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黒式部の怨念日記

怨念を恐るる者は読むことなかれ

タリフマンVSタックスマン

2025-03-14 13:44:09 | 言葉

トランプ大統領は、自らを「タリフマン」(関税人)と称している。ふと思った(ふと思うことがブログ記事のきっかけである)。日本語では関税も租税も「○税」ということで同じ税金の扱いだが、英語では関税がtariffで税金(租税)がtax。重なるところがなくて言葉的にはまったくの別物である。ドイツ語も関税がZollで租税がSteuerと別物。Steuerは種類に応じていろんな○○Steuerがあるが、その中に関税は含まれない。同じ強制徴収金でも、国民に上からふっかける租税と物が国境を越えるときにかかる関税は成り立ちからして異種という考え方だろうか。

トランプさんが自らをタリフマンと呼ぶときは誇らしげだが、他方、タックスマン(徴税人)の方は、歴史的にも人から歓迎される仕事ではなかったようだ。例えば、イエスの弟子は社会的に蔑まれていた人が多かったというが、十二使徒の中のマタイ(バッハの受難曲で有名)が徴税人であった。最近でも、ビートルズの「タックスマン」という曲の歌詞は、全編が徴税人(タックスマン)に対する恨み辛みである。

欧米では脱税をした人を「市民としての義務を怠る極悪人」として徹底的に糾弾するというが、反面、徴税人のことも悪くいうのはなんだか矛盾してる気がする。お国のために喜んで税金は払うが、偉そうな徴税人には払いたくない、ということか。

因みに、私が商売をしていたときは(廃業前は)、仕事用とプライベートの支出をきっちり分け、どっちにも該当するものについては厳密にパーセントを考えて振り分け、自分で作った複式簿記のプログラムで完璧と自惚れる会計処理をしていたから、いつ徴税人様に来ていただいても大丈夫、来て下さったら完璧な帳簿をご覧に入れてとっぷり自慢しようと思っていつかいつかとそのご到来を待ちわびていたのだがとうとうお迎えすることはなかった。大蔵省(当時)の知人にその話をしたら、あんたんとこみたいな行くだけ無駄な所ははなっから相手にしないのだ、と言っていた。たしかに、税金をお支払いできるほどの売り上げがなかったのは事実である。

そんな徴税人が「正義の味方」として注目を浴びた伊丹十三監督の映画が「マルサの女」である。伊丹監督の作品はどれも面白かったが、初期の「たんぽぽ」は、一般には人気がなかったそうだが私は好きである。ラーメン屋の話なのだが、シャトー・マルゴーのヴィンテージの話などが出てきて蘊蓄に溢れているところが好きである。



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