「(新版)昭和史戦前篇1926▼1945」
「(新版)昭和史戦後篇1945▼1989」
半藤一利(平凡社ライブラリー)
著者による講義、講談の形式で、日本の戦前
前後のできごとを追い解説する、各500ペ
ージ越えの読み応えある二部作。
日本は、いかにして太平洋戦争に突入し、い
かに戦後の復興の道を進んだかを、主要人物
の動きを中心にわかりやすく教えてくれる。
おそらく、同趣旨の本は、これまで本当に大
量に出版されているだろう。
そうした本を読んできたわけではないが、大
学教授的な、研究的な学術系が多いだろうな
か、本書の特徴は読みやすさにある。
十代のころが戦中にあたり、戦後の復興を出
版業界で生き、経験と細かな資料あたりで多
くの著書を残した半藤さん。
その著者が、戦前戦後を知らない大人に教え
る現代日本は、単語と単調な、大切だが読む
にはしんどい解説書などではない。
個性ある、その時を生きた人物を、エピソー
ドも交え、背景や場景が浮かぶように、聞き
手を意識して「語り部」として語る。
例え高校で日本史を習ったとしても、それだ
けの人は、日本の歴史を時系列に知っても、
本当の「なぜ」にまで及ぶことはない。
欧米の圧(プレッシャー)により戦争のトリ
ガーを引き、原子爆弾で全面降伏に至り、貰
った憲法と安保で経済復興を遂げた。
「(新版)昭和史戦後篇1945▼1989」
半藤一利(平凡社ライブラリー)
著者による講義、講談の形式で、日本の戦前
前後のできごとを追い解説する、各500ペ
ージ越えの読み応えある二部作。
日本は、いかにして太平洋戦争に突入し、い
かに戦後の復興の道を進んだかを、主要人物
の動きを中心にわかりやすく教えてくれる。
おそらく、同趣旨の本は、これまで本当に大
量に出版されているだろう。
そうした本を読んできたわけではないが、大
学教授的な、研究的な学術系が多いだろうな
か、本書の特徴は読みやすさにある。
十代のころが戦中にあたり、戦後の復興を出
版業界で生き、経験と細かな資料あたりで多
くの著書を残した半藤さん。
その著者が、戦前戦後を知らない大人に教え
る現代日本は、単語と単調な、大切だが読む
にはしんどい解説書などではない。
個性ある、その時を生きた人物を、エピソー
ドも交え、背景や場景が浮かぶように、聞き
手を意識して「語り部」として語る。
例え高校で日本史を習ったとしても、それだ
けの人は、日本の歴史を時系列に知っても、
本当の「なぜ」にまで及ぶことはない。
欧米の圧(プレッシャー)により戦争のトリ
ガーを引き、原子爆弾で全面降伏に至り、貰
った憲法と安保で経済復興を遂げた。
その事実は事実として、ではどうして、どの
ように、誰が決めて、私たち日本は、日本人
はこの100年を生きたか。
少し前、外国の人は自国のルーツと歴史を語
り、自分が何者かを語れない日本人は、国際
人としてよろしくないような流行があった。
確かに、もはや中年の自分でさえ、この2冊
を読み進めるほどに、属する国のことを知ら
なさすぎることを思い知らされる。
とはいえ、そんなことは分かっているけど、
学校では(丁寧には)教えてくれないし、忙
しいし、本来はこれ系の本は退屈だ。
しかし、これは教科書ではあるが教科書では
なく、間違いなく高校生、大学生は必読であ
るべき、それほどの教養書である。