも、最後まで落ち着いて打てたと思う。

50番と51番で、長崎からの車遍路のご夫婦と納経所でお話しすることになっ
た。札所が近いので、歩いていても、車の移動とそれ程変わらない時間で追いつ
くようなスピードとなるのだ。素敵な、優しいご夫婦で、歩き遍路に大変ご興味
をいだいておられた方々だった。

疲れた足を引きずって、一人で、今日の宿に向かった。途中で、今日は51番ま
で打てそうだと感じたので、「道後温泉」の近くに宿を取った。

3980円の格安のビジネスホテルだが、特に大きな問題はない。清潔で少し狭
いが、道後温泉まで歩いて3分程度で、十分な距離だ。ホテルにチェックインし
て、ホテルの洗濯機をセットして、有名な「道後温泉」に400円で入浴してき
た。温泉の質は、どうかな?と思う程度である。「雰囲気」は抜群であろう。

近所のホテルに宿泊している人達が沢山、浴衣姿で温泉に来ていた。もちろん地
元の人たちでも賑わっている。あの夏目漱石も愛した「坊ちゃん!」を生んだ温
泉である。

昨日の「遍路23日目」の「その2」は、明日か明後日に続報を書きます。

今日の「酒量」は・・・
=====================================
(1)49番の直前、こっそりコンビニで買ったビール350mlを、49番の
境内で納経後に休憩しながら飲んだ。
(2)宿に入って、道後温泉に入り、そして部屋に戻って、缶ビール(500ml
×2)
(3)もう一度、宿を出て、直ぐ隣のスーパーで、夕食を買って、缶チュウハイ
(500ml×1)
(4)Blogを書きながら、飲み足らなくて、Blogを中断して、もう一度、
コンビニに外出して、缶チュウハイ(500ml×1)と、焼酎を買ってきた~
(200ml原酒)
(4)をお茶で割ってこれから寝ながら飲みます。
=====================================

明日は、これまでの強行軍を反省、そして癒して、残りの「遍路旅」のために、
もう少し、ゆっくりして、過ごそうと思います。

今日はこの辺で。

恐るべし・・・久万高原!遍路23日目(その1)

2007年06月25日 | Weblog
「恐るべし・・・久万高原!(その1)遍路23日目」

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天気:一日中~晴れ!(暑い!)
気温:23度~29度位
--------------------------------------------------
若竹旅館     4:55発
ガーデンタイム  9:20着
44番      9:50着  10:40発
45番     12:50着  13:20発
ガーデンタイム 15:50着
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歩行距離:約40Km
歩数:57,900歩
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主な出費
納経代:300円×2寺=600円
飲物代:800円
宿代: 5,500円(夕食付)
=======================
総合計:6,900円
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若竹旅館のおばさん(自分でそう呼んでいた・・・)が、「朝の食事は何時から
でも良いですよ~」と優しく言って頂いたので、お言葉に甘えて4時半とお願い
し、朝3時半過ぎに起床した。昨日は、「焼酎のお茶割り」を飲んで8時には寝
たので、睡眠時間は十分であろう。ただ、連日の疲れが残っていないわけではな
いが、それでも、今日は、88箇所の寺の数で言えば「半分」の44番と45番
を打つので、何となく気合が入っている!

結局4時15分過ぎには、おばさんが用意できましたとの声を掛けて頂き、朝食
を頂き、朝から大盛りのお茶碗で3杯も食べ、まだ「食べられるうちは大丈夫だ
ろう」と勝手に自分に言い聞かせ、支度をして、出発した。

こんなに朝早く出掛けるのに、宿のおばさんが、玄関で見送ってくれたのも、朝
こんな時間にご飯を用意して頂いたのもはじめてである。古い建物であったが、
それでも必要十分の設備と、そして、洗濯までおばさんがして頂いた。洗濯機も
乾燥機も無料である。何よりも、優しいお母さんであった。私より若い人には、
まさしくお婆ちゃんであるが、80歳になったというおばさんは、私の母と4つ
しか変わらないのだ。玄関で手を振って、まだ見えなくなるまで見送ってくれた
おばさんは、私には母にも見えたような気がした。有り難い事だと思う。
(4:55)(52キロ地点)

旅館の前は、県道だが、直ぐにわき道から国道380号に出れるのだ。3分も掛
からないうちに、国道に出て、当面5キロは道なりである。宿のおばさんに、朝
食の時に、5キロ前後進んだところで、国道を迂回(近道)して歩き道があるの
で、これを「登れば」30分以上短縮できる遍路道があるので、必ず「登る」よ
うに言われた。出掛ける前に、再度、遍路地図で確認し、ちょうど5キロ前後先
の三島神社の先にショートカットの「歩き遍路の古道」があるらしい。

淡々と夜明けの国道を進み、一台も・・・前も後ろからも車が来ない状態が続い
た頃、ちょうど、三島神社の手前で、後ろから初めての車が来た。あんまり車が
来ないので、ほぼ「五感(耳だけだが)を頼りに」国道の真ん中を平気で歩いて
いたのだが、車の音が聞こえ、右端に寄ると、一台の軽ワゴン車がゆっくり速度
を落として、窓が開いた。

運転手さんが遍路の格好とは少し違ったように思ったが、それらしい格好の60
代位の男性が、「頑張って!これ、お接待!」と、米菓子のようなものを一袋差
し出すのだ。「ありがとうございます!」と言った途端に、ブゥ~っと走り去っ
てしまった・・・

ナンバーは「徳島・・・の『88』」であった・・・本当の話である。ここは愛
媛だよなぁ~と一瞬考えたが、確かに「徳島」ナンバーの軽ワゴン車であった。
88箇所巡りをされている方なのだろうか・・・だからナンバーまで「88」に
して・・・と思いながら、米菓子一袋を握り締めて、三島神社を直ぐ見つけた。

三島神社を左に見て曲がると直ぐに遍路道があり、ここを登るんだ!と理解し、
そのまま突入。地図では大した距離ではないが、かなり登るんだろうと推測。何
故なら、迂回してクネクネ曲がっている国道がかなり遠回りしているような地図
になったおり、宿のおばさんによると、「遍路道を行けば15分位だが、国道を
行くと2キロ近い登り道で、1時間近く掛かる」との事。そのまま遍路道を行く
と、昨日までの雨で、結構滑り易く、それにかなりの急勾配で、確かに厳しい登
りである。

ただ、上りなので慎重に歩けばそれ程の不安感は無いが、下りだと、雨の後や、
雨の中だと、かなり厳しいと察する。それに、悪天候の時は、時間は掛かるが、
回避した方が無難かも知れない、それ程の急勾配であった。ただ、距離は短く、
私の脚で、いったん国道に出て、そのあと、さらに短い遍路道の2つの「遍路道
ショートカット」の道の合計で15分弱という距離なので、500m程度の急勾
配ののぼりと言った感じだろうか。

そこを抜け、ダラダラと上ると、真弓トンネルの手前に、最初の休憩ポイントと
目指したへんろ小屋で休憩を取る(6:15~6:35)。しっかり20分近い
休憩を取り、靴も脱いで、リラックスした。(多分、名前は「真弓休憩所」だっ
たような・・・メモを取るのを忘れた・・・57キロ地点)

真弓トンネルを抜け、今回私は父二峰小学校の手前を「農祖峠」を抜けるために
左折せず、そのまま国道を直進し、先ほどのへんろ小屋の休憩ポイントから約5
キロ先(62.5キロ地点)のへんろ小屋を地図で確認していたので、ここを目
指し、380号から国道33号線のルートを選択した。

(1)休憩ポイントが欲しかった事、(2)昨日の午後のかなりの雨で厳しい峠
は避けたいと判断した事、(3)この地点から農祖峠を越え、33号線まで出る
旧道は、一度標高400m前後から農祖峠(650m程度)まで上り、更にまた
460m前後まで下るという「ナンセンス!」な道だと判断した(笑)。

「やまや」(登山愛好家)なら間違いなく峠越えを選ぶのだろうが、私は、超~
合理的な性格なので、一度山を登って、同じ道に結果的に出るならば、1キロ程
度しか距離も長くないので(合計で8キロ前後)、当然、平坦な(少しは上るが)
国道歩きを選んだ。

