茶道と仕事力~千利休とスティーブ・ジョブズに魅せられて

茶の湯の心と茶道の基本、出会った言葉やその日の出来事から、気付いた事をつづります

お茶のいただき方

2010-02-14 23:21:40 | お茶のはなし
茶道って、お茶を飲むだけのときでも何回も挨拶して茶碗をぐるぐる回して、
どうして面倒なルールがあるの?

そんな質問にお答えしました。

 千利休も「茶は渇を医するに止まる」と言っているように、お茶とはただ渇き
をとり除くためのもの飲料です。ただ、“この渇きをとり除く”ために、現代語で
言えば、癒しや禅の心理効果などのある種のパワーも含んだ形でもてなされるの
が茶の湯かもしれません。お客様はそれを礼を持って受けることになります。

ということで、お茶のいただき方の復習です。

 正客はにじり出て茶碗をとりに行き自席にもどったら、しっかり自分の席に着い
たところで、茶碗を縁内の次客との間に右手で置いて「お先に」と両手(指先)
を膝前の畳に着けて挨拶をして下さい(これは次の人に対する配慮の挨拶)。
 次客が会釈を返したのを確認してから、右手で縁内膝前に茶碗を置き両手を畳に
着けて、亭主に向かって「お手前頂戴いたします」と挨拶をして下さい(これは亭
主に対する挨拶)。
 右手で茶碗を持ち上げ、左手の掌に乗せ、右手を茶碗に添え直してから、おしい
ただくくようにお茶に一礼をして下さい(これは、“いただきます”の挨拶)。
 右手で茶碗を時計回りに軽く(45度前後を)2回動かし、茶碗の正面を左に外して
下さい(亭主のお茶碗の正面をよけることで、亭主に対して謙って敬意を表するた
め)(時計回りは、右利きの人がやりやすい方向のため。水道の蛇口も同じ時計回り)。
 お茶は良く味わって全部飲みきります。最後の一口は音をたててすい切ります。
茶碗を左手に乗せたまま、自分の口をつけた部分を右手の親指と人差し指で挟む様に
して飲み跡を軽く拭いて下さい(エチケット)。拭いた指は懐紙などで拭って下さい。
 右手で茶碗を反時計回りに2回まわして正面を元に戻します(お茶碗を正面から
拝見するため。右利きだとやりにくいから3回になってもよい)。
 そして縁外に茶碗を置き茶碗を拝見します。

お茶をいただくだけで3回の挨拶と2回のお茶碗を回す場面がありあました。
このように礼を尽くして挨拶をしています。昔は当たり前のことだったのかもしれませんね。

職場での挨拶は、心をこめてやり取りされてますか?