あんずの里の想いで REぷらす        2010年3月10日投稿分

2010-08-28 | Weblog

ー 少し季節はずれですが -

 早春の季節になると、昔、学生時代の数人で
卒業旅行に行った長野県の
あんずの里のことを思い出します。


あんずの里



 アルバイトでためたお金で、5人で行った
旅でした。


 山を下る道をまちがえ
川の流れにそって降りていったら
偶然にもめざしたあんずの里に出ました。


 花はまだ咲いていなくて、出会ったおばあちゃんが

「  おねーちゃんたち、かわいそうに。
  花はもう少し先なのよ。 」


 そう言って近所のおばあちゃんたちを呼び
筵をしき、それぞれがお茶や湯のみをもち


 あんずの小さい実の砂糖煮や
間引いたほうれん草のおひたしや、漬物で
御馳走してくださったっけ。


 「  熊に会わなくてよかったね。この間も
   うちの鳥小屋が襲われて食べられたのよ。
  
    気をつけて帰りなさいよ。
   花の咲くころまたおいで。 」


 やさしいおばあちゃんたちのもてなしに
花よりも感激して、貧乏学生であり


 それぞれ鬱屈し悩んでいた私たちは
心がなごみ、ほっとして旅の電車に揺られました。


 その電車の中でも、向かいの席の方々の
旅行者に対する優しさが小さな会話を弾ませました。


 時が流れすぎ、あのおばあちゃんたちのお顔は
もうはっきりとは思い出せませんが


 その季節になると
桃源郷のように胸に浮かんで来ます。





                           
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 花は美しいですが、それよりもまた、旅人
行く人・来る人・いのちたち

 それを迎え、送る、優しい言葉や、笑顔
そして、もてなしの心こそ
花よりもなお、心に残る美しい花なのかと思います。



「 観音経 
 世尊 妙相具 
 すべての、善意の良い生命に祝福がありますように。
今ある、その場所の
明るい小さな灯りになれますように。


下記 「 一夜賢者経 」 より


「  されば、ただ現在するところのものを、そのところにおいて
  よく観察すべし。
  
   揺らぐことなく、動ずることなく そを見きわめ
  そを実践すべし。
  
   ただ今日 まさに作すべきことを熱心になせ。 」
 

新昔話「 新編・よくばりな親子ぎつね 」       本結び

2010-08-12 | Weblog

 きつねたちの
ののしり、せせらわらいは
あたりに木霊し、悪霊村として
あたりにとどろきました。


 いじの悪い欲張りぎつねの親子と
旅ぎつね、近所のきつねたちは


 自分たちの狂気が
ただ、ねたみや、意地の悪さから
出ていると知らなかったが
天はそれをみそなわしました。


 次々にののしりの相手をかえて
自分のうさばらしをしている間に
悪霊ぎつねたちには
本物の悪霊がとりつきました。


 こんどは、とりついた悪霊が
そのきつねたちに
次々と不運や災難をもたらしました。


 ついに悪霊ぎつねたちは
天に成敗され
地獄におちていきました。
よいきつねは、お釈迦様のもとにいかれました。


 それを惜しむものは誰一人なかったということです。
すでに反省したよいきつねたちも大勢いたそうです。


 あたりでは、その村にちかづくと
災難が起こるといわれ
隣村のものもさけて通るようになり


 ついに、地獄村とよばれました。
そこを通ると、いまでも
欲張りぎつねの親子のわめき声と
旅ぎつねのうそ鳴き


 そして近所ぎつねたちの
天をもおそれぬ、せせら笑いのむなしい
鳴き声が聞こえるという話です。



            
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