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セイネンキレジェンド12話

2024-04-02 08:07:50 | 小説セイネンキレジェンド


控室で暇な優子は1人でリングのある体育館に足を向け体育館に入ると応援団らしき観客の熱気で包まれる。直也の応援団は全くいないボクシングジムに通うプロテスト前の学生を含め5人は控室で待っている。直也がフードをかぶり控室に戻って来ると同室の選手達は不思議そうに直也を見ていた。フードをかぶったままの直也は椅子に座るとコーチは声もかけず、あうんの呼吸のように直也の肩や首へのマッサージをする。
「勝とう等と思うな、自分を信じて前へ進め」
会長は直也の耳元で囁きかけると直也はフードをかぶったまま身動きする事もなく下を向き顔を見せようとはしなかった。
「時間だ直也、信じるものを見つければいい、それだけでいいんだ」
直也は控室で同室者には決して顔を見せる事がなかった。こんな直也に同室者達の目にどう映っていたのだろうか。
思っている事は解らないが推測で言えば、きっと直也に何かしらの疑問符を抱いていたのではないだろうか。
初めての直也は無意識に心理戦をおこなっていたのだろうか。いよいよだトーナメント会場へ控室から16人の選手達が向かう。会場へ入るとファイター達に向けて盛大な拍手が湧いていた。直也以外は中学一年生の時には皆リング上に立っていた選手達だった。
「頑張ってー頑張れー・・・」と応援する応援団のサポーターの人達は直也にはなかった。
特に盛大な拍手で迎えられたのは中学一年生の時に1位と2位の選手で優勝候補者だった。16人はリングに上がり紹介されるが直也はフードをかぶったまま自分の顔と身体を見せる事はなかった。紹介された後はリングから降りボクシングトーナメントが始まった。直也の1回戦は3番目でリング下にいて椅子に座っていたがフードをかぶったまま何かを考えていた。応援団やサポーターの声は直也にプレッシャーをかけていたと思うが直也は動じない。一試合3ラウンド試合は4回戦だ4回戦目で優勝と囁きながら微かな声で直也はプレッシャーに立ち向かっていた。直也は目の前でボクシングをしている他の選手を見る事もなく時は流れる。
「ジャブ、ジャブ、イケーイケー、今だー」と言うサポーターの声は直也の耳に届く事は無くなっていった。心理戦で次の試合で勝つことの事だけを考えていた為に直也は集中していた。応援団のサポーター達にも直也は心理戦をしかけていたのかもしれない。



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