Take Ari's Time

to show you what's been going on

Rocket Ride / EDGUY

2006-01-27 | HM/HR
1 Sacrifice 2 Rocket Ride 3 Wasted Time 4 Matrix 5 Return To The
Tribe 6 The Asylum 7 Save Me 8 Catch Of The Century 9 Out Of Vogue
10 Superheroes 11 Trinidad 12 Fucking With Fire 13 Land Of Miracle*
14 Reach Out* 15 Lavatory Love Machine (acoustic version)*

EDGUYの7作目。前作Hellfire Clubはジャーマン史上に残らんとする傑作であったと思うが、今回は…う~ん、やや微妙かなぁ。

とにかくクサさや疾走を脱却していこうという姿勢が全面に出ている。それ自体は悪くないのだが、何だかメロディの魅力自体も下がってしまった気がしないでもないのだ。オープニング①から煮え切らない感じがするのも一因なんだが。それを置いておいても例えば⑥⑫に顕著なようにシンガロングを誘うアリーナ向きのロックチューンが目立ち、叙情性などは排除されている。また⑧⑪などのポップチューンのように人をおちょくったかのような曲は、最低なジャケ含め以前からある彼らの
個性ではあるのだが、それを出しすぎて真剣さを感じられない部分も些か感じた。それに後者⑪を聴くと、微妙に曲調をいじってはいるものの、とりわけポップ系においてメロディのパターン化が見られるかな、とも感じた。

一方でトビアスのVoは今回も力強くも味わい深くやはり一段抜けた実力で、⑦⑭のような美しいバラードではそれが良くわかる。これらの曲はメロディもなかなか良い。また②の伸びやかでキャッチーなサビ、③⑤のような勢いあるメタルチューン、⑨のような大仰なポップチューンは魅力的であり、曲作りが決して衰えているわけではないこともわかる。

何回も聴いているとだいぶ印象が変わるアルバムなんだが、即効性は前作に劣る気がする。何というかプリーストやメイデン並みの安定感を味わえるんだが、私としては若い彼らにそんなものは求めていないというか。時にMOTLEY CRUEやSCORPIONSのような(曲調は全く異なるが)アリーナ志向を感じる部分があり、これは試行錯誤の結果なのかプロデュースの結果なのかわからないが、哀愁という点が抜け落ちてしまったと感じてしまうので個人的にはやや残念かな。いいアルバムだとは思うけれど…。