第35回 シネマパーティー アコースティックライブの夜

その日は、まるで、アメリカ南部の片田舎で行われた
ログハウスでのライブハウスのようだった・・・・

参加者は、どこまでもつづく、砂利道を
用意された４ＷＤ　の豪華クルージングデリバンに揺られながら、
車窓から　暮れ行く夕日を眺めていた。
赤く燃えた夕日は、荒れ果てた荒野を真っ赤に染め
その岩肌は、鳥肌が立つほど美しかった。

どれくらいの時間がたったのだろう・・・・。
空は燃えるような赤から、いつしか　深い濃青に変わっていた。
そろそろ会場にたどり着こうかという時間ではないか？
気がつくと、空一面に、降り落ちてきそうな　瞬く星々が、
今夜の素敵なショーの予感を感じさせた。

やがて、暗闇の中から　ウッディな看板が目に飛び込んできた

「Tonight Live
　Rickey's Acoustic Live」

下からスポットライトで照らされた、その看板に目を奪われていると
車はさらに進み、その正面には　小さなログハウスが現れた。

間接照明に照らされたそのログハウスは、築50年はたっているのではないか？
と、感じられたが手入れが行き届いているので
それがまた味わいを出していた。

長時間揺られた疲れをものともとせず、乗客は
笑顔でクルージングバンのステップを軽やかに降りた。

そして、重そうな木の扉をあけると
中から、カントリーミュージックが心地よく流れ、香ばしい淹れたてのコーヒーの香りが漂ってきた・・・。


素敵なショーの始まりに、だれもが胸をときめかせていた・・・・。

さあ、今宵限り。オンリーワン。
素敵なアコースティックライブの始まりだ・・・・・

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