桜の木

日常のあれこれ
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感動の世界

2019年08月26日 | 感想
昨夜 2019年5月国立能楽堂での
狂言による深沢七郎原作の「楢山節考」の舞台をEテレで放送していた。

恥ずかしながら狂言の知識は皆無な私は
笑劇とそのイメージしかなかった。
「附子」くらいなもので…
悲劇である「楢山節考」をどのように演じられるのか

野村万作の「おりん婆さん」
台詞は一言もない中、面を被っていても表情が見えるようで
歩く姿勢から細かな仕草まで、老婆そのもの。
終末近い頃の母の動きに、あまりにも類似しており、泣けて泣けて…

野村萬斎の「烏」
深田博治の孝行息子「辰やん」
そして子供たちによる「わらべ歌」であろうか…

狂言の幅広さ素晴らしさ
昭和の小説を狂言の世界で、そしてその動きでここまでも息子辰やんの母を想う気持ちと悲しみに
おりん婆さんの村の掟と
これから生まれてくる子供の為
食い扶持を減らす為の自己犠牲と覚悟に優しさ
本当の本当に素晴らしかった。
この想いを語彙力の乏しい自分が不甲斐ない。

何の知識もない私が感想なんて書く事も烏滸がましいが、今思い感じたその感動を拙いながらも忘れないよう、ここに残したく思った。


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