茶道と仕事力~千利休とスティーブ・ジョブズに魅せられて

茶の湯の心と茶道の基本、出会った言葉やその日の出来事から、気付いた事をつづります

お菓子のいただき方

2010-04-06 20:36:45 | お茶のはなし
▼今回の話題:お菓子のいただき方
和菓子は、目で楽しみ、味覚を楽しみ、季節を感じる趣のあるものです。
今回は、お菓子の話です。

もう十分経験済みと思いますが、茶道の場合お菓子は先に食べちゃうのがあたり
まえです。全くの初心者の人には、最初に教えてあげてください。

さて、お茶で出されるお菓子には、干菓子と主菓子とがあります。
干菓子は薄茶のときのみ出されるものです。

★干菓子の取り方
 亭主の点前がすすみ、茶杓を右手に持って、正客に「お菓子をどうぞ」とすすめる
と、正客は次客に「お先に」と一礼します。そして、いただきますの感謝の気持ちを
込めて、干菓子器を軽くおしいただいきます(頭を少しだけさげながら両手で10cm
程度持ち上げます)。
 それから懐紙を取り出し、わを点前にして膝前に置き、左手を干菓子器に軽く添える
ようにして、2種の菓子が器に乗っていたら向こうから(自分から遠い方から)懐紙の
上に右手で取ります。次に手前の干菓子を取ります。
自分の分を取り終わったら、干菓子器を隣の人に畳の縁外に送ります。(その時、
畳の上を引きずらないように。また、軽いからといって持ち上げ過ぎないように)

水屋で干菓子を準備する時は、1種のみまたは2種、数種を用いますが、客数より数
多く盛り込みます。これは、「もう一服いかがですか」というやりとりがあることから
わかるように、二服のまれるお客さんがいる場合を想定してです。

★主菓子の取り方
 干菓子の時より早めに取り回しをしてよく、正客は次客に「お先に」と挨拶をして、
器をおしいただいてから菓子を懐紙にとるのは干菓子の時と同じです。
箸は、右手で上から取り、左手であしらって、右手に持ちかえて使います。
左手は器に軽く添えるようにします。主菓子は、重く取りにくいことがあるので、
落とさないように、菓子自体に左手で添えてもいいです。
使った箸は自分の懐紙の端っこで拭きます。
箸を器に戻す時も、左手であしらって右手で上から置きます。

水屋の準備として、箸は水で濡らしておくこと。主菓子は1種類のみ。器に乗せる数は奇数。
これらを注意ください。

 濃茶の場合、縁高(ふちだか)という黒塗りの重箱みたいな入れ物に主菓子が入っている
ことがあります。これは上記の菓子器の扱いとは違いややこしいのですがびっくりしない
でください。
 下の段のお菓子から順番にいただく。くろもじの長い菓子用楊枝1本は自分専用で
それを主菓子に刺して懐紙に取る。などの作法がありますが、実際に扱う時にお稽古しましょう。

★お菓子の食べ方
 干菓子は手で食べます。大きな落雁などは、手で割って口に入れます。
主菓子は持参した楊枝でいただきます。お饅頭のようなものなら、手でちぎっていただい
てもいいです。

★基本的な考え方
お菓子も亭主が、まごころ込めて準備したものであり、器もそれに併せて用意し
盛りつけたもの。それらに対する感謝する気持ちで頂戴します。お菓子にまったく手を
つけないというのは失礼です。

 盛られたお菓子を何処から取るかという点ですが、2種以上盛られた干菓子を遠いほう
から取る以外は、別に手前からとか奥の物からというルールはないようです。
 盛られたお菓子の風景を壊さぬように、亭主の思いを末席の人にも伝えられるように、
という気持ちでお菓子をとるということだそうです(実際、崩さないというのは無茶な
話ですが)。なので、常識的には手前からとることになります。