【TIFF 2010】『ジャック、舟に乗る』 (2010) / アメリカ

原題：Jack Goes Boating





監督：フィリップ・シーモア・ホフマン





出演：フィリップ・シーモア・ホフマン エイミー・ライアン ジョン・オーティス ダフネ・ルービン＝ヴェガ トム・マッカーシー








第23回東京国際映画祭『ジャック、舟に乗る』ページはこちら。











＜Ｓｔｏｒｙ＞





ニューヨークの労働者階級の生活を背景に、愛と裏切りと友情を描いた物語。





ジャック（フィリップ・シーモア・ホフマン）とコニー（エイミー・ライアン）は町の中でひっそりと暮らしている独身者だ。


しかしふたりは、芽生え始めた関係を追い求め、勇気と欲望を自覚し始めていた。


対照的に、一緒に暮らしてきたクライド（ジョン・オーティス）とルーシー（ダフネ・ルービン＝ヴェガ）の夫婦は、不安定な結婚生活の中で解決されない問題に直面する。　


（TIFF公式サイトより）














＜感想＞





フィリップ・シーモア・ホフマン初監督作品ということで興味がありました。


いつも俳優として彼にあてがわれる役というのは、大体悪役だとか、おちゃらけた役とかで、


真っ当な感じのものをあまり見たことがない。


でも実はこんな役がやりたかったんじゃないかという（？）彼の願望のようなものも感じます（笑）


彼自身も実はこういう風な地味なキャラクターなのかもしれませんね。

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特に取り立てて何かがある訳ではない、普通の人生を生きていて、


でも自分には何となく自信が持てていなくて。


ジャックとコニーはそんなカップル。


友達だったけどいつの間にかお互いが惹かれあっていきます。


そしてジャックは、「ボートに2人で乗る」ことを目標に、


泳げないことを克服したいと思い始めます。


一念発起というのは字では簡単に書けますが、これ実際に行うとなると


それまでの自分をかなり変えないといけないだけに、とてつもないエネルギーを要する作業でもある。


それを行わせるのはもう「恋」意外の何物でもなくて。








2人が手探りでお互いを確認して行くのが、なんだかとても可愛らしくて、


ジャックがイメージの世界で頑張っている姿が何とも健気。


ここでコニーがジャックに言う「男の条件」みたいなのがいちいちうなづけちゃってねえ・・・。


そして彼らの様子を傍で見ているもう1組のカップル、クライドとルーシーも、


それまでの彼らの関係を考えさせられるような出来事が起こります。


クライドが、ジャックとコニーの2人を見て感じること。　それは恐らく、


長年男女が一緒にいるとわからなくなってしまうことなのですね。　


そこからどのようにしていくか。　それはわからないけど、関係というものは


2人で向き合って作っていくしかないから。


日常の中でも見過ごされがちなことが、恋によって浮き彫りになってくる。　


小さくて地味な、だけど大切な変化が日々必要なのだと感じますね。














今日の評価　：　★★★★　4/5点

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