観音堂につづく正面石段の奥には
宿椎(すだじい)の大木が風雪を超えてそびえる。
横の道をのぼると、白木蓮の大木の下に
幽遠なお顔の観音像と、思わずほほえみかわす
無邪気な笑みを浮かべられた観音像が
ひっそりと立っておられる。
人間の命のみでなく全ての生命
動植物をも尊び慈しまれ
人間のみが己の欲心のため
他の命を犠牲にして省みない時代において
生命というものについて深く思惟されているような
貴いお姿をみる。
この石垣にむかし母と二人座り
遠くの青い山々や陽のあたる木々をながめた日がある。
その時の母を思い
今の母を思う。
幸あれかしと思いながら、かなしみが透き通る。
わが母を守りたまえ。
苦労ばかりしてきた母。
動物好きで無邪気な母。
観音堂の奥の小道をゆけば
延命水をひく水屋があり
生命を養う水音をひびかせている。
いつおとづれても
心癒やされる雨引の観音様は
なつかしい風光の中に人々を抱擁して
千四百年の時を越えてたたずまれている。
( 雨引山楽法寺小史・参照 )
自然が心を癒してくれます。
The Sound of Music: Climb Every Mountain EssentialDegnities
生きもの地球紀行 ED2 "この星に生まれて" (1996)