海

海。私にはいろんな友がいる。その一人に山の好きなひとりがいて、
皆でお茶を飲んでいる時に海と山の話になって、
それぞれ良さがあって二つの自然はいいね・・・そういう結論に落ち着いたけど
ひとりが、山がいい絶対山がいい。
もう頑固で譲らない人に向けて書いた一節。
でもこの詩を贈っても最後まで譲りませんでしたね。
「もう保守的だからこの年代は」
海

海・・・
嫌いそうあなたが呟いた
山みたいに四季があるのでなく
何もない
山は四季それぞれ変化するのに
海は変らない
そう山を愛するあなたは話すけど
それは海を知らないから
海にも四季の顔があり
山と谷の海藻の森のなかに珊瑚の花が咲いて
大河が流れている
魚は鳥となって飛び回り
愛くるしい顔で挨拶してくれる
海も山も同じ
四季それぞれ素敵な顔みせてくれる
山好きな友よ
片方の瞳ばかりで見ないで
両目で見つめて欲しい
遠くから眺めていないで
素足になって
砂浜を走り海に飛び込んで
魚と一緒になって泳いでごらん
海のなかにはあなたの知らない色彩があり
海の四季があることを
海は見せてくれるはずだよ。