いや、面白い本でした。読後、いい本に出会ったって感じでした。
トリックとしては、複雑でもなく、奇をてらったものでもないが、ああ、なるほどと思うものでした。
ミステリーの態をなしていますが、それ以外の読み方ができると思います。そういう意味では、ミステリーファン以外の人にも読んでもらいたい。
この本を読んで思い出した本が2冊あります。
1冊目は、『ソフィーの世界』。
「論理的でありさえすれば、どんな冷徹なことでも出来る男なんだ」という文章を読んだときを思い出しました。
そして2冊目は、『博士の愛した数式』。
数学、数式に対して美しいと感じる人が居ること、その感情は美術に対してのものと大差ないことが分かると思います。