父二峰小学校の集団登校の小学生を追い抜き、沢山の「朝のおはよう!」を言わ
れて、更に、近所のおばさんたちにも「おはようございます!」と言われ、元気
な国道歩きを楽しんで、62.5キロ地点の休憩ポイント(露峰休憩所)に到着。
ここはガソリンスタンドの隣で、綺麗なトイレもあり、非常に綺麗な休憩所だっ
た。(7:35~7:50)

ここから2キロ弱で落合分岐(国道380号と国道33号の分岐)となる。ここ
を左折して、ダラダラと7キロ程度の上りとなる。いよいよ、44番大宝寺へ向
かう道である。

この時点で、今日の予定は、昨日のルート(3)を取らず、休憩ポイント等を考
慮して、45番岩屋寺を先に打たず、一度、44番近くの宿に電話して確保し、
宿に荷物を預けて、「宿→44番(空身)→45番(空身)→宿」というルート
にすることにした。

朝、歩いてみないと、初めての歩きルートで時間の感覚が分からず、高低さも地
図を良く見て確認したつもりでも、実際は歩いてみないと分からない事が多く、
更に、脚の疲れ具合なども当日次第という所もあり、5時前の出発でかなり時間
の余裕はあるが、4時間弱歩いた結論でそのように結論付けることになった。

落合分岐を左折して、国道33号線に入って1キロ強進んだところに、湧き水が
出ているところにトラックが止まっており、ポリタンクに大量に水を汲んでいた。

通りがかりに「おはようございます!」と挨拶をし「これ飲んでいいのですか?」
と聞くと「良いんだよ!美味しい水だよ!」と、ポリタンクに水を沢山入れてい
るおじさんが教えてくれた。ひしゃくが何個も置いてあり、これで飲むと、本当
に美味しい!おじさん曰く「松山の喫茶店なんか、何件も毎日のように、ここに
水をもらいに来ている」と話していた。「落合の名水」なんだろうか?

水を飲んで元気を付け、残り4キロ位の道をダラダラとした上りの国道を進む。

久万高原町の市街地に入り、久万高原消防署の直ぐ先のバス停に、再度本日3回
目の休憩のため入る。(8:55~9:05)

ザックから携帯電話を取り出し、本日の宿「ガーデンタイム」に電話をして、予
約し「今、消防署前のバス停なので、もう直ぐ着くので、荷物を預かってもらっ
て、44番と45番を打ちたい」と話すと、感じの良い女性に、快く了解して頂
いた。

「よし!今日は頑張るぞ!まだ時間の余裕もある!」と、元気に出発し、以外に
休憩所からは近いと感じた(9:20)に宿に到着。荷物を預け、納経に必要な
ものと、金剛杖だけを持ち、44番に向けて出発した。

44番で、再会がありました。足摺を往復するために2連泊した「久百々(くも
も)」で2日目に同宿した、九州から仕事を長期休暇して歩き遍路しているH君
です。私が納経を終わり、昼食にと、非常食のパンをベンチに座って食べていた
時に声を掛けられました。

「健脚のKさんどうしたのですかぁ~?」って・・・「別格金山出石寺回って時
間掛かって・・・」「そうですよねぇ~」って。そんな他愛の無い話から、盛り
上がってしまいました。

彼も、5月の末から、35日間の休暇を会社にもらって、確か7月5日前後が日
程的に、期限なのです。「後、10日しかないのです。回れるところまで回って
みようかと・・・」と、少し元気がなさそうでした。

「元気出して!それでも最悪は良いし、でも、まだ10日あるし、頑張って回っ
てみれば!」と、日程的にはギリギリでしょうが、十分可能な日程でもあります。
また、可能かどうかは、門外漢ですが、数日、長期休暇を伸ばしてもらう事も含
め、何とか結願出来ればと思います。

人には、歩くペースがそれぞれあり、彼のような、真面目に、一生懸命回ってい
る人を見ると、きちんと最後まで回って結願して欲しいと思います。

さて、44番を出て、納経所のおばさんに道を聞くと、「歩きは左ね!」と愛想
のないお答え・・・

==========すみません。今日は、明日書きますが、宿の夕食の時に、
カウンターで同席した、地元のDさんぃ~~~「焼酎お接待」を受けまして・・・
ベロベロです・・・

と言う事で、今日の後半は、また明日!

もう寝ます・・・ベロベロです・・・ビール、500ml2本、夕食時、大ジョッキ
1杯、さらに、焼酎ご接待(ロック)大盛り2杯・・・

お休みなさい!


「朝の十夜ヶ橋と、そして雨・・・遍路22日目」

2007年06月25日 | Weblog
今、先程、ヘロヘロになって、ホテルに戻りましたぁ~~~
久万高原は、「高原」なのに、Willcomがつながります!
凄い!期待していなかったので、嬉しいです!昨日のBlog原稿を
先にUpします!これから、お風呂と、洗濯と、それと、ビール!
その後、食事して、今日のヘロヘロ原稿を書きます!

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「朝の十夜ヶ橋と、そして雨・・・遍路22日目」

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天気:曇り、その後、雨時々曇り(蒸し暑い!)
気温:22度~29度位
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大洲プラザホテル 7:15発
別格8番永徳寺  7:20着   7:45発
若竹旅館    16:00着
--------------------------------------------------
歩行距離:約30Km
歩数:41,900歩
--------------------------------------------------
主な出費
納経代:300円×1寺=300円
数珠代:300円×2=600円
飲物代:650円
昼食代:500円(コンビニお握り・パン他)
宿代: 6,500円(2食付)
=======================
総合計:8,550円
--------------------------------------------------

昨日の疲れを癒すためと、朝、5分足らずで到着する別格8番永徳寺・十夜ヶ橋
の納経開始は7時以降なので、ホテルの7時からの朝食を頂いて出発する事にし
て、久しぶりに6時過ぎまで寝て、ゆっくり起きました。

7時前に7Fの朝食会場に行き、コーヒーとトースト、オレンジジュース等で簡
単な食事をして、直ぐに部屋に戻り、7時15分にはチェックアウトしてホテル
を出発。5分も歩かないうちに、永徳寺に到着。ここが、あの・・・十夜ヶ橋な
んだ~と、ほとんど「がっかり状態・・・」です。噂には聞いていましたが、高
速道路が通過して、その下になってしまっており、何となく興醒め・・・という
のは、皆さんも同じ感想でしょう。

有名な、「遍路は、橋の上では杖を突かない」と言う慣わしは、空海がこの付近
で、一宿を求めたがどの家からも断られ、仕方なく橋の下で寝ることとなった。
寒さと旅人が杖で橋を突く音でまったく眠れず、一夜が十夜にも感じられた、と
いう和歌が残っているからで、このため遍路は、橋の下には空海がいるかもしれ
ないから橋をわたるときは杖を突いてはならないというならわしがあるのです。

国道56号の一部で、交通量の多いコンクリート橋ではあるが、現在も、橋の下
で空海を偲びつつ『野宿することが公に(霊場として!)唯一許されている!』
のだ。

確かに、永徳寺でお参りと納経と数珠を購入後、納経所の横の張り紙を見てみる
と、「橋の下で野宿修行をする場合は、参拝、納経し、更に身分証明を提示して
であれば可能」との張り紙もあった。この時期、蚊も多く、また急な雨で冠水す
る場合もあり、結構リスキーだと思うが、意外にここで野宿する「野宿派」は多
いと聞いていた。永徳寺での納経後、橋の下の十夜ヶ橋のお大師様の横になった
姿を拝見し、お参りして、ここを後にした。私には・・・ここでの、修行は出来
ないと悟った。

その後、56号線を内子町方面に向かって歩く。今日の予定は、20キロか、あ
るいは場合によっては30キロ歩き、その先は宿が無いため、明日に控える44
番と45番の打ち方を決する!?(大げさですね)歩きとなる。

