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男子新体操 福士選手 父の命日に演技

2011年08月05日 | インターハイ
http://www.toonippo.co.jp/news_too/nto2011/20110802140009.asp
新体操福士選手 父の命日に演技


父の命日の8月1日、地元の大舞台で新体操男子団体に挑んだ弘前実の福士選手(右下)。大きな声援を受け「今日は会場全体が仲間だと思えた」=マエダアリーナ
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 父を病気で失ってから、ちょうど1年。命日の1日、弘前実業3年の福士矢(なおや)選手(18)が、新体操男子本県代表の一員としてインターハイの舞台に立った。地元の新県総合運動公園マエダアリーナで、5人の仲間とともに躍動した。きっと天国で見ていてくれたはず-。父にささげる力いっぱいの演技を終え、充実感が胸いっぱいに広がった。

 

 高校入学時、たまたま見た新体操部のバック転にあこがれた。中学までは陸上選手だったが「新体操をやりたい」と父・均さんに伝えた。「やりたいならやればいい」。そう言って、背中を押してくれた。

 均さんの病気が分かったのは一昨年秋。部活帰りの夕方、入院先の病院に立ち寄り、言葉を交わしたあの日。「明日また来いよ」。見送る父の声を聞いて帰宅したその後、容体が急変し、そのまま帰らぬ人となった。まだ53歳。父が好きな野球のこと、新聞に載っているさまざまな事柄。もっと話したいこと、教えてほしいことがあった。

 演技を見てもらう機会はほとんどなかったが、たった一度、昨年春に八戸市が会場になった県高校総体に来てくれた。自宅は平川市。母明子さん(42)は均さんに、近くの弘前市で行われる秋の県大会の観戦を勧めたが、均さんは譲らなかった。遠くまでわざわざ来てくれた均さんは「成長したな」「良くやってるな」と褒めてくれた。「今思えば、あのとき父が来ていなければ、演技を見せることはできなかった」

 今年、高校生活最後のチャンスでインターハイの出場を勝ち取った。迎えた地元での大舞台は、くしくも命日の1日。大会に臨むこの日の朝、家の近くにある墓前で父に語り掛けた。「今日が高校最後の演技。頑張って来るから見ていてね」

 詰め掛けた大観衆。大きな舞台に気後れすることなく、堂々と演技した。倒立の乱れもあったが、これまでの3年間で最高の得点を挙げた。「緊張で足ががくがく。でも後悔しないで最後までできた」。結果は14位だが、悔いはない。「会場全体が仲間みたい」と思えた。

 父が再入院する前日が、自分の誕生日だった。当時放送していた新体操をテーマにしたテレビドラマのTシャツを買ってくれた。「これが父からの最後のプレゼント。今も大切に着ています」。少し遅れたけれど、そのお返しに、最高の舞台での演技をプレゼントとして贈ったつもりだ。

父の命日の8月1日、地元の大舞台で新体操男子団体に挑んだ弘前実の福士選手(右下)。
大きな声援を受け「今日は会場全体が仲間だと思えた」=マエダアリーナ 

東奥日報


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