今学期履修する授業は2つだけです。
一つは、”Business Analysis with Spreadsheet ”という、マネジメントにおける意思決定モデルと、判断の根拠となるエクセルを活用した分析について講義です。もう一つは、”Law for Managers and Entrepreneur"という、マネジメントの観点から法律を学び、マネージャーや起業家が陥りやすい落とし穴を避ける術を学ぶという講義です。
これに加えて、AMRというコンサルティングプロジェクトにて、ベトナムのとある会社の戦略立案などを5ヶ月かけて行って行きます。当初は、
BCOという起業指向のプロジェクトで行く予定だったのですが、ビジネスプランの持つコントロールできない外的リスクが大きすぎることについて、ミケ達チームメンバーと話し合いを重ねた結果、直前にAMRに切り替えました。根本的な一貫性は維持しながら、1ヶ月単位で、考え方/過ごし方がめまぐるしく変わって行きます。
浴びるようにinputを得るために、単位にならない公聴まで含めると相当な数の授業に出ていた1年目を考えると、2年目は相当ゆったりしています・・・と言いたい所ですがしていません。
昨日も、夜中の3時半まで、WHITE CROSSのサービスのユーザーインタフェースの修正点の洗い出しを行い、朝の7時から東京とSkype会議をしていました。その後、Andersonに移動し図書館にて明日行われるWebデザイナーさん/Co-Founderとの会議の事前資料を作り上げていました。
ビジネススクールの起業系の授業において、起業して成功する可能性は3%と教えられます。妥当な数字だと思います。残念ながら、起業に強いトップスクールの一つであるUCLAに置いても、学生から出てくるビジネスアイディアの大半は脆弱です。社会のニーズを部分的についているサービス/プロダクトでは、複数個の障害が出た段階で行き詰まります。
Andersonの起業系の名物教授であるCockrum教授によると、「統計的には、成功している起業家の大半は30代後半以上で、ある産業における十分な経験から得られたinsightを基にビジネスを展開するから成功している。」とのことです。(公聴しようとしていたら、まさかの公聴禁止の授業だったために追い出され、受講している松村さんから又聞きした話ですが。笑)
これは、凄く腑に落ちる話です。無論、イーロンマスクの様なシリアルアントレプレナーも存在します。しかし、一般的に自分の知らない産業でヒットするサービス/プロダクトを生める可能性はゼロではないけれど、非常に難しいです。私自身、Andersonに入学してからの数ヶ月間にクリーンテック/米国市場でのお酒の流通/医療機器開発など、数多くのビジネスアイディアを考えてきてたのですが、如何に閃きだけをベースにしたビジネスアイディアが早い段階で限界にぶつかるかを経験してきました。また、ぽっと出のアイディアでは、モチベーションの維持が難しいというのもあります。
そして春学期に、私がAndersonで一番好きな教授であるマービン教授の講義において、シリアルアントレプレナーとして成功してきたGuest Speakerの言葉に、一つの答えを得ました。
「一つのビジネスを成功させ、次の起業を考える際に、何か閃いてターゲットする新しい産業を決めても、いきなり起業はしない。数ヶ月かけてその市場について観察的に学び、実際に潜り込んで働いて経験する時間を持つことにしている。そうすることで、理解に基づいたビジョンが生まれ、ビジネスアイディアが強固になる。但し、私は自分の強みであるテクノロジーを切り口に入り込める産業以外は閃いてもターゲットとしないことにしている。」
私は、WHITE CROSSは成功すると確信しています。その理由は、
① 私自身に起業する産業に対する深い理解/マネージャーとしての経験、明確なビジョンがあり、実現化の可能不可能は手順の問題であると分かっているから
② WHITE CROSSが提供するサービスは、現在の社会には存在しておらず、かつ社会が求めるものであるという主観的/客観的確信を得られているから
③ 私の強みは①であり、その実現化を加速してくれている創業メンバー/協力メンバーが、それぞれの分野で私より遥かに優秀な方々であるから
です。
WHITE CROSSは、社会を点としてではなく、面として変えられるビジネスです。また、以前にも記載した通り、私のMBA受験時のエッセイで書いたShort-time goalそのままです。昨年の夏に当ブログにて、
卒後具体的にやりたいことが”ある言えばあるけどないと言えばない”と記載した、"ある" は、WHITE CROSSのことでした。
ビジネススクールに来たことで、
・ ①の”実現化の可能不可能は手順の問題である” と分かるためのベースとなる知識/判断力/視野の広さを得ることができ、
・ ③の”私より遥かに優秀な方々”と、繋がっていける立ち位置に立て、
・ 幸福観/価値観/仕事観/人生観等を深く考え、自分自身について再認識する時間を経て、自分自身のモチベーションがWHITE CROSSに重なりました。
確かに言えることは、私がビジネススクールに来たからこそ、WHITE CROSSが生まれたと言うことです。こなければ、アイディアどまりでした。
「ビジネススクールに来たところで起業家にはなれない」ということをたまに聞きます。私は、「ビジネススクールに来たから起業家として成功した」という例になりたいな・・・と願っています。