昨年秋口の文章です。これの項目は私の中で、特に古い考えを含み、現在の考えのコアとは言えない部分が多々含まれています。現実の即して、どうアプローチをとるべきか、再度思考を深める必要があります。
第4回目の今回は、教育に焦点を当てます。歯科医療では、非の打ち所のない高額治療症例のデータや写真が歯科医療の本質であるかのように扱かわれ、B to Bのセミナービジネスが行われています。歯科医学のボーダーを拡げる、あるいは知識を体系化した専門書などを普及させる意味合いでその存在価値は確かにあります。また、それらを学ぶ事は、プロフェッショナルとしての成長につながるように感じ、自己の重要感を満たしてくれる分かりやすい道として映ります。その一方で、実際にそういった治療を提供する機会は少なく、それが患者にとっての実質的価値を生むものなのか、それとも単なる自己満足なのか、モチベーションの高い若い歯科医師ほどジレンマに陥ります。単純な論理だけで否定出来ないプロフェッショナリズムがそこにはあるため、歯科医師は、如何にバランスを取るかが大切な職業だと言えます。
個人的には、新人歯科医師は、寝食を惜しんで勉強/技術研鑽をするべきだと考えています。その過程で、自己満足の領域に入り込むことは当然で、モチベーションが高ければ誰もが一度は通る道です。大切なのは、ガイドとなるベテラン歯科医師が同じバランスの失い方をするのではなく、歯科医療を通じて社会に提供するべき価値について若い歯科医師に語りかけ、彼等のジレンマに正面から向き合う存在である事です。また、バランスについて考えられる高い視座を身につけてもらう為に、学部教育において最低限のマネジメント科目を導入し、プロフェッショナル視点とマネジメント視点の両方を教育するべきです。医療におけるマネジメントとは、“如何に患者に医療を通じて提供できる価値を高められるか”を現実に即して考え、実行していく力です。
次に歯科医師の実践力教育に焦点を当てます。日本の歯科医師の約85%は診療所勤務です。従って、歯科医療のスタンダードは診療所において提供されている歯科医療と言えます。従って、歯学部においては、診療所で通用する実践力のある人材の育成を目指すべきです。しかしながら、歯学部における学部教育のみで十分な実践力を身につける事は難しく、その習得は、卒後に現場にて行われているのが実情ではないでしょうか。とは言え、卒後教育に置いても、歯科医師として必要な治療技術や治療計画策定の基礎能力を習得できる環境が十分に整備されているとは言えず、日本の歯科医療は、実践力のある歯科医師の輩出機能を組織的に持っていないと言える可能性があります。歯科大学のリストラクチャリングが必要ですが、その必要性は認識されながらも、多くの既得権益/利害関係の上に成り立っているため、抜本的な改革は見送られているようにも見受けられます。近年の歯科医師国家試験の合格率等を見るに、今の歯科界は現世代の現状維持のために、次世代を犠牲にしているように見えます。
私は現在、教育という課題に対する戦略をビジネスサイドから模索しています。その第1歩として、歯科医療従事者のみを対象としたIT Platformを通じて、ベテラン歯科医師の知識/技術/経験知などが、次世代に継承されるフローを作り上げようとしています。サービスの一例ですが、複雑な症例における治療計画策定のガイドラインが存在しない歯科医療においては、同じ症例でも歯科医師毎に治療の結果として作られる口腔に大きな違いが生じます。論理的判断と経験的判断の両方が重要となる歯科医療においては、法律や経営学等と同様に、若い歯科医師がベテラン歯科医師の治療計画策定の思考回路をトレースできるケーススタディーから得られる学びは少なくありません。そこに注目した症例データベースを作り上げようとしています。
医療のあるべき姿を考え、歯科医療従事者同士/既存の枠組みを越えて医療関連業種を結びつける架け橋となるIT Platformを作り上げて行くことが私の目標です。その為には、これまで具体策が見つからなかった歯科助手への教育、来るべき予防へのシフトに備えて歯科衛生士資格保持者の再活性にも取り組んで行きます。中期的には、そのIT Platformを介した医科歯科連携や、歯科医療の予防へのシフトを進めて行きます。歯科単体では不可能なことでも、ヘルスケアの一翼を担う歯科と位置づけることで、実行可能性のあるビジネスモデルを作れる可能性は大いにあります。私のビジネスのミッションは、“医療の質を高め、人々の健康を高め、歯科医療の社会的価値を高める。”です。