44番と45番は、比較的逆打ちする人も多い寺でもあるらしい。44番大宝寺
を打って、45番岩屋寺を打つと、次の46番まで44番の横を通過して、国道
33号線を松山方面に向かうことになり、45番を先に打ち、その後44番を打
って向かった方が効率的なのだろう。

ただ、45番の最後の登りが急らしく、44番近くに宿を取り、荷物を預かって
もらって、45番を往復する手もあるらしい。

さらに、先に45番を打つなら、国道380線回りの「農祖峠」経由等の道にな
り、44番を先に打つなら、44番の手前20キロ地点の380号と379号の
分岐を379号に左折して、下坂場峠から「ヒワ田峠」を越えるのが一般的なル
ートで、要するに、今日の出発地点のオオズプラザホテルが22.5キロ地点な
ので、(1)23キロ程度の歩きにして民宿来楽苦で泊まるか、(2)25キロ
歩いて379/380号の分岐地点の唯一の宿である徳岡旅館(さかえや旅館)
に泊まり、(1)か(2)の場合は、明日どちらのルートで行くか旅館の人に相
談するなどで判断するのか・・・

予め今日午前中までには判断して(3)380号線を抜けて45番を先に打つ方
法を前提に30キロ程度歩くか・・・

この3つの選択肢しかないのである。

44番を先に打つのであれば、迷わず(1)か(2)となる。

別に選択肢としては、(4)今朝の出発地点の22キロポイントから44番まで
は、約45キロあり、私の場合打てない距離では無いのだが・・・(アハハ・・
・はい。自称スーパー健脚なので!)、昨日の山越え50キロの疲れと、決定的
なのが、別格8番永徳寺を昨日中に打っていないため、今日の出発は永徳寺を出
るのが8時前となり、実際には時間的に無理と言うのが現実的な判断である。

と言う事を昨日ホテルで改めて地図で確認し、まあ、今日は昨日の50キロの疲
れもあるし、天候も昨日は曇りと予報もなっていたが、今日はあいにく、曇り後
雨で、「午後からは、ところにより激しい雨」との予報もあり、冷静に歩き始め
て足の具合や体調、そして天候と相談しながら、(1)(2)(3)の選択とす
る事にした。

十夜ヶ橋を出て、当面は約5キロ先のへんろ小屋の休憩ポイントまでを目指す。
私の場合、まず歩き始める時、まず地図を見ながら、「次にどこで休むのか」を
考えて歩いている。5キロ位がベストで約1時間強の歩きに10分の休みが一番
楽なので、後半は4キロでも3キロでも30分以上歩いたら、5分~10分の休
憩を取るのが一番理想である。

今日の第一休憩ポイントは、約5キロ先の遍路地図に書かれた「神南堂へんろ小
屋」となる。ここに8時45分到着。先客がおり、どうもここで野宿したような
若者(30歳前か?)である。犬を連れているが、ぼちぼち支度をして出発する
ところのようだ。「おはようございます!良いですか?」と声を掛け、少し話を
してみたところ、北海道から犬を連れて、全て野宿(野営型=テント持参の本格
的なタイプ)で、飼い犬が一緒なので、宿には一切泊まっていないという。

4月の半ばから回っており、最初は別格も含めて回っていたが、犬がバテてかな
り辛いので、別格は諦めて、今は88箇所だけだと言う。それにしても・・・何
日目なんだろう?!既に2ヶ月は経過してる計算になる。ヨガをしながら、瞑想
もしながら、回っており?!そんな話をしている時も、犬は、テーブルの下で大
人しく寝ている・・・犬も相当疲れているのだろうな、と・・・小休止のつもり
だったので、挨拶をして先に出発した(8:45~8:55)。まさにいろいろ
な人が遍路に出ているのだ。

その後、内子町に入る手前で国道56号から遍路道に入る。農道から平坦だが、
本格的な遍路道になり、ここを抜けて内子町の野球場のある公園の中に出て、内
子の町を抜けて行く。内子の中心街を抜けてみたが、今日は日曜日と言う事もあ
り、白壁と蔵屋敷のように整備されており、観光客らしき人もかなりいて、岡山
のミニ倉敷とまではいかないまでも、ずいぶん洒落た町なのだと感心した。

内子の町で、遍路地図の遍路道の指図より先に国道に出て、今日の昼食と、明日
の朝食、明日の非常食を購入するために、国道のサンクスに立ち寄った。この時
点で、頭の中は、今日は、小田町まで約30キロ歩き、明日、45番を先に打ち、
調子が良ければ、そのまま44番に下がり、これを打ち、44番の門前の宿が沢
山あるので、ここに泊まる。明日、45番で打ち止めの場合は、国民宿舎古岩荘
に泊まると、腹積もりを決めた。

今日は脚の調子があまり良くなく・・・さすがに昨日の強行スケジュールで少し
休めた方が良いと「天の声」のようだ。あまり無理をせず、30キロまでで打ち
止めとなるスケジュールがちょうど良いようである。

明日、峠越えの25~30キロ(道の選択による)で45番岩屋寺を打ち、44
番の門前のガーデンタイムか笛ヶ滝に泊まれればベストであるが、あまり無理を
せずに、焦らず天候も重要な要素となる。

サンクスで必要なものを買出しし、その後直ぐの「道の駅内子フレッシュパーク
からり」(32Kポイント)でゆっくり休憩(10:25~10:55)。ベン
チで非常食のパンまで平らげ、サンクスで買ったお握りも食べ、これだけ食べら
れれば!「体力+元気」は!十分なのだろう!(笑)

道の駅のアイスコーヒー(200円)でゆっくり休憩し、今日の宿を取るために、
小田町の宿に電話して予約した。

実は、内子を過ぎると遍路地図では、コンビニは一軒も無いのだ。であるから、
先程、コンビニで明日の早朝出発のスケジュールに合わせて、明日の昼までの食
料は調達したのだ。遍路に出てわかったのは、飲物は、相当に山奥に行かないと、
あるいは室戸への東洋町先の一部15キロ位が自動販売機も無いところがあるが、
山登り以外はそれ程神経質になる必要は無いのだが、食料の調達は、「スーパー
健脚を自称する私」としては、早朝出発が「鍵」となるため、昼と言うより、早
い時間の(9時~10時前後)エネルギー補給のため、カロリーの高めのパン等
をザックに偲ばせるのが重要となるからである。

道の駅内子を出て、次の休憩ポイントを確認。次は42キロポイントにある大瀬
町の先のへんろ小屋となる。これからは、約10キロ先まで、目だった休憩ポイ
ントが無いのだ。であるから、余計に、道の駅内子で、十分な休憩を取る事とな
る。

ここまでの天候は、朝から、蒸し暑いが、しかし、ずっと曇りである。歩くのに
は特に大きな問題はない。しかし、自分の頭の汗で帽子がびっしょりである。こ
こまで自分の汗で、帽子がびっしょり汗をかき、更に、自分の汗で、帽子のつば
から汗が滴り落ちるのは、12番の焼山寺の登り以来、昨日の金山出石寺の登り
だけで、今日は、ほぼ平坦な道でそれ程きついとは思わないが、それでも、これ
だけの汗をかくのは、相当に蒸していると感じた。

と・・・思っていたら、ここから雨に変わった。最初はシトシトと梅雨の雨が続
き、振ったり止んだりが続いた。

大瀬の町に入ると、思っていた程、寂れた感じはしない町で、内子ほど綺麗に整
備されてはいないが、高知の室戸への道のりのさびしい町並みと比べれば、愛媛
の山間の町でも、ある程度の過疎化はあるのだろうが、かなりレベルは違うと感
じながら歩く。

大瀬は、大江健三郎氏の生家があると聞いていたが、大瀬小学校近くで何となく
探してみたが、旧道を通ったのだが、はっきりと確認は出来なかった。

休憩したいと悲鳴を上げる「足」を騙し騙し・・・必死に頑張り、約10キロ先
のへんろ小屋でようやく休憩(12:40~13:20)。20分ほどの休憩を
考えていたのだが、鮎釣りの60歳位の男性が近くの自動販売機にコーヒーを買
いに来て、通りがかりに話しかけてきて話していたら、40分も休憩してしまっ
た。靴も脱いで、リラックスして、ここまでの10キロの疲れを取る事ができた。

