大きな世界の小さな部屋

まぁ色々とヲタ趣味に関した話題をうんたらかんたらと…あと動物ネタなんかも。

無念三兄弟

2008年03月06日 23時07分03秒 | ムービーTF
今回ご紹介するのは、ディセプティコンよりスィンドル。


ムービーTFと言えば、従来のオーソドックスなロボット像から外れた特異なスタイルが特徴ですが、このスィンドルはそんな中でも比較的普通に近い
と思います…それでもやっぱりかっこいいとは思えないデザインですけど。胸部がデッカい顔に見えます。


ご尊顔拝見。顔だけ見ると、非常に無機質な顔をしています。
何の表情も無い、非常にシンプルなレンズ顔。
ジャケットイラストではレンズの下に顎のような部分があった
のですが、製品では造型されていません。

こいつも映画本編には登場せず、ゲームの方のみの登場
となります。ゲーム本編では量機機扱いで、群れをなして
ワラワラ出てくるんだとか。玩具設定だと有能な兵士とは
言いがたく、所構わず乱射する危険なハッピートリガー
野郎だそうです。


残念ながら、可動はあまりよくありません。
TFにしては珍しく手首と足首は動くのですが、手足にロール軸が無いのでポーズ
は殆ど決まりません。そして股関節はボールジョイント接続ですが、パーツ形状
が悪く干渉しまくって横に開きません。ボールジョイントの意味が無い…。


しかし、スィンドルのギミックは中々に面白いので、ギミック重視の設計故の事なのでしょうきっと。そして気になるギミックと言うのは、腰のスイッチを押すと胸部から砲塔
が伸びます。ただ突き出るだけでなく、砲塔は2パーツから成っているので伸縮するので、見ている分にも中々楽しめるギミックです。ただ、砲塔がクリアパーツなのは何で
でしょう?それと、砲塔の先端がレンズ状になっていて砲門が空いていないのもマイナスポイント。このギミックが後にスィンドルに大きな災いをもたらす羽目になりまして…
事の発端はオフィシャルサイトにスィンドルの紹介された時でした。商品説明で“胸の砲塔が云々”と表記される筈だったのですが、担当者のミスタイプにより“胸の砲塔”
の部分が“無念お砲塔”と誤変換され、それがそのまま表記されていたのです。その後訂正されましたが時すでに遅し、それ以来このスィンドルは“無念お砲塔”という
有りがたくないニックネームを付けられる羽目になったのです…無念。


ビークルモードは丸っこい乗用車、しかし劇中に登場しないキャラは全て架空のビークル
となります。変形の纏まりは非常に良いと思いますが、車体後部のガワの噛み合せが悪く
巧く嵌まってくれない時があります。


先ほどの無念お砲塔もとい胸の砲塔スイッチはその後部に移動し、ビークルモードでそれを押すとガワ
が展開し砲塔が飛び出します。この場合は砲塔では無くブースターとなるのでしょうが、同じギミック
でも場所が移動するだけで違う意味を持つようになるとは実に面白い。ただ、このスイッチがビークル
モードだと位置が良すぎて、バリケードの左腕同様に暴発しやすくなります。


変形シークエンスはご覧の通り、ボンネットが胸部になりドアの裏側に腕、車体後部が脚部
とオーソドックスなカーロボット的変形です。


オートモーフは非常にシンプルで、変形時にフロントガラスのロックが外れると、スプリングでボンネットが展開し頭部が現れます。良くも悪くも安っぽい、オートモーフの安っぽさでは12を争うのではないでしょうか。


スィンドル:うわはははははははははッッッ!往生せぇやぁぁぁぁぁッッッ!!!!!!!!!

総評としては、一言で言うと中の下ってトコですか。ギミックは面白い、でもそれ以外で足を引っ張っているところが多い。
っつーか、同価格帯のニューバンブルビーと比べると色々と辛いです。主役級キャラとゲーム用ザコキャラでは温度差が
あるのは当たり前かもしれませんが、この出来だったらもう500位安くても出来たかもしれません。

次は、同じくディセプティコン兵士ドレッドウイング。


スィンドルが割と普通に近い体型だったのに対し、随分とまた特異なプロポーションです。巨大な上半身、それに相反して貧弱な下半身と随分アンバランスですね。
こいつは戦闘機が変形するのですが、背中に展開した翼に尖がり頭、そして両腕が噴射ノズルで形成されているところから察するに、“トランスフォーマー マイク
ロン伝説”に登場したデストロン軍師スラストがモチーフなのは間違いないでしょう。尚、画像では翼の変形が間違ってますが、パッと見では大差ないので大目に見てください。


