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第2弾:蒼い時のドリームキャッチャー15話

2022-10-12 14:18:45 | 第2弾:蒼い時のドリームキャッチャー


「直也はどこに行ってるのかなぁー」
毎日のように授業が終わると県道沿いの公園や踏み切りのどちらかにいた直也ですが仲間たちと距離をおく直也の気持ちを知っていたから気にかけていましたが直也を探すこともしませんでした。直也は時々公園で仲間と一緒にいます。仲間たちは和志を快く受け入れてくれます。直也と和志は、もともと喧嘩もするが仲の良い心の許せる間柄でした。
家庭環境の違いが、ここまで和志を変えてしまうと直也は思ってもみなかったのです。直也は久美子の家庭環境のことを思い出します。その環境によっては永遠の別れになることも知っています。
「しばらくの間、和志と二人で通ってもいいかな」と直也は仲間たちに言います。
「そういうと思ってたよ、直也なら和志のこと何とかできるかもしれないよな」と仲間たちは直也に答えます。
直也の仲間たちは和志の思いを感じとっていたようです。直也は仲間の言葉に思いやりと優しさいうものを感じていました。学校へ向かうのに途中に小さな神社と公園があり和志が学校へ向かうには神社の裏を通ります。少し早いが直也は和志を待ちます。
「和志!おせいよ、馬鹿。昔はよかったな、あの頃みていに俺たち戻ってみねぇか?」
直也は和志に声をかけます。和志は昔に戻ろうなんて考えもしなかったが直也の言葉が閉ざされたか和志の心を突き刺すように入っていきます。
「戻ってやってもいいけどよ、戻れるかな、俺たち、お前と俺とでは違うよ」
「そうだなぁ、お前しだいだな、それにオレには仲間がいるんだよ、もう知ってるだろ、あの仲間たちもうるさくてしょうがねぇんだ、何とかしろってな」
和志は直也の言葉に答えます。直也や仲間たちが言ってないことでも和志に言います。それは直也は仲間たちが、みんな同じ思いをもっているからだと思っていたからです。うるさい連中でいつも笑っているが心の中では先輩後輩の中でいきていくというのは、みんな同じ思いであったのです。それ以来、二人で学校へ通ったり時には横から声をかけて来る仲間もいて、わざとらしい姿をみせていました。そんな日が数週間続くと和志に変化がみられます。和志が、あの時ボコボコにした直也の仲間に悪かったと頭をさげたのです。
「もう忘れたよ、なんだっけ?」
和志は昔の仲間達のことを思い出します。直也とその仲間たちは和志の氷のように冷たい塊(かたまり)を少しずつ溶かしていったのです。直也たちと同じように喧嘩やかつあげから避けるように登校し休憩時間になると、みんながそれぞれ集まりグループをつくるようになります。先輩たちに狙われてるのはわかっていたからで、直也たちの行動が他のクラスのにも勇気を与えていたのかもしれません。グループになると中心人物は先輩たちの標的にされている生徒らでした。仲間たちでいれば先輩は文句を言ってきたり襲ってきたりはしないし簡単に手を出しては来れないのです。和志は仲間たちでいることになれてきたようです。学校に来て仲間と一緒にいるときだけは家でのことは忘れていたのでしょう。苦笑い恥ずかしがり屋の姿も見せるようになっていきます。直也も一緒にいることで、過去の苦しみから逃れられるようになっています。直也と和志は直也と真一のように似たもの同士だったのかもしれません。仲間たちが一緒にいるのは、先輩の攻撃から逃れるだけではなかったのです。直也の人に対する接し方や過去の苦しみや悩みを全て話してくれると安心感をみんな感じていたのです。ある時、和志は女の子たちにからかわれることがありました。和志は、何も言わず照れ笑い、まるで何とかしてくれよって感じでした。クラスメイトも和志に声をかけるようになっていきます。直也は水泳部の顧問の先生からこう言われたことがあります。
「悩み苦しんだ分、強くもなるし、優しくもなれる、でも強さは喧嘩とは違う」
久美子がいなくなった、あの頃は、どういう意味か直也には良く分からなかった。
しかし和志を見ていると何となくわかるような気がしたのです。和志は窓の外を見なくなっていきクラスメイトを気にするようになっていました。和志の席は窓側の真ん中、直也の席は窓側の一番後ろでした。直也は時々、授業中に消しゴムを刻み和志の後頭部へ当てるという、ちょっとしたいたずらをはじめます。和志は何の反応なしで「つまらねぇなぁ」と思っていたのですが授業が終わり十五分間の休憩中になると授業中は静かにしていた和志は直也のもとへ行き笑いながら叫ぶこともありました。
「てめぇ、ふざけんなよ、ぶち殺すぞ」
笑いながら、ふざける和志の姿にクラスメイトは不思議そうな顔をしているものクスクス笑うもの様々色々いました。和志は直也たちに心を開き本当の自分の幼稚な姿を時折見せるようになります。家では父親との喧嘩でも学校ではきつい顔もせずニヤついて仲間たちと一緒に遊びます。本当の和志を見せてくれるのは仲間たちにとっても嬉しいことでした。体育祭があったときには和志は応援団を引き受け、みんなを驚かしたこともあります。和志は強くなっていたのだと思えます。しかし、その和志を妬ましく思う先輩たちは更にいらつきを感じていたようでした。
「しかし先輩もしつこいよな」と直也と和志は思っていたようです。


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