遍路小屋を出て10分ほどで、急に雨が強くなり、とても歩いていられる状況で
は無くなった。必死に前を見ると、右手に自動販売機があり、何故か、そこに小
屋のようなものがある。近づいてみると、中に、湧き水の1m四方のコンクリー
ト製のおけ?のようなものがあり、これを立派なへんろ小屋の屋根のようなもの
がカバーしている形になっていた。

雨宿りは可能なようなので、ここに急ぎ飛び込み。この風呂桶のようなコンクリ
ートの上に荷物を置き、ここに腰掛けて、雨が小止みになるのを待つ事になった。
ここは、国道沿い(379号線)(ちなみに、内子の道の駅の手前で、国道56
号から分岐して379号に入るのだ)で、かなり道幅もあるのだが、この場所に
何故こんな不思議なものがあるのか、最後まで分からなかったが、少し下は冷た
いが・・・(笑)、腰を掛けられ、雨宿りが出来るのであれば、文句は無い。

国道を走り去る車から「不思議な視線」を投げかけられているのが分かるが、遍
路に出て以来、もう恥も外聞もあったものではない。激しい雨に、可哀想に・・
・と言う視線がほとんどだろう・・・と勝手に決め込み、ここでまたもや強制的
に小休止となった。(13:45~14:10)

雨が小降りになるのを確認して、再出発。ここから、宿の手前1キロの「道の駅
小田の郷せせらぎ」まで、遍路地図では小屋らしきものは無いので、残り7キロ
位の歩きになりそうだと覚悟を決めて歩き出す。次の注意点は、国道379号と
380号の分岐で道を間違えないようにする事だけだ。

3キロ程歩き、分岐手前の右側に工事用のテントのようなしっかりしたテントの
下に、木の長いすが4つ置いてあり「お遍路さん、ご休憩どうぞ」との看板があ
った。先程から休憩ばかり取っているが・・・まあ、雨もまだ降り続いていて、
さっきの雨宿りから30分ほどしか歩いていないが、ここでも休憩を取る。
(14:40~14:50)

宿まで後5キロ程である。今はまだ3時前なので、多少の余裕がある。今日は、
大雨に降られたり、蒸し暑かったりで、結構体力を消耗した感じがするので、あ
まり無理して歩く事はしないようにしたいと感じていた。

雨は振ってはいるが、さほど強くも無いので後り5キロと考え、再出発。

4キロ弱歩いて、小田町の庁舎の前の「道の駅小田の郷せせらぎ」で、宿まで1
キロ程度だが、ここでも休憩を取る(15:40~15:50)。中をゆっくり
見て飲物を補給して、宿に向かった。

宿は、古い遍路宿である。お婆さん(80歳)がお爺さんと一緒に(お爺さんは
声はするが、会わない・・・)、実質お婆さん一人で切り盛りしている宿だろう。

古いが、優しいお婆さんの宿だ。明日は、早出の計画なので、朝食無しでお握り
をお願いしたら、4時半に朝食を用意して下さるとの事!申し訳なく思ったが、
その方がもちろん有り難いので、4時半朝食となった。

お風呂も入り、既に夕食も頂き(今日はビールは1本だけにしておいた!)、ブ
ログを書いたら、今日は送信できないので(さっき、道の駅から、ウィルコムは
圏外だと送信してあるはずである!)、もう寝よう!

選択も乾燥もお婆さんがやってくれている。今日のお客は、私一人のようである。
突然の昼前の連絡にも、有り難い事だ。

これから、ひそかに持込んだ「宝焼酎」200mlをお茶で割って飲むのだ!
実は、大瀬の先の休憩でも、内子のサンクスで買った、缶チュウハイを飲んでし
まった。最近、暑いので・・・昼から飲む癖がついてしまった~アハハ・・・
まあ、今に始まった事ではないのです。私、ゴルフの最中でも、朝から飲んでい
ます。昼のビール、茶店でもビールもチュウハイでも飲むし・・・競技(月例や
クラチャンの予選)でも平気で・・・遍路、夜は当然飲み続けているし・・・

お大師様、お許し下さい。今日はこの辺で。

明日、どこで送信できるだろうか・・・明日も、ほとんど山の中だ・・・が。

「どっちの道が好きか~!金山出石寺終了~遍路21日目」

2007年06月23日 | Weblog
「やっと到達!金山出石寺!遍路21日目」

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天気:ずっと曇り!良かったぁ~(笑)
気温:20度~28度位
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松屋旅館     4:20発
別7金山出石寺 12:10着  13:10発
大洲プラザホテル16:50着
--------------------------------------------------
歩行距離:約50Km
歩数:71,300歩
--------------------------------------------------
主な出費
納経代:300円×1寺=300円
数珠代:300円×2=600円
飲物代:450円
昼食代:400円(うどん)
宿代: 7,000円(朝食付)
=======================
総合計:8,750円
--------------------------------------------------

昨夜の計画通りに、今朝は3時半に起き、用意を済ませて、まだ夜が明けきらない
4時15分に下に降り、濡れた靴を昨晩宿に着いた時に、直ぐに、松屋旅館の人が
新聞紙をしっかいと中に入れて、更に、新聞紙で外側まで丁寧に巻いて頂いていて、
お風呂の後、自分で、靴の手入れをしなければと、玄関に下りたら、既にそのよう
にしていただいており、この宿の、心遣いに感謝したのです。その靴を、新聞紙を
外し、丁寧に全て丸めて靴箱の横に感謝しながら置き、靴を履き、4時20分、外
は、まだ真っ暗な中、一人静かに出発しました。

松屋旅館の前の旧道を出て、直ぐに国道56号に出て、500m程進んだコンビニ
サークルKで、取り急ぎ、お握りやコーヒーなど朝食を買い、3K先の、県道25
号の八幡浜市まで抜けるバイパスの交差点(遍路地図では宇和パークホテルのある
所)まで歩きます。

今日のルートは、別格7番を打つ新しいルートなのでしょう。これまで調べたホー
ムページでも、遍路地図にも無いルートだと思います。そのために、本当に、効率
だけを考えるなら、この宇和パークホテルに泊まるのが良いでしょう。しかし、昨
日は、この宿に泊まった事を本当に良かったと思いました。

質素倹約の遍路の宿としては、少し料金は高めかも知れませんが、真心のこもった
サービスと、少しだけの時間と、心のゆとりをもたらせて頂いた宿です。設備は、
確かに古いですが、経営者の配慮が感じられる宿であり、100年以上経つ建物に
も、一部は「洋式トイレ!(もちろん、ウォシュレット付)」も備えられており、
お風呂も充実しており、食事も美味しく「ぬか床」だけを食べにくる人もいる宿で
すので、文句はありません。細かな配慮は言い尽くせませんが、非常に、配慮の行
き届いた宿だと関心しました。

また、夜明け前の未明の出発は、できるだけ時間に余裕が欲しかったので、45分
程いつもより(夜明けより)早く出発する事にしました。最初の県道までの3Kは、
国道56号沿いになるので、外灯もあり、明るさに心配は無いと判断して、確かに
真っ暗な国道ですが、田舎町(失礼!)とはいえ、適所に外灯やコンビニなどもあ
り、歩く事には問題無い状況でした。

さて、県道25号線バイパス分岐には、またもや「サンクス」があり、ここで、い
つものように!トイレ休憩!(笑)(5:55~6:10)。もう一度、焼きそば
パンも買い、朝食を再度多めに補給!手前のサークルKで買ったお握り2個は、1
個を既に歩きながら食べて、先程買った1個のお握りとパンは、非常食として、
ザックの上に入れて、いよいよ八幡浜に向けて本格的に出発です。

この県道は、分岐から4K程、ほぼ平坦な道で、それもほぼストレートな道が続き
ます。単調な道ですが、新しい道なので、十分過ぎる程の幅の歩道が確保されてお
り、朝、体力が充実している時には軽快に歩く事ができると感じました。4K程進
み、右に500m程カーブすると、最初のトンネルの笠置トンネル(1157m)
があり、これを越え、更に続いて釜倉トンネルが続きます(466m)。(釜倉ト
ンネル通過が6:35)

