吉田クリニック 院長のドタバタ日記

日頃の診療にまつわることや、お知らせ、そして世の中の出来事について思うところ書いています。診療日には毎日更新しています。

「お餅を詰まらせたら掃除機」実は危険!その理由は…? その4

2019年01月29日 05時46分53秒 | 日記
 つまり餅による窒息を見かけた時点で掃除機の到着を待っているようでは確実に傷病者はアウトである。「衛生的問題」「二次損傷の恐れ」とかの理由は理由にならない。
 だって衛生面で汚くたって掃除機で救命されるのであるとしたそっちのほうがいいでしょ?それ以前の時間的緊急性の観点なんです。
 したがって掃除機など「ものがないと除去できない」ではなく、ものがないところでもおこなえる手技でなくてはならない(その詳細には触れないが)。
 結局この「掃除機」というアイデアは「準備するという時間の長さ」で完全にアウトなのである。

 しかしながらこの掃除機のアイデアは昔からあるが、いまだに根強く民間で言われ続くているのが謎である。
 掃除機で助かったという事例があったら、それは掃除機などなくても助かるような状態である。つまり窒息じゃなくて、口の中にへばりついた餅を吸引して取っただけの話である。それを窒息の場合、掃除機が有効であるとみんなが勘違いしているのである。これはきちんと否定しなければならない。