曲と、自分の体験してきたことと、どうしても結びつけてしまう場合がある。もしもそれが良い演奏につながるのなら、それはそれでいいのかもしれない。でも、作曲の意図とは違うものになってる可能性がある。
今日、聞かれたんです。演奏中、何を考えてましたか?って。
誰にも知られたくない想いだったので、「夕食に何を食べようかなあ~?」って言ってごまかしたのだけど・・・
演奏しながら夕食のことを考えていたわけではありません(笑)
話すと長くなるし、暗い話だし。
ある曲を演奏する時、思い出す人がいるんです。
才能のある作曲家だったのに、若くして亡くなってしまった人。恋に落ちて、将来は一緒にって信じていた人。
戻ってくることはないのはわかっているのだけど。亡くなってから、もう25年以上経ちます。
そんな思いを込めて演奏する曲。遠い思い出。でも、曲が終わったら、また現実に戻ってしまう。
この曲は、ずっと演奏していくんだろうなあ~。
そして気が付いたこと。動画に撮ったりしても、上手く演奏できない。やっぱり、目の前に聴いてくれる人がいないと、オーディエンスがいないと、上手く演奏できない。オーディエンスに語りかける曲だから。家で録音すると、思うように演奏できない。
プロの演奏家は、きっと、どんな状況でも演奏できるんだろうけど。
だから、勉強しなくちゃ。
リコーダーの手入れをしたので、音が良くなりました。
3年前に買ったリコーダーのコルクが剥がれて来たので、剥がして糸を巻かなくちゃ。新しいリコーダーだったので、ちょっとびっくりしました。中古で買った古いリコーダーのコルクの方が、長持ちしてる。古いリコーダーの方が、良い音も出るし・・・
リコーダーには、職人さんの思いがこもっているのかなあ。
色んなことを考えると、誰かの心の響く1音を出すということは、奇跡に近いことなのかもしれない。
ところで、本当に、今夜の夕食は、何にしよう(笑)