8月19日午後,福島県沖を震源とする震度5弱の地震があった。同規模の地震は通常は1年に3回前後だが,マグニチュード(M)9.0の東日本大震災後は59回となり,7月以降だけで8回発生している。
この原因を,名古屋大学の田所敬一准教授は「地殻の力の状態が一変し,大きな地震が誘発されやすくなっている」と指摘する。こうした状態が元に戻るには10年以上かかるという。そして,「今後数年間,M7級の大地震が日本中どこでいつ起きてもおかしくない」と語っている。
筑波大学の八木勇治准教授は,青森県から岩手県北部の沖合や,房総半島沖にひずみがたまり続けている。「両地域では長期間地震が起きておらず,新たな震源になる可能性がある」と指摘する。
また,西日本では,南海地震の発生前後で内陸直下型地震が増えるとされる。同地震が30年以内に発生する確率は60%程度で「陸側プレートのひずみが蓄積し,活動期に入った」とする見方も強まってきた。
今回の大震災との類似性が指摘されている869年の貞観地震の後,東北や関東で大きな直下型地震が発生した。18年後の887年に東海,東南海,南海地震が連動したとみられる巨大地震が起きた。
⇒⇒関連ブログ:「千年に一度の巨大地震の世紀」- 首都圏直下型や3連動型の可能性も(産総研研究員の見解) http://blog.goo.ne.jp/rk_kobayashi/e/83f693b16500d926ae436d53e0ab7fc9
- ◆産総研の緊急調査情報
- 地震断層面の三次元表現の試み(井戸沢断層) (6月9日更新)
- 2011年4月11日福島県浜通りの地震(M7.0)に伴う温泉の変化 (6月8日更新)
- 福島県浜通りの地震に伴う地表地震断層調査(井戸沢断層) (6月1日更新)
- 福島県浜通りの地震に伴う地表地震断層調査(湯ノ岳断層) (5月13日更新)
- 茨城・千葉県内の津波遡上高と堆積物の調査 (4月26日更新)
- 土浦市およびつくば市における地震被害緊急調査 (4月22日更新)
- 茨城県東部の地震動被害概況調査 (4月18日更新)
- 沿岸部の津波調査
- ◇過去の巨大津波の研究