ご尊顔拝見。こいつもスィンドル同様にレンズ顔ですが、こちらには顎が造型されています。初代スタースクリーム同様に、後方に突き出た尖がり頭が特徴。

そしてこいつもゲーム限定キャラクター、スィンドルと同じ位置付けのディセプティコン兵士なので、無念三兄弟次男というニックネームをつけられる羽目に…無念。とにかく手癖が悪く、隙あらば同じディセプティコン兵士の
持ち物でも平気で掠め取ろうとする泥棒野郎。彼は他の兵士には無いテレポート能力を備えていますが、彼が自力でそんな技術を発明できる程賢くないので、他の兵士たちはそれがどこかから盗まれた物だと確信している
んだとか。テレポート能力と言うくらいだから、おそらく元の持ち主は初代デストロン兵士スカイワープでしょう。


意外にも可動は優秀な方で、肘関節に若干のクセがあることを除けばよく動きます。
下半身がどうにも貧弱ですが、爪先と踵が可動するのと足裏の設置面積が大きいので、意外にポーズ付けても
保持出来ます。前傾姿勢や後ろに反りでもしなければ。


縦方向肘を曲げるためには、腕をデフォ状態から前後反転させなければなりません…なんで普通に可動させてくれんの。
しかし、ドレッドウイングの手には付属の噴射エフェクトパーツを付けられ、それにより両手から火炎攻撃している様に出来るので、その
かっこよさを考えて多少の見栄えの悪さには目を瞑りましょう。そして、ここはスプリングで発射出来るのでまぁ素敵。


ビークルモードは架空の戦闘機です。聞いた話によると、架空は架空でも現行戦闘機の特徴をミックスした
デザインがされているんだとか…それが本当なら、この実在しそうな説得力のあるデザインにも納得が行く
と言うもの。そして、先ほどのエフェクトパーツは勿論ビークルモードでも取り付けられます。一見完成度は
高く見えますが、ロボットモードの下半身が変形した部分が機体下面に集中しているので、スタースクリーム
同様に本来は平たい筈の戦闘機のイメージとはかけ離れています。これが架空のSF戦闘機とかだったらまぁ
我慢も出来たのですが…しかしドレッドウイングの場合は、スタースクリームと違い時にはそれが利点になる
場合もあります。


この画像をご覧ください。先ほどお話しした下半身ブロックは機体下面に配置されていますが、
スタースクリームと違い中央だけなので、床などに置いた場合だと角度によっては下半身パーツ
が機体の影に隠れます。ドレッドウイングは下半身ブロックだけが床に設置しているので、つまり
設置面が見えにくくなります。結論を言いますと、設置面以外が床から若干浮いて見える、つまり
置いておくだけで低空飛行している様に見えるのですよ。おそらく、これは意図的なものではなく
偶然の産物だと思いますが、スタースクリームと違いこういう利点も生まれたので、ドレッドウイングは
まぁ許してやりたい気分です。


変形シークエンスは…ですが今回はまずオートモーフから。翼を掴んで機体を左右に引っ張ると、真ん中から二つに割れそこからスプリングで
ロボットモードの胸部が押し出され、さらにその両側のエアインテークと思われるパーツがスプリングで押し出されます。そして、よく見ると
コクピット両側装甲も出っ張ります。つまり、左右に引っ張るだけで5箇所がスプリングで自動変形するわけです。話だけ聞くと随分と派手な
様に思えますが、実際は言われなきゃ分からない程度なのでスィンドルとはまた別の意味で地味です。


そして変形シークエンス、機体後部の噴射ノズルが移動し両腕に、それにより
空いたスペースに先ほどの下半身ブロックが移動してきて展開、最後に翼を反転
させて機首を折り曲げ頭部を出して完成。意外に複雑なパーツ移動をします。


スィンドル:待てぇーッ!ドレッドウイングゥゥゥッッッ!!!!!!

ドレッドウイング:待てと言われて待つ奴はいないぜ父っつぁ~ん♪なんつーてなっ☆

総評としては、見た目はあまりにも癖が強すぎますが買ってみて大正解!お気に入りの一体となりました。
確かに特異な出で立ちですが、ロボット&ビークルともに純粋に“弄っていて楽しい”一品です。

今回最後にご紹介するのは、同じくディセプティコン兵士ペイロード。


これまで色物スタイル続きでしたが、このペイロードは随分と普通に纏まったパワフルでかっこいいプロポーションですねぇ…背中から突き出たパーツを除けば。
しかしこのパーツが場所によってはつっかえ棒になるので、安定性は抜群になります。


ご尊顔拝見。他の2体と違い、同じレンズ顔でもビデオカメラを思わせる顔つきです。そして、そのせいで
ペイロードに付けられたあだ名は“無念三兄弟三男”…無念。尚、本来ペイロードとは貨物スペースを指す
言葉です。そして長男次男同様にペイロードもゲーム限定キャラクターです。玩具設定では、頑強な装甲と
卓越した走破性を兼ね備え、確実に物資を同胞に届けるのが任務だそうです、どうやら彼は真面目な輸送兵
みたいです。