1つ目の、笠置トンネルを出たところが6:10だったため、ここで既に4時20
分の未明のスタートから1時間半経過しており、強引に、トンネルの出口の50m
程度先の、コンクリートがかなり高い設計になっている安全な所で10分程休憩を
取る事にしました。(6:10~6:20)これが1回目の休憩。今日は、前半が
勝負と言えども、前半の約35キロの最後の15キロが上りの為、十分な休憩を取
りながらの計画実行が鍵だと、とにかく最低1時間半以内に1度の休憩が確保でき
るように注意して歩く事を心がけました。

いずれのトンネルも、歩道が十分確保されており、また最初の笠置トンネルの後半
から下りとなり、県道25号バイパスに入ってから、平坦な道の後、緩やかな下り
となる、いわゆる「楽な道」です。

急な下り坂ではなく、元々、昨日宿泊した「宇和」が標高200m程で、当面は、
八幡浜市に向かうのですが、ここは海の近くですので、なだらかに下るのは当然で
あり、以前ならばバイパスが出きるまでは峠越えの県道だったようですが、トンネ
ルを2つ入れて、歩いても平坦な道となっています。

このトンネルを抜けると実質、八幡浜市に入っています。6:35に「八幡浜市ま
で7キロ」との標識を発見。つまり、八幡浜市の中心部まで7Kと言う意味でしょ
う。その後、7:25に378号線に合流。ここの左側にローソンを発見。ここで
愛媛県の全体地図(840円)を購入しました。

これまで、徳島、高知とも、全体の地図は買わなかったのですが、別格の寺が以外
に離れている愛媛は、遍路地図だけでは、全体の鳥瞰図が分かり難く、本当に効率
的な方向はどこなのだろう?と悩む事が多かったので、今回は、松屋旅館の若旦那
のインターネット調査の配慮もあり、それ程不安は無かったのですが、「全ては自
己責任である」との認識から、念のため購入する事にしました。

地図を購入し、更に、ローソンの店員の方に八幡浜市を抜けて、金山出石寺までの
行き方を聞くと、丁寧に教えてくれました。外に出て、ローソンで購入したコーヒ
ーを飲みながら、駐車場の縁石に座って強引に休憩!(7:25~7:40)

英気を養い!再スタート。8:05に市街地の外れの愛宕山トンネルを通過、その
後、1K程で名坂トンネル(歩道専用)に突入(8:20)。そしていよいよ、県
道28号への分岐にかかりました。(8:35)

名坂トンネルは、歩道専用のトンネルがあり、土曜日とは言え、手前の愛宕山トン
ネルから、ちょうど通学時間の高校生達と何十人もすれ違いました。「おはようご
ざいます!」と挨拶をしてくれる高校生に、「おはよう!」と元気良く答え、元気
をもらって進んでいきます。この街の(四国)の学生達は、本当に、良い教育を受
けていると思います。素晴らしい事です。

県道28号線に分岐し、ここからが本番になります。コープ(生協)を抜け、直ぐ
に川沿いに右折すると、ここに「金山出石寺まで15K」の看板があります。

「ゲッ!ここから15Kもあるの!?」って、正直思いました。これまで、朝4時
20分暗いうちから、国道56号を(3K)+県道25号を約(15K)近く、
合計で(約18K)近く歩いてきています。これから(15K)の登りかよぉ~~
~って思うと、少々、萎え気味になってしまいます(笑)。

それに、先程のローソンの休憩が7時半前後でしたので、ボチボチ休憩したい時間
でもあり、休憩可能な場所を探して少しだけ元気無くトボトボとスピードの落ちて
きた自分を感じながらの歩きになります。(笑)

(8:55)日土町の日土出張所(GSと農協と小さなコンビニあり)の横の、ベ
ンチを見つけて、強引に休憩を取ることにしました。(8:55~9:20)

休んでいると、近所の方がいろいろコンビニや農協に用があるのか駐車場に訪
れて、話しかけてくれます。「これから、金山?(笑)偉いねぇ~大変だよぉ~」
などと、元気付けられたり、これからの登りに恐怖を味わったり~(笑)。
でも、とても、楽しい一時でした。皆、町に近い、金山出石寺に愛着があり、地
元の中学生の遠足でも登ったとか、いろいろ話してくれました。

「兄ちゃんなら~昼前に着けるよ~」とか、「兄ちゃん!今日は、金山の宿坊に泊
まりかぇ~?!」とか・・・もう、いろいろです!でも、とても楽しい一時でした。

(9:20)気持ちを新たにいよいよここからが登りです。これまでは、ほとんど
川沿いで平坦な道です。また、これからはほとんど休憩する場所が無いと考え、こ
こでゆっくり3回目の休憩を取りました。

ここから1箇所だけ注意すべき道があります。県道234号との分岐の道で、金山
には、県道28号をひたすら進むのですが、道がクネクネしており(笑)、日土出
張所から1K程のところで県道(本来進むべき道)は、左に急カーブ(左折)する
ところがあり、ここだけが注意ですが、後は、ひたすら登りの一本道です。この分
岐を(9:45)に通過。

この辺りから、「金山出石寺まで残り11K」とか、「・・・残り10K」とかの
看板があります。

大事なポイントは、休憩ポイントです。先程の休憩した出張所は、この道を登るな
ら、必須のポイントでしょう。

さらに1時間20分位進んだ、森山公民館の前にベンチがありますが、少し寂しい
ので、私はパスしましたが・・・ここも休憩可能です。金山まで7Kのポイントで
す。

金山まで5Kのポイントの所に、最も重要なポイントがありました。私も、日土出
張所の(9:20)の休憩後の出発からヘトヘトになっていた頃(10:55)、
ここに「ふれあい広場」という八幡浜が一望できる山が開けた絶景のポイントに、
へんろ小屋では無いのですが、屋根のある休憩所があります。ここに、這うように
たどり着き、一息入れることができました(10:55~11:05)。もう、本
当に感動です。本当にこれまでの登りで大汗をかいており、結構辛いアスファルト
道のクネクネが続くのです。

大汗をかきながら、でも、今日は、曇りでかなり蒸しますが、それでも炎天下の日
差しもなく、歩き易い一日だったと思います。帽子からパンツまで全てビショビショ
状態の中での1時間半の歩きの後の休憩は格別です。後は、5Kです。残り距離も
何とか実感として「届く」距離になってきました。これで後もう一踏ん張りだと言
い聞かせスタートです。(11:05)

「残り距離看板」の「距離表示」は、個人的には、「少し甘い」ような気がします。が、最後の5キロは、「ふれあい広場」から少し登った後、3キロ近く平坦
な道か緩やかな登りの道が続き、最後の、「郷の峠」から金山まで残り1.7K
になります。

ここで、またもや出会いがありました!「チャリダーS君」が、颯爽とチャリで前
から降りてくるではありませんか!「おうぅ~~~!!!」と手を振り、彼も気が
付き止まってくれました。「なんやぁ~遅かったなぁ~」と冷やかすと、「昨日
は、先に金山を打っていた友達と下でキャンプしてましたから~」との事。少し
荷物を下において、今日、さっき打ってきたとの事でした。

「下から偉いなぁ~」と納経所で褒められたら、「(タクシーで登ってきた)横の
おっさんが、さっき、下から歩いて登ってくる兄ちゃんがいたでぇ~」って言って
たので、「私は、判ってました!」と。別格を歩いて打っているのは、本当に少な
いので、「それに『やたら元気な足取りの兄ちゃんやったなぁ~』ってので、直ぐ
に判りましたぁ~」って・・・(笑)

楽しい一時でした。

「またなぁ~!」って別れて、その後、1.5Kを歯を食いしばって登りました。
本当は結構足に来ていました。朝から約35Kです。登りが約10K超でしょう
か。当たり前ですが、良く頑張ったなぁ~って、不思議と少し熱くなりました。(アハハ・・・)

