鹿児島県は,南北600キロメートルに及ぶ温暖で広大な県土の中に,世界自然遺産に登録されている屋久島や奄美群島をはじめ特色ある島々,桜島等の火山,豊富な温泉,緑あふれる森林などの多彩で豊かな自然に恵まれた県です。歴史にはぐくまれてきた個性豊かな祭礼行事,民俗芸能,民芸など,歴史・風土・人によってに育まれ伝統文化がいまに続いています。
9月下旬から10月上旬における鹿児島の歴史・風土・人を象徴する催しとしては,9月22日夜,薩摩川内市で開かれる長さ365メートルの大綱を引き合う「川内第大綱引」,10月5日,三人に一人が高齢者という人口2万3000人の小さな田舎町で開催の,母校の小学校の運動会に50歳になった卒業生が参加する阿久根市恒例の行事,「華の50歳組運動会」があげられます。
9月22日 川内大綱引 <日本一の大きさ・重さのジャンボ綱を引き合う川内大綱引>
川内大綱引は400年以上の歴史を持つ薩摩川内市の伝統行事です。別名「けんか綱」とも呼ばれる,五穀豊穣と商売繁盛を願う祭りで,県の指定無形民俗文化財です。長さ365メートル,太さ35センチメートル,重さ4トンの大綱を約3000人のサラシを巻いた若者が引きあいます。引き手を妨害する押し隊の迫力は満点で,「ケンカ綱」と言われる由縁です。
発祥は慶長年間(1596~1614年)で,関ケ原の戦い(1600年)を前にした兵を鼓舞するため島津義弘公が始めたとされます。相手の引き手を体当たりで妨害する「押し隊」が参戦するのが特徴です。 長さ365m,直径35cm,重さ5tの大綱を約3000人の若者が引き合い,「押し隊」と呼ばれる攻撃隊が相手陣営に攻め込む様は壮絶です。
川内大綱引は,毎年9月22日夜8時から川内川を挟んで南側の「向田地区」で2回,北側の「大小路地区」で1回という3年サイクルで会場を移して開催されています。2013年の開催は「向田地区」で,およそ6万人の人出がみこまれています。
10月4日(土)~5日(日) 華の50歳組
※ 出所:阿久根市ホームページ
鹿児島・阿久根 「華の50歳組」運動会
source:NHKテレビニュース
昭和26年に阿久根小学校で始まった『華の50歳組』は,いまでは市内全小学校で取り組まれ,市をあげての一大イベントとして阿久根の秋の風物詩になっています。今後,他に類を見ない阿久根市の固有の伝統行事として受け継がれ,さらなる発展が期待されます。
今年も,全国各地から満50歳になる市内小学校の卒業生が阿久根に帰省され,それぞれの小学校の運動会に参加されます。
主なスケジュールは次のとおりです。
・市主催の歓迎レセプション: 平成26年10月4日(土) 午後5時15分から開会
・運動会「華の50歳組」競技: 平成26年10月5日(日)
昨年(2013年)は,10月6日,市内8小学校で秋の大運動会が開催され,昭和51年3月に卒業の「華の50歳組」の方々377名が母校の運動会に参加しました。
「華の50歳組」の皆さんは,在校生や大勢の観客の歓声に包まれる中,38年ぶりのなつかしい母校のグラウンドを駆けまわっていました。
◆『華の50歳組』の歴史-その始まりから今日まで
50歳組が始まった昭和20年代の中頃は,ようやく終戦の混乱も納まり,人々は精神的には落ち着きを取り戻しつつありました。その一方で,物質面では衣食住は欠乏し,特に食糧事情は深刻を極めていました。
そんな時勢にあって,古橋・橋爪の両選手が水泳の世界記録を次々に書き換え,国民に明るい希望を与え,日本復興に向けての兆しがようやく見えてきた時期でもありました。
当時の阿久根は,イワシの豊漁景気に沸き,経済的にも活気を呈していました。また,昭和27年には,鹿児島県内6番目の市制を施行と,隆盛の一途にありました。
・昭和26年 阿久根小学校で華の50歳組誕生!!(第5回運動会)
・昭和28年 大川小学校で始まる ※昭和32年からという説もあります
・昭和35年 西目小学校で始まる
・昭和50年代 山下小学校で始まる
・ 〃 尾崎小学校で始まる
・〃 鶴川内小学校で始まる
・昭和60年 折多小学校で始まる
・ 〃 脇本小学校で始まる
・平成6年 田代小学校で始まる
〃 隼人小学校で始まる
