■ 逆転現象 |
◆ 逆転現象を起こした、初めての大会
今さらのタイミングですが、ちょっと気になったので、これまでのワールドカップ日本代表のメンバー23人中、何人がいわゆる「海外組」だったか調べてみた。
1998年フランス大会
国内組23人
海外組 0人
2002年日韓大会
国内組19人
海外組 4人
(GK川口:ポーツマス、MF稲本:アーセナル、MF中田:パルマ、MF小野:フェイエノールト)
2006年ブラジル大会
国内組17人
海外組 6人
(MF中田浩:バーゼル、MF稲本:ウェスト・ブロムウィッチ、MF中村:セルティック、MF中田:ボルトン、FW高原:ハンブルガーSV、FW大黒:グルノーブル)
2010年南アフリカ大会
国内組19人
海外組 4人
MF松井:グルノーブル、MF長谷部:ヴォルフスブルク、MF本田:CSKモスクワ、FW森本:カターニア)
2014年ブラジル大会
国内組11人
海外組12人
大幅に「海外組」が増えている。つまり、日本代表メンバーの「国内組」と「海外組」が逆転現象を起こした、初めての大会だったのであった。日本代表の大きな変化と言える。
■ コンディション問題 |
「国内組」と「海外組」の逆転現象により一つの問題が発生した。それは「選手のコンディション問題」である。
今回のザックJAPANの「海外組」でもある傾向が見られた。
・スタメンクラスと控えクラスの選手
・怪我で試合に出れなかった選手
所属クラブで出場機会に恵まれなかった香川は、最後まで輝きを見せられなかったし、同じ境遇だった本田も1ゴール1アシストを記録したがベストではなかった。(直前の親善試合の状況を考えると本大会にきちんとコンディションを合わせてきたのはさすがである)。
シーズンほぼ出場していた長友も心身の疲れという意味では、何か物足りなかった。ドイツで15得点を決めた岡崎も同じ印象だった。さらに、そもそもプレー出来るのかという状態からのスタートだった、内田、吉田、長谷部らは、同じくベストではなかっただろう。
一方、国内組は、Jリーグが始まった中断となり、程よい試合数をこなしてから大会に臨める。実際、山口、森重、大久保などは好パフォーマンスを見せていた。だからと言ってコンディションを重視し「国内組」が優れているとも言い切れない。「海外組」には、チャンピオンズリーグでトップレベルの選手と対峙している選手もいる。実際に、今大会、相手選手のネームバリューやその存在に、日本代表は過剰にリスペクトし過ぎることはなかった。(唯一レベル的に不足していたプレーヤーはいたが)。つまり、日常的にトップレベルでの経験が過去の日本代表よりはあったのは事実である。
今後、サッカー日本代表の中に今回以上に「海外組」が増えるかどうかは分からない。但し、日本人選手の海外移籍が、今以上に普通になることは間違いない。さらに、Jリーグを経験することなく海外クラブへ移籍する選手ももっと増えてくるだろう。
ザックJAPANは、コンディションに左右されやすいチームであった。そういう意味で、チームの軸となる選手が、コンディションに何かしらの問題を抱えている時点でディスアドバンテージがあった。そして、今回のブラジルW杯で、良い結果が残せなかった一因だったかもしれない。
このコンディションの問題は、今後の日本代表についてまわることになる。そして、「国内組」と「海外組」という切り分け自体がなくなる日も来るかもしれない。(便宜上の分類としては残るだろうが)
■ 「自分たちのサッカー」とは |
◆ オランダにあって、日本にはなもの
これまでの日本代表は、「個」の劣性を「組織」でカバーしようとしてきた。しかし、個人的には、「個」があっての「組織」という考え方には変わりがない。同じ11人でプレーするフットボールにおいて、局面ごとの優劣を決めるのは、「組織」ではなく「個」であるからである。特に、前線の選手になればなるほどである。
代表チームは、クラブチームと比較すると圧倒的にチームとしての「組織」を構築する為の時間に制限がある。初めて代表チームを指揮したザックもその難しさを会見で言っていた。
そうなるとやはり「組織」より「個」の優位性が出てくる。そして、もう一つ、その「ナショナル・チームの拠り所」が必要になってくる。オランダの監督、ファン・ハールが会見で、以下のようなコメントを残している。
