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黒式部の怨念日記

怨念を恐るる者は読むことなかれ

ピアニカ/タバスコ/ゼロックス

2025-03-25 10:02:27 | 楽器

NHKの番組で「鍵盤ハーモニカ」を作ってる工場が紹介されていて、最近「鍵盤ハーモニカ」ってよく聞くけど、それって「ピアニカ」のこと?と思ったら、「鍵盤ハーモニカ」が一般名称で、「ピアニカ」はヤマハの商品名だった。NHKは、社名を言わないから、私はこの番組を見るときは、工員さんの帽子や作業服から社名を当てようと思って画面に注目するのだが、このときは工場器具に「SUZUKI」の文字を発見。え?浜松だから自動車会社のスズキ?そう言えば、ヤマハも発動機を作ってたなー、と思ったらそうじゃなくて、鈴木楽器製作所だった。自動車のスズキとも、ヴァイオリンの鈴木とも関係がないそうである。因みに、この会社の鍵盤ハーモニカの商品名は「メロディオン」だそうである。

「ジップロック」も商品名だから、NHKでは呼称できない。代わりに言うとすると「ジッパー付きフリーザーバッグ」。フリーザーバッグはジッパーが付いてるのが当然だからこれを省くと「フリーザーバッグ」。日本人なのだからなるべく横文字を使うなと言われれば「冷凍バッグ」。「バッグ」が横文字だと怒られたら「冷凍袋」。こんなところである。なお、「バッグ」を「バック」という向きがあるが、「袋」=「bag」だから「バッグ」が正しい(ドイツ語読みなら「バーク」だが)。

その冷凍袋に入れて鶏むね肉を茹でようと思うと、火を付けたままでは袋が堪えられないので、熱湯にむね肉入りの袋を入れたらすぐに火を消し1時間待つ、というレシピに従って、1時間経ったヤツを包丁で切ったら真っ赤っかな血管が現れて、火が通ってない!と焦ってレンチンした話は書いた(夢でなければ)。だが、そもそも冷凍袋に入れる必要があったろうか?と思い、袋を使わずに、肉をそのまま熱湯に入れて、再び沸騰したら火を弱めて3分。3分経ったら火を消して30分冷ます、というレシピに従ったら十分に火が通り、しかもみずみずしい。なんだ、袋は要らなかったじゃん、ということになっている。そうやって、むね肉祭りを続けているのにちっとも疲れがとれない。朝、起きると疲れ果てている、変な夢ばかり見てるせいだ、という話は書いた(夢でなければ)。

タバスコもNHKでは胡椒入りソースと呼称される(韻を踏むために(駄洒落を言うために)ちょっと無理をした。ペッパーソースと呼称される)。

商品名が一般名ぽくなっているモノと言えば、ホンダの「カブ」などもそう。前部に泥よけが付いてるノークラッチの原付バイクだが、SUZUKIの同様の商品は「フリー」である。

あと、コピー機が世に出回った当初、当時コピー機の特許技術を独占していた会社の社名が動詞化し、「コピーをとる」を「ゼロックスをとる」と言っていた。最近は言わないな、と思ったら、あなた、なんと、英語では「zerox」が「コピーをとる」の意味の動詞として完全に市民権を得ており、辞書にも載っているそうだ(私の電子辞書の英英辞典にたしかに載っていた)。

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下手の言い訳

2025-03-12 17:56:32 | 楽器

カーサ某のセッションで久しぶりにヴァイオリンを弾いた。もちろん「下手の言い訳」をしたうえで、である。そう、居並ぶ達人の前でずうずうしく弾くためのとっておきの言い訳があるのである(「下手な言い訳」は言い訳が下手なことであり、「下手の言い訳」は下手である理由である。今、話しているのは後者である)。すなわち「私のヴァイオリンは、弓とケース込みで2万円」と言うのである。これはなかなかの威力があり、達人たちはそんな楽器はあり得ないと信じてるから、音が出るだけで「おおー」となるのである。人々をうならせた2万円がコレである。

商品名としてイタリア人のような名前が付いているが、イタリア製であるわけがない。だが、この言い訳が通用するのは、達人たちがブルジョワジーに属しているからである。私と同様のプロレタリアート階級だったら「あっ、私のもそのくらい」と言われるかもしれないし、ことによると、「2万円もするの?私のはもっと安いよ」という超人がいるかもしれない(私の楽器と同じものを中古で買えばありうる話である)。