『華の50歳組』の誕生エピソード
◆誕生のいきさつ
昭和26年に阿久根小学校の体育主任であった岩切亀彦氏(故人)によると,当時50歳であった数名の間で血気盛んであった青年時代の競争話がもちあがり,それに同調する人々がお互いの挑戦論をエスカレートさせ,さらに数名が加わり「今,競争して決着をつけよう」という話になり,当時の阿久根小の竹下利男校長(故人)に秋季運動会で50歳の競争種目を入れてくれるよう相談に行ったのがきっかけと言われています。
また,一説によると,この年に天皇陛下が50歳を迎えられたので,これを機会に同じ年の50歳の人達が率先して何かスポーツでもやってみようということになり,竹下校長に相談して事が運ばれたとも言われています。
呼び方についても,なぜ「華の50歳組」となったかは定かではありませんが,平成2年までは「花」の字であったものを阿久根小学校29年卒の方々の50歳組のときに『人生の折り返しとなるこれからを華やかに生きよう』ということで「華」に変更されています。
◆目的の発展
当初,50歳組の目的は,中年層の体力保持,健康増進であったと思われますが,現在は,50歳という節目の歳に,母校の運動会へ参加するのを機会に同級生が一堂に会し,お互いの無事を喜び, 亡師・亡友の慰霊を行うとともに,童心にかえって競技に参加して旧交を温め,連帯感を深める同窓会として阿久根市特有の慣習になっています。
◆商標登録が認可されました
市では,このように全国的にも珍しい心温まる伝統を市の財産と位置づけ,後世まで守り・育んでいく為に,平成17年2月に特許庁に対して,『華の50歳組』の商標登録を出願しました。平成18年3月に認可されました。今後も他に類を見ない阿久根市の固有の伝統行事として受け継がれ,さらなる発展が期待されます。
参考資料・出典:阿久根市ホームページ http://www.city.akune.kagoshima.jp/osirase/50.html#8
*****再掲載-◇阿久根で華の50歳組運動会***
http://blog.goo.ne.jp/rk_kobayashi/e/5649809f2b0687f7ebb180d186cabc32
NHKのにっぽん紀行の『50歳の運動会』 ジンときたなあ~。駅のホームで,男同士がほおずりしての別れのシーン。思わずもらい泣き・・・。友情が,人の真心が伝わり,心が洗われるものがあった。
私も,来月,信州・小諸で高校の同級会がある。ながく無沙汰していたが今回は出よう。きのう,出席のハガキを出した。
◆再放送-2011年11月3日(木) 総合 午前5時15分~5時40分
にっぽん紀行・選「50歳の運動会~鹿児島 阿久根~」
10 月、50歳の同級生が故郷で一堂に会し、母校の小学校の運動会でリレーを走る。“華の50歳組”、鹿児島県阿久根市に伝わる伝統行事だ。「50歳組の日だ けは、すべてを忘れて少年時代に戻れる」と,佐潟利昭さんは旧友との再会を心待ちにする。阿久根でトラック運転手をしている佐潟さんの50歳の人生も、離婚・男手 一つの子育てと決して平たんではなかった。いつしか童心に帰り、心新たに第二の人生を迎える50歳の姿を見つめる。
同級生からバトンを受け取り、懸命に駆け出す華の50歳組参加者=2日、阿久根市の阿久根小学校
50歳の節目を迎えた卒業生が母校の運動会に参加する阿久根市恒例の「華の50歳組」が2日、市内各小学校であった。市によると、全国各地からの帰省を含め全9校で約400人が参加。38年ぶりの母校で旧交を温め、童心に帰って駆け回った。
運動会まであと1か月。出欠の確認を行っていた利昭さんには、再会を心待ちにしている幼なじみが2人いた。高校卒業以来一度も会っていないその他一般人と、埼玉県で洋服を仕立てる仕事をしているその他一般人。政浩さんからは欠席の返事が届いていた。
▼にっぽん紀行「50歳の運動会~鹿児島 阿久根~」
鹿児島県阿久根市。50歳になる同級生が全国から集まり小学校の運動会に参加する。苦しい生活が続くトラック運転手が期待したのは当時の“がき大将”との再会だった。
◆ 西目小学校
学 年 1年 2年 3年 4年 5年 6年 合計
児童数 6人 9 3 7 11 5 41人