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欽ちゃん球団の教え、台湾は学べるか?

2010年03月20日 21時52分01秒 | スポーツ

(19日の記者会見で。左から台湾チームの郭泰源・コーチ、ゴールデンゴールズの鹿取義隆監督、萩本欽一名誉監督、片岡安祐美選手、台湾チームの廖文揚・投手、葉志仙・監督)

台北県の新荘球場では20日午後、日本の社会人クラブチーム、茨城ゴールデンゴールズと中華民国台湾のアマチュアチームの親善試合が行われた。結果は実力重視でナショナルチームの経験者をはじめ、有望なアマチュア選手で固めた台湾チームが2対0で順当に勝った。
ゴールデンゴールズは19日に、茨城の人たち160人と共に茨城空港からのチャーター便で台湾入り。萩本欽一名誉監督らは空港から直接、球場での記者会見に駆けつけた。台湾でもバラエティー番組『全日本仮装大賞』がテレビ放送されていて人気者の“欽ちゃん”は会見場の最前列に台湾チームの先発投手が座っているのを知ると、「茨城から160人も応援団が来ているの。本気で投げないで」と早速、手加減要求して笑わせた。
この親善試合は茨城空港開港に合わせ、茨城と台湾の交流のきっかけにしようと日本側が計画した。中華民国棒球(野球のこと)協会はこの計画に快く応じ、2006年のアジア大会(ドーハ)で中華民国のナショナルチームを優勝に導いた葉志仙氏が監督、日本の埼玉西武ライオンズのかつてのエース、郭泰源氏がコーチを務め、この試合のためにわざわざチームを組んだ。台湾は初めてという萩本さんは、台湾側の好意に感謝すると共に、持ち前の楽しい野球を見せたいと抱負を述べた。

(記者会見はにぎやかに行われた。最も右の葉・監督は、「強力なメンバーをそろえた」と自信を示す)

翌日の試合に備えてグランドで練習しなければならず、記者会見は簡単なものだったが、萩本さんは会見後も台湾のマスコミの取材に応じた。スポーツ専門の記者たちの質問はゴールデンゴールズ成功の秘密に集中。萩本さんは、クラブチームの試合で入場料はとれないとの観念やプロ野球とアマチュア野球の間の垣根を次々と打ち破った経験を楽しそうに話した。ゴールデンゴールズ発足の出発点は、「プロ野球選手じゃないとユニフォームを着てはいけないのか」という問いかけで、「野球はもっと楽しいもの」という信念に基いたもの。話を聞いていて感じたのは、野球を誰でも出来るスポーツにしたいという願いだった。

(埼玉西武ライオンズで8年間チームメイトだった郭泰源さんと鹿取義隆さんは懐かしそうに談笑。左から)

台湾プロ野球は野球賭博や八百長事件と縁が切れず、苦しい状態にある。最高で2リーグ(全くの別リーグ)、11球団あった台湾のプロ野球は現在、1リーグ4チーム。1990年のプロ野球開始当時のチーム数に戻った。観客動員数も一試合平均3700人(2009年実績)といったところだ。(シーズン後に八百長事件が発覚、今年は野球離れが心配される)
国際大会でもWBC(ワールドベースボールクラシック)やオリンピックで中国大陸にさえ敗れるなど、「アジア最弱」となることもある。

(20日夜、台北天母球場でのプロ野球開幕戦で始球式をした馬英九・総統)

今年の台湾プロ野球は20日夜に開幕した。始球式に出席した馬英九・総統は開幕でのスピーチで、「野球は私たちの“国球”(球技の国技)だ。野球はつぶれてはならない!」と強調した。野球をつぶさないために必要なのは、球場内では実力アップと好勝負、球場外では野球賭博集団の取り締まりと選手たちの自覚だ。待遇面での改善も必要だろう。
そして、教育重視で子供たちにスポーツをさせようという気運が弱い台湾では、いかにして一般の人たちに野球をさせるかが大きな課題。昨年は台北市、台北県、桃園県、台中市がチームを発足させたがプロ予備軍といった雰囲気で、ゴールデンゴールズのような成功例はまだない。地域と密着して村おこしに協力し、また、各地で試合をすることで他のクラブチームを支えるというようなモデルは野球の普及の理想型だ。
今回の試合は中華民国棒球協会と台北県政府が主催した。萩本さんは「僕たちは子供とだって遊ぶ。勝ち負けよりも、楽しむこと、交流が大切だ」と話したが、中華民国棒球協会や台北県は、「試合を主催することよりも、ゴールデンゴールズの経験を学ぶことが大切」だったように思う。残念なことに萩本さんの話を聞いていたのは記者たちだけだった。萩本さんは今年で監督を勇退するというが、今度は講演に来てもらえないだろうか?(U)

(記者会見後、ゴールデンゴールズの選手たちは早速グランドで練習)

(左から鹿取監督、萩本名誉監督、片岡選手。鹿取監督は、「相手はナショナルチーム」と聞いて驚いた欽ちゃんが特別に監督を要請した。片岡選手は台湾でも注目の的だったが、試合では9回に代打出場も三振に倒れた)

 



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4 コメント

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Unknown (???)
2010-03-22 16:26:15
日本の中学や高校と野球交流をするのがいいと思うけど、甲子園と国体と日米高校生野球交流の日程から、無理だね。
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Unknown (しでん)
2010-03-23 01:44:06
台湾プロ野球はもともとが賭博を母体として出発してるので健全化は難しいが、さすがに4球団になってしまえば監視の眼も届きやすく間違いは起こらないのではないかと思うが4球団でどれほど魅力的なプロ野球を見せれるかが鍵になるかな、台湾プロ野球の存亡は日本にとっても重大な問題なので頑張って欲しいな。経済のように中国とリンクするようになれば台湾野球も新しいものが見れるようになると思うがまだ垣根があるかな
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Unknown (???)
2010-03-23 08:55:27
北京オリンピックでは、中国も野球にエントリーしたがその後どうなったのかな?

解散したのかな?
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Unknown (おでん)
2010-03-23 16:54:17
中国には無理から創ったようなプロ球団が幾つか有って
そこからナショナルチームを編成してWBCとかに出て来てたように思うがプロ球団が潰れたと言う話しは聞いてないな、年俸でなく月給数十万だと思うので
いつ潰れてもおかしくはないが中国人は個性的だからな
野球界に入ってくれば面白いと思うが、日本がどれだけ援助出来るかに掛かっているかも知れない、前後になるがこれから検索してみるわ
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