Four Season Colors

現代詩とスポーツ、エンタメ、時事など雑文を掲載
【詩集3冊(各110円)をAmazon「Kindleストア」で販売中】

読書のよもやま(2024.04.08)

2024-04-08 | 雑文
「「最後の」お言葉ですが・・・」高島俊男
(ちくま文庫)

高島俊男の著書との出会いは、学生の時分に
題名に惹かれて手に取った、「三国志 きら
めく群像」である。

当時は主に某ゲーム関係を中心に、三国志が
流行っており、今と変わらず列伝・群像を好
む自分の目に止まった。

面白そうだなと、そのまま購入したあの日か
ら、高島俊男の著書は自分の人生の一部とな
ってしまった。

学問としては、中国文学を専攻の著者は、他
に水滸伝の作品もあるが、多くは日本語をテ
ーマにしたものである。

本書は、長く「週刊文春」で連載したエッセ
イ「お言葉ですが…」の、連載最終期の部分
が収録されている。

学生の頃は、「人」に付くのが基本であるか
ら、多分に漏れず人に付き、「お言葉ですが」
シリーズも出版を楽しみに購入した。

普段何気に使う、知ったつもりの日本語の面
白さを知ってしまったら最後、進路に影響を
与え、今では詩まで書いてしまっている。

1巻から変わらず「最後の」まで、知識を裏
付けとした辛口批評は続き、著者亡き今、内
容なぞどうでもよかった。

正直、本屋で新しい著書を見なくなって、離
れてしまったのは事実である。

が、それでも、こうして未読の著書に触れれ
ば、いかにこれまでの自己形成に影響を与え
ているかを実感する。

一方通行であるから、著者いわく、「わが私
淑の師」であるから、(比較的だけど)丁寧
に読み進めることになった。

突然、縁もない人が本書を手に取ることはほ
ぼないだろうから、まずは三国志や水滸伝、
漱石などについての著書に触れてほしい。

きっと、「お言葉ですが」を読みたくなるは
ずだから。


コメントを投稿