そんなこんなで・・・(12:10)に山門下に到着。あまりに大きな
「お大師様」の銅像に圧倒され、厳しい階段を更に登らされます・・・
これが更にキツイ・・・

そして、境内に到着(12:15)

ゆっくり荷物をおいて、本堂と大師堂でお参りして、納経を済ませ、数珠を購入。
そして、楽しみにしていた食堂で、うどんを注文し、ビールを頼もう!と思った
ら、ちょうど、冷蔵庫のビールが全て売り切れ!(ガ~~ン)で、残念ながら我慢!うどんを美味しく頂き、トイレを済ませて、納経所で、大洲方面に下りる道
を詳しく聞いて、手書きの地図までもらって(13:10)に出発しました。

帰りは車道を避け、大洲方面は、基本的には、お大師様の右手の遍路道を下りま
す。最初の30分は、本当に真っ直ぐに近い「直線的に降りる『素晴らしい遍
路道』でした。これまでの、どの遍路道より素晴らしい道だと思います。

遍路道は私の脚で「最初の30分」で基本的には終わりです。その後、舗装道に出
て、ここから「アスファルトの厳しい下りが延々」と続きます。

『延々』となのです・・・

「休むところ」、「ちょっと腰掛ける場所」すら全く無いのです。急な下り勾配の
上、本当に厳しい下りです。八幡浜から登っても、大洲から登っても、距離はほぼ
同じ15キロで、実質的な登りは10K程度でしょう。八幡浜からの登りは、休憩
ポイントが、少なくとも2箇所あります。場合によっては3箇所(ふれあい広場、
出張所横、公民館のベンチ)ありますが、大洲からの登りも下りも、1箇所もあり
ません。

何とか休憩場所を探そうと必死でしたが、膝が笑い・・・足がむくみ始め、正直最
後は地獄でした。朝からの通算距離は既に45キロ前後になっており、もう、最後
は必死でした。

何とかJRの踏切を越え、56号線に出ようと地図を見ても、国道は川の対岸で、
橋まで3キロ前後歩かないと国道に出られないのです。道端に何度も座り込もうと
思いましたが、川の国道との対岸は、住宅街で、県道沿いには一戸建ての住宅が建
ち並び、この前に座り込む訳にはいかないと・・・中年の、良識ある?!(笑)遍
路はそう思ってしまいました。

どんなに疲れていても、人の家の前の道(県道とは言っても)で、座り込むのは如
何なものかと・・・本当に歯を食いしばって歩きました。橋を渡り、国道56号の
手前で、またもや、私のお大師様!お助け!コンビニ「サンクス」を見つけ、ここ
でアイスコーヒーを買い、駐車場の車止めの縁石に(いつもの事で慣れました)座
って、靴まで脱いで、本当に生きた心地と言うのはこのことだぁ~と、実感しまし
た。(4:00~4:20)

降りはじめてから3時間近く経っていました。疲れはピークだったと思います。

後3キロ弱で、別格8番の十夜ヶ橋なのですが、後、時間は5時まで40分。ギリ
ギリ間に合うかもしれませんが、今日は、もう無理はしない事にしました。ホテル
は、コンビニの前で検討して、今日のオオズプラザホテルに予約しました。

少し高い(シングル7200円)ホテルですが、遍路のため、1割引で6400円
になり、朝食も付いています。明日は、もう500m程で十夜ヶ橋なので、7時前
は納経はしていませんので、今日の疲れを取る意味でも、ゆっくり出発しようと思
います。

ここは、設備も、先日の宇和島の駅上のクレセントホテル並みか、あるいはそれ以
上で、清潔でインターネットも、ノートPC持込みで無料接続可能で、とても快適
です。良いホテルだと思います。

先程、下のレストラン(トンカツ屋さん)で、久しぶりに「カツカレー」を食べ、
ビールを飲んで、隣のローソンで、更に、ビール2本とチュウハイを買い込み、
今、このBlogを書いています。

結論!

1)個人的には、別格7番へは、大洲からの道より八幡浜の道が良い!と思う!
2)できるなら、八幡浜に前泊して、朝一番で15キロちょっとの登りで別格7番
  を打ち、大洲に下りるなら、体力があるか!それなら、別格8番も十分余裕で
  打てる。あるいは、宿泊は、その先の内子まで可能かも。
3)松屋旅館から、別格7番、大洲は、50キロあり、ちょっと厳しい!?(笑)


さて、最後に・・・

Blogの読者の方から、沢山コメントを頂いており、その中から印象的なものを
ご紹介します。コメント欄までご覧になれない方のためにも。

=====================================
掬水へんろ館を毎日チェックし、たまに談話室に投稿をしているKOYAMAと申す者
です。私も閏年の2004年に変則的な逆打ちを一宮寺から始めて、屋島寺で
結願致しました。ルート的には高松駅をスタートして、高松駅に戻って来ました。当然ながら逆打ちの方や別格20箇所にお参りされた方も少ないので、貴兄の
リアルタイムのレポートは大変貴重であり、自分が再び歩いているように感じ
ます。それにしても、金剛福寺をお参り後、篠山神社か月山神社に立ち寄ること
をお考えにならなかったのですか?当然御存知だった筈でしょうから、諸般の
都合で(泣く泣く)”パス”されたのでしょうね。

それにしても、本当にハイペースですネ。事前の歩き込み?が見事に生きているの
でしょうか?焼山寺や鶴林寺、太龍寺を御報告の通りに歩いてしまった強脚の貴兄
でしたら、伊予と讃岐に強敵はいません。以下に予想される”ハイライト”を列記
しておきます。
1.コース的に面倒臭いのがやはり別格のお寺で、金山出石寺や箸蔵寺、満濃池の
畔の神野寺、最後の大瀧寺等が該当すると思われます。
2.横峰寺をお参りした後に石鎚山に登る御予定はありますか?せめて、星ガ森に
は脚をのばしてみてください。運が良ければ、石鎚山を拝むことが出来ます。
3.神野寺のお参りの前後では、是非金刀比羅宮に立ち寄って奥社まで歩いてみて
ください。
4.大窪寺にて結願の後には與田寺をお参りし、大坂越か卯辰越で霊山寺までお戻
りください。切幡寺に出る方が道も楽で距離も短いのですが、最後は是非、與田寺
で締めていただきたいです。

気力も体力も充分でしょうが、気持ちが何となく緩みがちになる頃かと思われます。松山、今治、西条、観音寺、善通寺、高松等の都市部は道が優しく、お寺の
間隔も狭いので上手に”気分転換”をはかりながら、気をつけて歩ききってください。

大変長々と失礼致しました。それでは、また。
=====================================
ありがたいコメントに、更に元気の出る思いです!
私の返事としては・・・

本当に、貴重なご意見、ありがとうございます。私も、興田寺を、四国のお礼参り
と最初から決めておりました。その後、一番には戻らずに、高野山への道を考えて
おりました。

また、他のアドバイスもとても貴重なもので、これまで急ぎ過ぎていた感もあり、
これからは、せっかくの歩き遍路ですので、良く考えて歩きたいと思っております。

今は、次の別格の難所である金山出石寺の事で頭が一杯なのですが、焦らず、一歩
ずつ、歩きたいと思っております。貴重なご意見本当にありがとうございます。
(今日、一つ、懸念が解消しました!)

今日は、宇和島で休養(笑)し、鯛めし!ビール!インターネット、ホテル!と満
喫しております!
=====================================

今日はこんな感じで!ではまた!