この日もスペイン戦と同じく5-3-2のシステムを採用したファン・ハール監督だが、後半からはオランダ伝統の4-3-3に変更。一時はリードを奪われたものの、逆転で勝ち点3を手にした。同監督は「あれ(4-3-3)はオランダ人なら誰もが、少年時代から経験してくる慣れ親しんだシステムだ。我々はいつでもその形に変更することができる。後半はプレーがずっとよくなった」と、システム変更が奏功したと振り返っている。 2戦8発で決勝T進出のオランダ、指揮官はV・ペルシ&ロッベンを絶賛「ゴールの形も魅力的」 |
これが、「自分たちのサッカー」である。
そもそも、W杯のベスト4、ベスト8常連国は、「自分たちのサッカー」を持っている。
現実的には、今後の日本代表に必要なのは、「自分たちのサッカー」ではなく、「W杯、ベスト16~8の常連国としての自分たちのサッカー」である。
そして、この「自分たちのサッカー」というものが、選手たちの言葉か、監督の言葉か、それとも日本代表のサポーター、ファンの言葉か、究極的には、日本国民としての言葉かによって異なる。
日本代表は、「自分たちのサッカー」をやっと検証する素材が揃ったに過ぎない。98年フランス大会からスタートして、自国開催も経験した。その過去の経験をもう一度振り返り検証しなければならないと思う。その検証作業は、次期監督がやる仕事ではない。協会だけがやることではない。やるべきは、この経験をした我々日本国民の仕事である。それは、にわかファン、コアなファン含め全員の仕事である。
そして、今大会を経てサッカー日本代表は、「自分たちのサッカー」を模索する非常にに難しいステージへと突入したのである。そういう意味で今回のブラジルW杯は、結果は伴わなかったもの日本サッカーにとって真の大きな分岐点だった。
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海外組といってもみんなヨーロッパ特にドイツですよね。日本にいたほうがブラジルの気候には馴染めやすかったかもしれません。
南米とかに行く選手も出てくるといいですね。
チームとして「自分たちのサッカー」を持っていたほうがいいですね。
所属チームや自分のスタイルを出していてはチームとして機能しません。今回のように分解してしまいます。
監督が日本語をしゃべれたらもっと意思統一できただろうにと思いました。
ザックは攻撃的なスタイルを決めてくれました。
今回の結果を受けて守備的にと後退することなく、攻撃サッカーを完成させてくれたらいいですね。アギーレでいいと思います。
カイトをSBにしたと思ったら、パワープレー要員にしていました。
ポリヴァレントですね。こういう選手をMVPにとかって発想ないですかね。
オランダのような自分たちの攻撃スタイルを持っているチームが守備的に戦うと怖いですよね。戦術に幅が出ます。
あと多いのは守備的なシステムで攻守分業にして攻撃は個人の能力と即興頼み。タレントのいる代表チームはこれでいいのかもしれません。
コスタリカやメキシコ、スイス、チリのように確たる自分たちのスタイルを持っていると、誰が入っても迷いなくプレーできますよね。
日本もサンフレッチェとかクラブレベルてスタイルを持ったチームがありますが、アジアで苦戦している段階ですね。今後に期待です。
多様なチームでプレーをする選手が集まる日本代表の場合、攻撃は調子のいい個人に任せて守備だけ組織するスタイルか、Jリーグのように監督の指導力でスタイルを確立してもらうかのどちらかになりそうですね。
日本のサッカー選手がみんな同じ考えを持つようになれば、誰が入っても臨機応変な戦い方ができるようになると思いますが夢のまた夢のような私の妄想で終わります。
こんばんは。まいどです。
オランダは、やっぱり見てしまいますw
タレントのいるチームと自分たちのスタイルを持つチーム。
今大会の象徴して、ベスト16、ベスト8では顕著になってきた感じしますね。逆説的に考えると、グループリーグで敗退したチームは、そのいずれかのどっちかに振れ幅が小さかった、はっきり言えば、「チームのカラー」が見えなかったからかもしれませんね。
この辺分析しても面白そう。(現実的には、やれんですけどw)
特に、ブラジル開催という要素が南米勢に優位に働いていることは間違いなく、でも、それだけでは言いきれない部分はある大会です。
個人的には、前回大会よりも輪郭のはっきりした大会で、日本が負けたけど、もっと見て欲しい、見返えす価値のある大会だと思っています。