ドレッドウイング同様に可動は非常に優秀で、襟が干渉して首の可動範囲が狭い事に目を
瞑れば及第点です。そしてドレッドウイング同様に腰も可動しますが、彼には無かった手首
も可動式なので、自由度の高さではペイロードの勝ちでしょう。そう言えば、無念三兄弟は
全員足首が可動するなぁ…。


先ほど少しだけ触れたペイロードの背中から出っ張ったパーツ、これ実はレバーで、これを
押すとペイロードの腹部に隠された大型アームが展開します。これがまた派手で楽しいギミック
で、ついつい意味も無く出し入れしてしまいます。しかしこのアームはスプリングが仕込まれて
いて、レバーを離すと戻ってしまいます。はっきり言ってこれは遊びにくいので、スプリングは
入れないで欲しかった…メガトロンさまの時と同じ様に分解してスプリングを抜こうと思ったの
ですが、ここはネジ止めでは無くどうも接着されているみたいで分解出来ませんでした。本当、
このスプリングは蛇足です。アームはレバーが押されるのに連動しギアで展開するので、スプリ
ングが無ければレバーの途中から90度折り曲げて出っ張りを目立たなく処理することも出来たん
じゃないでしょうか?


ビークルモードは、運び屋らしく架空の軍用トレーラー(取説にはアーマードトラックと記載)です。
ムービーTFのガワ変形はどれもこれも完成度が高く思わず息を呑んでしまう代物が多いですが、
ご多分に漏れずペイロードもかっちり纏まったガワ変形をしてくれます。


しかしコレ、意外にも他の兄弟よりも小さいんです。単体で見るとそうは見えないんですけどねぇ。


変形シークエンス。
まずコンテナが中央から左右に割れ、そのままコンテナ後部ごと後方に展開します。
この時、コンテナ部中央にロボットモードの頭部&胸部が確認出来ます。それと同時に、
前輪が左右に展開します。


コンテナを折りたたみ、前輪部がヒンジに沿って展開し、ジョイントが後輪中央に接続されます。
そして、運転席が基部から90度持ち上がります。


あとは運転席を基部ごと90度回転させて下半身に変形(トレーラーのボンネットが足の裏に
なっているのがお分かりでしょうか?)、左右に分かれた前輪部を変形させ両腕に、上半身
を定位置へと移動させて最後にひっくり返し変形完了です。無念三兄弟の中では、最も意表
をつく凝った変形をします。ですがその反面、オートモーフはありません。


ペイロード:どけどけぇッ!遊んでる暇なんかねぇんだよッッッ!!!オレがマシンだマシンはオレだぁぁぁぁぁッッッ!!!

総評としては…こいつはそのデザインで惚れこみ購入したので多少の色はついてしまうかもしれませんが、無念三兄弟
の中では一番のお気に入りです。プロポーション、変形、ギミック、全てにおいて三兄弟の中では抜きん出ています。
でも、やっぱりレバーのスプリングが…なぁ。


スィンドル:なんで俺たちは売り場の牢名主なんだぁぁぁぁぁ…。
ドレッドウイング:全くだ…出来が悪いのは兄貴だけだってのに…。
ペイロード:俺なんか変形も可動もプロポーションもいいのによぉ…。
三兄弟:…無念…!

以上、無念三兄弟でした。デザインの特異さや地味さ、そして映画本編には影も形も出てこないという理由から
売り場でも敬遠されがち(特にスィンドル)ですが、機会があったら手にとって頂きたいところです。確かにデザイン
にクセはありますが、彼らはその不名誉なニックネームとは違い、購入しても決して“無念”と思うTFでは無い
のですから。まぁ、スィンドルは若干辛いですけど。


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2 コメント

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ドッレドって…… (mech king)
2011-03-21 11:10:48
ドッレドウイングって、ロシアの戦闘機Mig-29ファルクラムじゃないの?
てっきりそう思ってたんだけど。
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コメント有難うございます! (ALE)
2011-03-22 20:19:36
そして始めまして。
ドレッドウイングのモチーフ、言われた通りググってみた所…なるほど確かに似てますね。
っつーか八割がたそっくりそのまま。
しかし当時出版されたムック本各種には全て“戦闘機”と言う表記で、Mig-29ファルクラム
という具体的な名称表記は一切無いんですよね。

ここまで似ているなら、Mig-29がドレッドウイングの原型である事は疑う余地はありませんが、おそらく
スタースクリームのモチーフとなったF-22ラプターがメーカーライセンスを取得しているのに対し、Mig-29
はそれを取っていない(ロシア製ですから)、だから多少デザインに他の現行機のモチーフを混ぜた…とこんな所じゃないでしょうか?
まぁ、スタースクリームだって“あんな四角いラプターがあるか!”と言いたくなりますけど。

それとこれは個人的なコメントですが、ここ最近は色々あってこういう話が出来なかった、
それが貴方のコメントのお陰で出来た事に感謝いたします。
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