故意ではないのだが、つまり忘れていたのだが、実は「全部ひっくるめて2万円」は正確ではない。いや、当初はそうだった。だが、弓にもお金を出した方がいいと聞いて、弓を別途調達したのだった。そのお値段が1万円だから合計3万円が正しい(達人たちからは「お金を出したことにならない」という声が聞こえてきそうである)。

この楽器を買ったのは数年前である。その前に持っていたのは子供の頃買ったヤツでコレである。

たしか、7千円くらいだったと思う(まさに2万円以下である。時代と物価水準が違うけれど)。子供貯金をおろして買ったのだった。この7000円楽器が数年前に壊れてしまった。それで2万円楽器に交代したわけである。壊れたとしても想い出がたくさんつまっているから、今は押入の奥で静かな余生を過ごしてもらっている。

因みになぜ子供貯金をおろして買ったかというと、私の親が、常々子供に楽器を買ってやるようなお金はないと言っていて、親に出してもらうのが絶望的だったからである。そんな折り、ふと子供貯金のことを思い出して、それでヴァイオリンを手に入れることができたわけだ。こういうことをときどきブログに書いてるのに「黒式部さんはいいところの子供に違いない。楽器をいろいろやってるから」と言う人が後を絶たなくて、「ほんとにブログを読んでくれてるの?」と思うこともあるが、そんなものである。人は他人のことなど興味がないのである。

なお、高校で吹奏楽部に入ったとき親がクラリネットを買ってくれたことは親の名誉のために書いておかねばならないだろう。半世紀前で16万円だったからかなりの逸品である。絶対ムリだと思いつつおそるおそる頼んでみたらOKという返事が返ってきたとき奇跡が起きたと思ったものである。

(追記)一番書きたいことを書きそびれていたので追記する。その2万円ヴァイオリンを、セッションの帰りに電車の網棚に置き忘れたワタクシである。駅から出て歩き始めて10分経って気がついて、駅に戻ったらすぐに出てきて事なきを得た。2万円だから置き忘れたんだろうって?ナイン!親が唯一私のために大金を払って買ってくれたクラリネットですら電車の網棚に置き忘れたことがある(半世紀近く前)。鉄道会社に問い合わせると、小田原駅で保管されてることが判明し、そこまでとりに行ったのだった。受け渡しのとき、駅員さんから「これは骨董品?」と聞かれたことを覚えている。私の愛器はキーのメッキのせいでくすんで見えるためである。今でも同様である。

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スター錦野のフルート(夢はかなう)

2024-11-02 11:10:45 | 楽器

数日前に見た夢は、「Spufé Sé」という綴りを見て、意味が分からず、「この綴りを覚えておいて、明朝起きたら辞書を引こう」と思う内容だった。夢の中で、これは夢だと理解している点が奇っ怪だった。実際、翌朝、起きたときに綴りを覚えていて辞書をひいた(意味はやはり分からなかった)。夢が実現した(かなった)わけである。この場合の「夢」は夜見る夢(Traum)のことであるが、「夢」には願望(Wunsch)・希望(Hoffnung)の意味もある。大谷選手が実現した「ワールドシリーズで優勝」の夢はもちろん後者である。

大谷選手は、既に高校生のとき「人生設計ノート」に「ワールドシリーズ優勝」を書いていた。その他、当該ノートに書いたことを次々に実現するから、そこに書いたことは「夢」というよりタイトルそのままに「設計」だったようである。38歳時には「結果が出なくなり引退を考える」そうだから、いっそう現実的である。だが、メジャーリーグを引退してもそれで終わりではなく、帰国してリトルリーグを指導し優勝させると書いたそうだ。大谷選手の場合、これも「夢」ではなく「設計」なのかもしれない。

何歳になっても夢を持つのは良いことである。例えば、シニアから楽器を始めて名人になる夢だって見てバチは当たるまい。スター錦野は、70歳を過ぎてフルートを始めて3年経った今、ちゃんと曲を吹いていたから大したものである(徹子の部屋)。私は、いろんな楽器をやる中、特にフルートに苦戦してるから尚更尊敬である。聴くと、スター錦野は昔からトランペットを吹いてたというから楽器の素養はおありなのだな。ウチにはトランペットもあるが、これはもう苦戦どころではなくなかったことにしているからウチの楽器のラインナップには入ってない。それでも格闘した経験のおかげでちゃんと吹いてる人を尊敬できるようになった。競馬のファンファーレも吹けたらいいなと思う。

ラインナップに入ってる楽器については、プータローになった時点で、どれもこれも一日10分ずつ練習して全体的に底上げしよう(護送船団方式)という「設計」をしたのだが、既に「夢のまた夢」と化している。計画がブレるところが大谷選手と超凡人たる私の違いである(だが、現総理大臣とは似たり寄ったりである)。こないだある楽器について体験レッスンを受けたときは、よし、あれもこれも先生につこう!と心中の熱気球がおおいに膨らんだものだが、気球は直にしぼんで墜落してしまった。お月謝をどうやって工面しようか、という心配は杞憂に終わった。