松屋旅館と、明日は金山出石寺?遍路20日目

2007年06月22日 | Weblog
「宇和の名旅館…遍路20日目」

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天気:ほぼ、一日ずっと雨!
気温:20度~28度位
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クレメント宇和島 6:15発
第41番龍光寺  8:35着   9:00発
第42番佛木寺  9:35着  10:10発
第43番明石寺 14:10着  14:40発
松屋旅館    15:10着
--------------------------------------------------
歩行距離:約26Km
歩数:38,600歩
--------------------------------------------------
主な出費
納経代:300円×3寺=900円
飲物代:150円
昼食代:1,100円(中ジョッキ含む!)
宿代: 7,800円(2食付)
=======================
総合計:9,837円
--------------------------------------------------

昨日の夜、ビール3本(500ml)に、缶チュウハイ1本(350ml)と、更
にホテルの自動販売機で日本酒を1合飲んだら、7時過ぎには、そのままベッドに
倒れるように寝てしまい(当たり前だぁ~!)、一度11時過ぎに目を覚まして、
シーツ(布団ではないのがホテルですねぇ~)を掛け直し、朝までぐっすり寝てし
まった。

今日の予定は、34番までの約25キロ程度と決め、珍しく昨日のうちに、宇和の
松屋旅館に予約を済ませておいたので、時間的にはかなりの余裕があるので、いつ
もより少し遅めの6時15分にホテルを出発した。

41番龍光寺は、宇和島中心部から約10キロ程度。雨が降らずスピードが落ちな
ければ、2時間半程度で十分に到着する距離だが、ホテルを出て駅のバス停で、荷
造りをしている若者遍路を発見。おはよう!と、話しかけると、彼は、1番から歩
き遍路で頑張ったのだが、足に痛みがひどく、徳島の中心部で断念しかけたのだが、
その後は交通機関を使いながら、ここまで来たらしい。今日も宇和島からバスで、
41番に向かうため、このバス停で荷造りをしていたようだ。

ある意味、無念なのだろう。歩き遍路に対しての思いもあり、出てきたのだろうが、
我々のように歩き続ける遍路に、少し気後れしているような気がした。「そんな気
にする事はない。痛みがあっても、それでも、続けているだけたいしたもんだ!そ
して、歩きも、交通機関併用も、バスも、自動車遍路も、差別は無いのだ!ゆっく
り、自分の都合で進めば良い!」と、挨拶した後、一人「心の中で彼に」そう話し
たような気がした。

その後、踏み切りを渡り線路を越え、県道57号に入り、後は務田(むでん)駅近
くまでは、やや登り道の単調な県道歩きが続く。昨日、一番宇和島の出口にある
(つまり次の寺に一番近い・・・)クアライフホテルという大浴場施設を備えたホ
テルの前を6:50に通過。ここは、Willcomの電波が届くのかな?と心配
で、宇和島駅周辺ならば安全(つながる!)と判断した。

のだが・・・ここにしたかった(大浴場があり、次の寺まで一番近い)のを考えな
がら通過した。多分、Willcomは、微妙な電波状態だろうと推測。何故なら、
若干宇和島中心部より登りに掛かっており、大都市以外では、周辺部に少しでも入
ると、四国ではWillcomはかなり電波状態は悪いのだ。

その後、1時間半程歩き、へんろ小屋で休憩(7:40~8:00)。ここで休憩
していると、一昨日三原村から宿毛まで、豪雨と雷雨の中を同行した、名古屋から
のSさんとばったり再会した。宿毛のホテルで別れてから2日ぶりである。

同行していた、福岡の若僧侶Hさんはどうしましたか?と聞くと、彼は、昨日まで
Sさんと同宿していたそうだが、今朝、今日は40キロ歩いて大洲まで歩くと、朝
5時半に先に出て行ったとのこと。Sさんとも、互いのブログのアドレスを交換し
て(彼は携帯ブログ)、「私はもう少し休憩していきますので、お先にどうぞ」と
言って先に彼は出かけました。

彼は、あまりダラダラと休憩はしないタイプで、私のように細かく休憩を取らない
タイプである。人それぞれであり、自分のペースがあるので、敢えて一緒にならな
いことも重要なのだ。

その後、ゆっくり休憩して8時に出発。へんろ小屋から30分ほどで、41番の龍
光寺に到着した。(8:30~9:00)

お参りをしようろザックの中からお線香、ローソク、経本、納経帳などの、私のお
参り道具一式を取り出し用意をしていると、彼がちょうどお参りが終わり、納経所
に向かうところであった。彼は、朝食を取っていなかったので、ちょうど山門下の
食事処で食事をしてから行くとの事。挨拶をして別れる。

私も、お参りし、納経を済ませ、駐車場横のトイレで所要を済ませ!(笑)、気が
付くと、その駐車場脇の墓地から次の寺への遍路道が続いている事が分かった。彼
は長い階段の山門下まで降りたので、ここまで登ってくるのだろうか?と思いなが
ら、この旧道へんろ道を登り、さらに下り、5分ほどで県道に出た。

この遍路道はあっという間だったが、後で聞いたところによると、山門下まで降り
ると500m位遠回りとなるので、41番を打った後は、駐車場横の遍路道を登り
近道をする事をお勧めする。この遍路道は、急勾配は無く、静かな山道で、それも、
5分程度なので、この道が確実だと思う。

次の寺42番佛木寺までは3キロ程度なので、ゆっくりと朝からの雨の中、ここま
で激しい雨では無かったのでずんずん!歩く。佛木寺の1キロくらい手前で、前か
らお婆さんが歩いてきて、私に「お接待じゃ」と飴を1個頂いた。伊予弁なのだろ
うか、少し聞き取りにくい部分あるのだが、私も、讃岐弁なら分かるので、おおよ
そ理解はできる!ので、少し立ち話をしていたら、「ご主人が、数年前から寝たき
りになり、負けてなるもんかぁ~!と、毎日、私は佛木寺にお参りしとるんじゃぁ
~」と、小柄な可愛らしいお婆さんが、元気に話していた。素敵なお婆さんだった。

「頑張りやぁ~」と、励まされ、最後には、私に向かって、手を合わせられ、本当
に何か、不思議な気持ちになった。強くなった雨にくじけそうな自分がいるのだが、
「よし!頑張らなければ」と、気持ちを新たに、また歩き出す。

9:35に佛木寺に到着。境内は静かで、私一人で、お参りし、納経を済ませ、山
門下の、へんろ小屋で休憩していると、先程、逆に追い抜いてしまった形になった
名古屋のSさんが山門に到着。食事をしていたので、追い越してしまったようだ。

雨の合間をぬって、出発。降り続く小雨で、一時激しくはなるが、それ程、歩くの
に苦しいと言うほどではない。

ここから、歯長峠となる。遍路道に分岐する道で、少し躊躇してしまい、結局、今
日は山道の危険性もあり、県道歩きを選択する。これが失敗だった!

県道は、ずいぶん遠回りで、最終的に歯長地蔵までの約5キロの道のりを、県道だ
と7キロ近い道のりになるのだ。峠越えまででも約2キロの道を実質1キロ以上遠
回りとなり、あっという間に、峠の手前のへんろ小屋で休憩していると、Sさんに
追いつかれてしまった。

その後、彼と話しながら同行していたら、結局、下りの遍路道の入り口を見過ごし
てしまい、彼と下りの4キロ近い県道を歩いてしまった。彼にも申し訳ない事をし
てしまったかも知れない(笑)。

歯長地蔵から県道29号に入り、3キロ程進んだところで12時半を回っていたの
で、彼と一緒に「民宿みやこ」の食堂で昼食を取ることになった。

ここで定食(うどんとご飯)を頼み、私だけ・・・残りの距離はもう3キロ程度な
ので、中ジョッキを頼み!(アハハ・・・)昼食を取ることになった(12:45
~13:15)。

彼の予定は、今日は次の43番を打ち、その後、3キロ程進んだ、宇和パークホテ
ルで宿泊予定との事で、ここで別れる事になった。「私は、これから別格周りで時
間を取られますので、もう会う事はないでしょう」と、挨拶をして別れた。

この「民宿みやこ」のご主人と話していたところ、私が別格も一緒に回っていると
話すと、彼は、次の、別格7番金山出石寺は、大洲まで行って打ち戻らず、宇和パ
ークの横の新しいバイパスを、八幡浜まで抜け、そこから、金山出石寺まで行く方
が無駄がない!と言う情報を頂いた。

私は、明日、大洲まで20キロ程進み、そこで1泊して、翌朝、荷物をホテルに預
けて、約30キロの山道の往復をとる予定だったのだが、健脚であれば・・・?!
宇和パークホテルに泊まり、そこから「30キロ弱の登り!」で、金山出石寺を打
ち、金山出石寺の宿坊がやっていればここに宿泊し、元気があれば!?、大洲まで
の15キロを下るのが良いのでは?と言うのだ!

