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初九響の思い出(その2)

2021年08月26日 | 音楽

演奏についての感想ですが「モルダウ」でおなじみの第2楽章、素晴らしかったです。

モルダウの調べはフルートとクラリネットから始まるのですが、これが2つの源流を表しているらしく、清らかで流麗なメロディから、徐々に楽器が増えて音の厚さが増していき、力強い響きとなっていく感じ、まさに「小川」が「川」となり、そして「河」になっていくようでした。チェコの人達が、この川を誇りに思っている事が伝わってくるような気がしました。

途中で「急流」や「滝」など、激しいものに巻き込まれ、流れが途絶えそうになり… それでもなお続いていく「モルダウの調べ」は、川の美しさのみならず、民族の起源や(何度も国が消滅しそうになった)歴史、そして未来へと続いていく希望をも表しているように思えました。心を1つにしたような演奏にも説得力がありました。

 

それ以外の楽章については「綺麗なメロディだな」とか「迫力があるな」という位の感想しか書けず、やはり予習は大切だと実感。

そして、意外だったのは、ヴァイオリン数十名、その他弦楽器数十名に対し、トランペット3名、ホルン3名、フルート3名、オーボエ3名、クラリネット2名という編成になっており、木管楽器のメンバーが想像よりも少なかったこと…

しかし、フルオーケストラの部分で、オーボエの音がちゃんと聴こえてくるのです。もしかしたら、1人で何人分もの音量を出して頑張っておられるのかもしれません… オーボエって、こんなにパワフルな楽器だったかなと思いました。

そして、クラリネットのソロの方が、ぶっちぎりに上手かった。美しい旋律の中にも、むせび泣くような悲しみ、男性ならではのワイルド感があって、それが楽曲の雰囲気に合っていたと思います。

九響は現在、クラリネットの首席が不在で募集をされているのですが、神奈川フィルハーモニーの首席の方(齊藤雄介さん)が応援に来られていたとは知らず「この人でいいじゃーん」と思いながら聴いていました。

 

その日は五輪開会式の前日であり、日本オリンピック委員会は果たして翌日「我が祖国」をアピールできるのだろうか、それとも「五輪開会式」より素晴らしいものを目にしてしまったのだろうか… などと考えてしまいました。それくらい素晴らしい公演でした。

 

 

 


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