第4回目の今回は、教育に焦点を当てます。歯科医療では、非の打ち所のない高額治療症例のデータや写真が歯科医療の本質であるかのように扱かわれ、B to Bのセミナービジネスが行われています。歯科医学のボーダーを拡げる、あるいは知識を体系化した専門書などを普及させる意味合いでその存在価値は確かにあります。また、それらを学ぶ事は、プロフェッショナルとしての成長につながるように感じ、自己の重要感を満たしてくれる分かりやすい道として映ります。その一方で、実際にそういった治療を提供する機会は少なく、それが患者にとっての実質的価値を生むものなのか、それとも単なる自己満足なのか、モチベーションの高い若い歯科医師ほどジレンマに陥ります。単純な論理だけで否定出来ないプロフェッショナリズムがそこにはあるため、歯科医師は、如何にバランスを取るかが大切な職業だと言えます。
個人的には、新人歯科医師は、寝食を惜しんで勉強/技術研鑽をするべきだと考えています。その過程で、自己満足の領域に入り込むことは当然で、モチベーションが高ければ誰もが一度は通る道です。大切なのは、ガイドとなるベテラン歯科医師が同じバランスの失い方をするのではなく、歯科医療を通じて社会に提供するべき価値について若い歯科医師に語りかけ、彼等のジレンマに正面から向き合う存在である事です。また、バランスについて考えられる高い視座を身につけてもらう為に、学部教育において最低限のマネジメント科目を導入し、プロフェッショナル視点とマネジメント視点の両方を教育するべきです。医療におけるマネジメントとは、“如何に患者に医療を通じて提供できる価値を高められるか”を現実に即して考え、実行していく力です。
次に歯科医師の実践力教育に焦点を当てます。日本の歯科医師の約85%は診療所勤務です。従って、歯科医療のスタンダードは診療所において提供されている歯科医療と言えます。従って、歯学部においては、診療所で通用する実践力のある人材の育成を目指すべきです。しかしながら、歯学部における学部教育のみで十分な実践力を身につける事は難しく、その習得は、卒後に現場にて行われているのが実情ではないでしょうか。とは言え、卒後教育に置いても、歯科医師として必要な治療技術や治療計画策定の基礎能力を習得できる環境が十分に整備されているとは言えず、日本の歯科医療は、実践力のある歯科医師の輩出機能を組織的に持っていないと言える可能性があります。歯科大学のリストラクチャリングが必要ですが、その必要性は認識されながらも、多くの既得権益/利害関係の上に成り立っているため、抜本的な改革は見送られているようにも見受けられます。近年の歯科医師国家試験の合格率等を見るに、今の歯科界は現世代の現状維持のために、次世代を犠牲にしているように見えます。
私は現在、教育という課題に対する戦略をビジネスサイドから模索しています。その第1歩として、歯科医療従事者のみを対象としたIT Platformを通じて、ベテラン歯科医師の知識/技術/経験知などが、次世代に継承されるフローを作り上げようとしています。サービスの一例ですが、複雑な症例における治療計画策定のガイドラインが存在しない歯科医療においては、同じ症例でも歯科医師毎に治療の結果として作られる口腔に大きな違いが生じます。論理的判断と経験的判断の両方が重要となる歯科医療においては、法律や経営学等と同様に、若い歯科医師がベテラン歯科医師の治療計画策定の思考回路をトレースできるケーススタディーから得られる学びは少なくありません。そこに注目した症例データベースを作り上げようとしています。
医療のあるべき姿を考え、歯科医療従事者同士/既存の枠組みを越えて医療関連業種を結びつける架け橋となるIT Platformを作り上げて行くことが私の目標です。その為には、これまで具体策が見つからなかった歯科助手への教育、来るべき予防へのシフトに備えて歯科衛生士資格保持者の再活性にも取り組んで行きます。中期的には、そのIT Platformを介した医科歯科連携や、歯科医療の予防へのシフトを進めて行きます。歯科単体では不可能なことでも、ヘルスケアの一翼を担う歯科と位置づけることで、実行可能性のあるビジネスモデルを作れる可能性は大いにあります。私のビジネスのミッションは、“医療の質を高め、人々の健康を高め、歯科医療の社会的価値を高める。”です。