チラシの裏側

たった１枚のチラシでも

　ろばやのチラシ置き場は、お金に関すること以外はできるだけ自由に使って欲しいとは思っています。

　数年前のある日、若い女性が、東八道路近くの広場でフリーマーケット開催のチラシを持ってきました。手作り感のないきれいで、テカテカのチラシ。オッと思ってよく見ると参加料は無料。「うむ」と思う。

　テカテカのチラシはお金がかかる。主催には経費もかかるはず。そこで「どうして参加料は無料なの」と少しほほえみながら聞く。この若い女性はモジモジしながらも、「東京電力からお金がでている」と。あんたは正直者。

　ボクはこの若い女性に何の恨みもありません。しかし、かわいそうと思いつつチラシ置きも断りました。それと、口うるさく、東京電力の問題点を易しく伝えて。

　ろばやのようなちっぽけなお店に（力不足）、チラシ１枚置こうが置くまいが、何の影響もないでしょう。でも、原発の怖さを少しでも知っている者なら、広報宣伝に電気料金を使い、原発の安全性や経済性などのウソを言われ続けるのは、苦痛です。少なからずの人がこの何十年もこの苦痛を味わってきたのです。こんなところにまでお金を出していたのには、感心です。

　この女性は何を言われているのか分からなかったかもしれませんし、よかれと思ってチラシ置きに来たのかもしれません。もう２度とろばやにくるものかと思ったかもしれません。でも、事故以前から、原発があるせいで、ビクビク暮らしている人がいたのです。

　あれから数年、そのことを思い出し、3,11で気がついてくれて欲しいと思いました。望むなら、ろばやに来て沢山の買い物をして欲しいものです。（トモ）