濃霧、
この冬初めての濃霧、
薄暗い町全体がぼかされてぼんやり浮かび上がっている。
灯りが瓦斯灯のように淡く、仄々と燃ええるように辺りをぼんやり照らし、
霧の多い異国の街風景を描いている。
町全体を優しく抱擁する濃霧・・・
ひと時の暖かさが深入り珈琲を濃厚ミルクで溶かしている。
濃霧の街
いつもの町が一枚の絵になる
濃霧の世界
描かれるのは幻灯の風景
町は霞み
深い霧に覆われたピンぼけの一枚 . . . 本文を読む
トーン、
昨日の晴天が嘘のようにかき消された今日の空、
消し炭色いや鉛色、モノトーンの空が天空一面を覆っている。
そのせいか辺りは暗く、明るさが一向に見えて来ない、支配するのは荒涼とした色彩に彩られた風景。
彩がこの闇を解れるのを静かに待っている。
その待ち時間は長く、少しの時しか経っていないのに寒く、冷たく感じるのはやはりこの空色のせいか。
白&黒
私の好きなモノトーンの世界
構成の白
無垢
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霜、
外に出ると寒い。
夜半からの冷え込みが霜を降らせ、セピアの枯れ草を白く蔽っている。
寒さの中に痛みを感じるのはこの冷え込みのせいか、そう思いながら歩いていても意外と寒くない。
風が吹かないと街の中は暖かく寒さもそう苦にならないが、それでもしばらく歩くと素足の指先が痛い。
この痛さ、どう表現したらいいかな・・・旬の柊が刺さる痛さ。
霜
雪の変わりに霜か・・・
どうりで寒い筈である
私が触れ . . . 本文を読む
消されて。
青空が、津波となって押し寄せた寒気に消され、空一面が消し炭の空になっている。
そのせいか天空が暗い、重い、寒い・・・
部屋の中に居ても、隙間から見えない寒さの族が忍び込んで来て、
前後左右から私の体と心を甚振る。
暖かくならない体、崩れるように失われる温もり、
空をみつめるだけでも寒い、そう思う冬の鉛色、
この色、この重さ、雪が舞いそうな空かな・・・「ああ・・・寒い」冷めかけの珈琲を口 . . . 本文を読む
寒い朝である。
東の空がオレンジに染まって美しい夜明けを見せている。
寒い、でもその割には風も強くなく、いつものあのグイ・・押してくる強さが感じられない。
そう何かが足りない、何だろう・・・そうかあの締め付けるような冷たさが感じられない。
吐く息も白い煙となって昇る事もなく、素足の指を締め付ける冷えも感じない、
穏やかな晴れの一日になりそう。
温もり
この季節ほどこの言葉が魅力的に感じることは . . . 本文を読む