彼の宿(民宿みやこ)からでも、健脚だと、稀に?(笑)、そんな物好きもいるの
で、彼の宿からだと、更に、宇和パークからの道のりより5キロ程度長いのだが、
私の泊まる予定の松屋旅館からだと、約32キロで金山出石寺、その後、15キロ
で大洲となるが、強行スケジュールだが、不可能な距離ではないのだ・・・

民宿みやこの親父!が言うには、「ほとんどの人は、大洲まで行って、1泊し、打
ち戻る」との事。但し、2年前程に、八幡浜までのバイパスが完成し、別格向けの
地図は、歩いて回る人が少ないので、更新される頻度も低い(彼によると、4年に
1回程度しか更新されない!?)ため、まだ、金山出石寺まで打つためには、八幡
浜経由は少ないが、この方が、大洲まで20キロ進んで、真横に30キロ往復する
よりも現在は効率的だと、その民宿みやこのご主人は言うのだ。

さて・・・どうするか・・・である。ただ、ここから、約2日掛けて金山出石寺を
打つことを覚悟していたのだが、そんなルートもあるのだと、少し元気になってき
たのは「自称・・・スーパー健脚の性(さが)」かも知れない(アハハ・・・)。

そんな思いを頂きながら、43番明石寺に向けて出発。山門手前から400mの急
坂にビールを飲んだ事を少し後悔しながらの、辛い、雨の中の登りとなった。

納経所の横を通過するとき、先程のSさんにまた遭遇。挨拶をして、私は、団体の
バスツアーのご一行様の少しガヤガヤした中で、一人でお参りを済ませ、納経をし
て、松屋旅館に向かった。

今日、この宿に決めた理由は、実は、函館のSさんのHPで始めて知ったのだが、
その後調べてみると、この町は江戸時代には伊達宇和島藩の宿場町として政治・文
化の栄えたところで、そのころを髣髴とさせる古い町並みが大切に保存されていて、
オランダ人医師シーボルトの娘・おイネが医学を学んだ町としても有名で、西日本
一古い校舎の「開明学校」や、江戸末期に幕府に追われた反骨の蘭学者・高野長英
がかくまわれていたという隠れ家などが遺されているのだ。

また、今日の宿、松屋旅館は、江戸時代から続くという老舗で、幕末から明治時代
にかけては政治家など多くの有名人が泊まったという由緒ある旅館だそうで、政治
家の犬養毅、尾崎行雄の書や多くの俳人の書いた色紙、掛け物などが伝えられてい
るとの事である。

また、この旅館では先祖代々受け継がれてきたという「ぬか床」で作った漬物が名
物になっていて、この日の夕食で各種の漬物が食膳に出る事があり(オプションで
す!800円から!私もお願いしました!)、わざわざ東京からこの漬物が目当て
でこの町に来る人も多いと言うのだ。

後藤新平、犬養毅、浜口雄幸、若槻礼次郎、尾崎行雄、浅沼稲次郎・・・・などな
どの歴史上の大人物の名前が、実際に、ずらっと並んでいた。

私は3時過ぎに旅館に到着したのだが、今日は一日雨で、25キロ程度の道のりで
健脚の私でも十分過ぎる!程の距離だった。昨日~今日、少し距離を落として歩い
ていたことの幸運に感謝して宿に入った。

ぬか床の話や、また有名な政治家や文壇が訪れたこの宿について、少しだけ知って
いると話をすると、若旦那が、ちょうど時間的に余裕もあったので、部屋を案内し
て頂いた。時の犬養首相趣の遊説時に立ち寄り、宴会を開いたとされる部屋や、そ
の犬養氏の書などの額のかかっている部屋を案内して頂き、古い宿だが、こんなと
ころで、ゆったりとした時間を過ごすのも遍路の旅の楽しみだろうと思う。是非、
時間の合う方は、この宿に訪れ、ゆっくりと過ごす事をお勧めしたい。

宿は、到着した時間から、たまたまだが、若旦那が案内して下さった。まだ若いが
丁寧な方で、その後、明日の金山出石寺への「強行日程」の事を細かく相談すると、
わざわざ、少しの間事務所に戻られて、インターネットで詳しく地図を検索し、プ
リントアウトのカラーコピー3枚に、更に、四国の全体地図まで頂戴し、丁寧に説
明までして頂いた。

インターネットでの検索だと、金山出石寺までは、この宿から、(1)八幡浜経由
で約31キロ、(2)大洲経由で35キロとなるようだ。

つまり、
(1)八幡浜で大洲に下りると約46キロ。(31+15)
(2)大洲に出て、金山出石寺を往復すると50キロとなる。(20+15×2)

ただ、日程が、(1)1ならば1日で済むが、(2)だと、2日、あるいは、1日
半以上掛かると言う事である。

1日で強行するのが厳しいのは承知だが、天気予報は、明日は一日曇りの予報だが、
明後日日曜日は、もう一度、雨になるとの予報である。よって、明日、決行(46
キロ)するのが妥当だと判断する。(トホホ・・・)

万一、明日の足の具合や、天候の変化があった場合は、金山出石寺の宿坊にお願い
する事も念頭に入れ、標高800mの山寺への片道30キロ超の挑戦となる予定も
もう一度、冷静に考えてみたいと思う。

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さて、今日は、少し歩きながら考えていた事がある。四国88箇所参りの周辺の人
の優しさや、お接待の風習、善根宿・善人宿の無料宿泊所、そして、へんろ小屋の
新設や運営、へんろ旧道の復元や維持運営、その他まだまだ見えないものに支えら
れていると思う。

他の国でも同じようなものもあるのだとは、この旅に出る前、少しだけだが知りえ
た情報で、有名な世界遺産になっている「スペイン巡礼の旅」として有名なサンディ
アゴ・コンポラティス巡礼の旅である。サンディアゴ大聖堂の柱に手を触れ、聖ヤ
コブを偲ぶ若者の巡礼者が多い事でも知られており、お四国参りと同じように、巡
礼の道には、無料の宿も多いと聞く。

情熱の国スペインの北の果て、大西洋沿岸に近い街に奇跡が起きたのは9世紀初め
の事。星に導かれた羊飼いがキリスト教徒12使徒の一人聖ヤコブの墓を発見し、聖
ヤコブ信仰はたちまち広がりキリスト教三大聖地のひとつになったと言う。その物
語が「星の巡礼」を生み、巡礼の道は、世界遺産にも指定され、年間約50万人の
人々が精神修養を求め、800キロの道のりを約1ヶ月かけて踏破すると言う。

国や宗教が異なっても、四国遍路にも重なる部分も多いのだろう。何故、巡礼の旅
の街に無料の宿を維持する人々が存在するのだろう。その人たちの気持ちは、どこ
から来ているのだろう。善根宿や善人宿と同じ気持ちなのだろうか。

スペインの巡礼の旅も、年間50万人と言えども、いわゆるバスツアー等も含まれ
ていて、年間15万人と言われるお四国参りも、そのほとんどがバスツアーと自動
車遍路であり、歩き遍路は年間2000人程度ではと言われている。

この遍路の旅を終え、もう少し時間を空けて、もう一度遍路に出るのか、それとも、
スペイン巡礼も良いかな?と、思うのだが、明日の、金山出石寺の事で、頭の中は
5時に出て、8時間で打てるか!?その後、大洲まで4時間で戻れるか!?と、時
間の計算ばかりしている「健脚おじさん」がいるのだ・・・(笑)

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食事を美味しく頂き、ビールも大瓶2本も飲み、自動販売機で缶チューハイも買い、
部屋に戻ると、布団が敷かれていた。そう!ここは、旅館だった!素晴らしい!
もう清算も済ませて、明日の朝の食事はキャンセルして、明日は早出となるので、
準備をしてもう寝よう!

そうなのだ!私は、酔った勢いで・・・既に、金山出石寺への決行と決めている!

まだ・・・夜、7時過ぎなのである・・・もう寝よう・・・