Take Ari's Time

to show you what's been going on

Tai Phong

2006-01-26 | HM/HR
フランス産プログレッシブ・ロックのTAI PHONGが75年に発表した1st。全体としてプログレ色よりも叙情味が全面に出ており、それゆえ非常に聴きやすく且つ感動的な世界が生まれている。また時に非常にハードな面もあり、HM/HRファンが聴きやすいプログレなのでは。

とりわけ②Sister Janeの悲哀度が凄まじいピアノバラードであり、メロウなメロディがたまらない名曲。他にも⑤Fields of Goldや⑥Out of The Nightなどもそうだが、バラードでの泣き度合いが素晴らしく、哀愁HR好きに特にオススメしたい。また⑥では後半に入るGソロの主張が、「むせび泣く」とでも言えばよいか非常に印象的。オルガンのメロディも絡み長尺の曲に一つのアクセントを与えていてGoodだと思う。

また彼らのハードな側面にも注目で、特に①Goin' Awayはスピーディな展開とオルガンのリズミカルなテンポ、ハイトーンでがなるVoとクサめのメロディが非常に私の感性にフィットする。DREAM THEATERなどプログレ・メタル好きよりはメロスピ好きに響きそうなこの曲もまた名曲だと感じる。ボーナスではあるが小曲⑧Let Us Playのかなりポップでキャッチーな展開も良い。

同時にプログレ面での主張も上述にもあるとおりなされていて、中でも④For Years And Yearsは静から動、そしてさらに静という展開が効果的であり非常に美しい。③Crestでもスピーディからミドルへの転調が目立っており、飽きさせない曲展開になっている。

いずれの曲も素晴らしい仕上がりであり、捨て曲はない。叙情派プログレの名盤であり、かなり色んな人に受け入れられると思う。

衝動

2006-01-26 | Jap Music
B'zの40枚目のシングル。"衝動""結晶"ともにタイアップされるという力の入れようであり、両曲とも軽く水準以上はクリアしているが、個人的には納得いかない部分もあったりなかったり。

"衝動"は最近の彼らに典型的なアップテンポチューンであり、まあつまりは"愛のバクダン"や"Banzai"あたりと同系統。相対的にメロディは重視されていると感じたかな。メロディの上下が激しくキャッチーでありながら疾走感も帯びていてなかなか。"結晶"は雰囲気としてはFriends 2あたりの冬が似合う物悲しい世界観であり、とりわけサビメロがかなり哀愁を含んでいて覚えやすい。というわけで2曲ともにキャッチーさという点では十分に満足のいく出来である。

しかしメロディパターンになんとなくマンネリズムが見られるのが個人的にはいただけない。"衝動"は前述のとおり最近ありがちなパターンであり、A面にこの曲パターンをもってくる流れにやや食傷気味。それからサビメロの尺がなんとなく足りない、というか軽く尻切れトンボな感があり。もう少し長めのサビ構成の方が好みかなと。"結晶"に関してはだいぶ"睡蓮"(The Circle収録)とかぶる。メロディ自体は良質なんだが、どうも突き抜けたものがないんだよな…

これはコンポーザー側の責任なのか、プロダクション傾向なのか。おそらく前者だとは思うのだが、もう少し外部知識を入れるか編曲を変えるかしたほうが良いのかな、などと今回は感じた。