そんなくせして、トロンボーンを買って吹いてみたいという夢は相変わらずである。性懲りもないとはこのことである。

因みに、友人にアマチュアのカウンター・テナー(裏声で高い音域を歌う男性歌手)がいるんだけど、彼はもういい歳。カウンター・テナーは衰えが早くて、彼の歳のカウンター・テナーなど滅多に聞かない。でも、彼は歳に抗っていつかシューベルトの「美しい水車屋の娘」のリサイタルを開くと言っている。本人は「設計」のつもりだけど私から見たらこれも「夢のまた夢」である。人のことで悪いけど。

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体験レッスン(宗旨替え?)/ジョン・シピン選手

2024-10-21 07:16:50 | 楽器

ある楽器の体験レッスンに行ってきた。その楽器は、次の中の一つである。

おっ!これまで先生に習いに行ったのはピアノだけで、後はことごとく独学だったのに宗旨替えか!? いや、「楽器=独学」を宗旨と定めていたわけではなく、結果としてそうなったのである。

私だって、もともと楽器を習いに行きたかった。だが、子供の頃、親が習いに行かせてくれなかった。理由は「ウチにはお金がない」「音楽をやる必要がない」の二つであった(が、今、思うと、父が毎晩飲んだくれるお金はあった。要は「子供に音楽をやらせる」お金はない、ということである)。ところが、どうした風の吹き回しか、突然母が私に駅前のピアノ教室に行ってこい、と言い出した。で、行ってみたら、ピアノは我流を直すために一からやり直しだが、ソルフェージュ(楽譜を見て歌うこと)と聴音(音を聴いて楽譜にすること)はもうできあがってる、とえらく評価してくれた(作曲の先生を紹介してやる、とまで言ってくれた。だが「高いけど」が付いていたので親に相談するまでもなく諦めた)。ところが先生が替わった。二人目の先生は怖かった。私の鍵盤のタッチが重いのはオルガンを弾いてるせいだと言って、オルガンは弾くな、と言った。私んちにはオルガンしかないから、先生の命はやめろと言うのに等しい。それでピアノ教室には行かなくなった。これがトラウマとなり、楽器(歌も)は独学でするもの、という習慣がついたのである。後年、母に、なぜあのとき私にピアノ教室に行かせたのか聞いたら、あまりに家でオルガンを弾いてうるさいから厄介払いをしたかったと白状した。腑に落ちた。なかなか正直者の母であった。

じゃ、この期に及んで体験レッスンに行ったのはなぜか?実は、本番で演奏する話が持ち上がったのだが、どうにも上手くいかない箇所があり、背に腹はかえられずに先生を探したところ、近場に、猫のいる練習場を見つけたからである。行くにあたって、二つの状況を想定した。次の通りである。
①独学なのにこんなにできてすごい、と褒められる。
②我流で変なクセがついていてダメ、とけなされる。
かりに②でもブログのネタになるからよいと思っていた(ブログは物事を客観的に見直すから精神衛生上有益である)。結果は①でほっとした。だからと言って有頂天になるほど私は子供ではない。体験レッスンは、これまでの方向性が間違ってなかったことを確認し、課題の解決のヒントを得るのに十分で、大層ためになるものであった。

もし、この先生に習うことになったら、堰を切ったように他の楽器も先生につくかもしれない(巨人軍だって、かつて外国人選手をとらないことを宗としていたが、一度、その禁を破ったら後から後から外国人選手が来るようになった)。そうなると、母の口癖「ウチにはお金はない」が、半世紀を経て、所を変えて現実の問題として浮上することになる。レッスン費をどう捻出しようか。レッスン以外はいっさい家から出ず、毎食大根飯で飢えを癒やす生活になるやもしれぬ(おしんか)。

因みに、巨人軍の外国人選手第1号はばりばりの大リーガーの看板をひっさげて入団したデーブ・ジョンソン選手である(当初、看板倒れであった)。それから、当時「巨人軍の選手は紳士たれ」と言われていた(そうじゃない人もいるだろうに、と思った)。だから、大洋ホエールズ(って知らないでしょ)から巨人に移籍したジョン・シピン選手は、大洋時代はひげもじゃでライオン丸だったが、巨人のユニフォームを着て現れたその姿は髭をきれいにそっていてなかなかの男前になっていた。

 

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