「不可視の両刃」放射線に挑む~英国大学院博士課程留学~

福島原発事故被災地での体験がきっかけとなって放射線研究をしています

放射線小咄 ~ International Day of Radiology 国際放射線医学の日 2017

2017-11-08 | 雑記
昨日に引き続き、放射線小咄を。
今日11月8日はドイツ物理学者ヴィルヘルム・レントゲン(Wilhelm Röntgen)が放射線を発見した日として知られており、世界各国の放射線医学関連学会によって「International Day of Radiology 国際放射線医学の日」とされています。今から122年前の1895年にX線が発見され、以降、医療応用をはじめ様々な分野で利用されています。

放射線は今や医療に欠かせません。しかし、放射線は「諸刃の剣」です。診断、治療などの医療分野だけでなく殺菌、非破壊検査のツールとして産業分野でも広く役立っている一方、被ばくによる発がんリスクなど生体への悪影響も生じます。
したがって、放射線の利用は常にいわゆる「損得勘定」が必要になります。
私も医師として、放射線を発する放射性物質を患者さんに投与したり、CTやレントゲンなどの診断で患者さんに放射線を照射してきました。患者さんたちは放射線に(少量とはいえ)被ばくしてしまうわけですが、そのデメリットよりも確定診断を得られるなどのメリットの方が大きいだろうという損得勘定のもと、放射線は医療に使われているわけです。
おくすりもそうです。副作用のない薬は存在しません。常に「副作用や有害事象が発生するリスクよりも、治療が奏功するメリットの方が大きい」という判断のもとで、医師は薬を患者さんに投与するのです。世の中には「放射線を毛嫌いするのに薬は大好き」という方が少なからずいらっしゃるのですが、基本的に、薬も放射線も使われ方は同じなのですね。どちらも絶対に安全なものではなく、使用するからには常にある程度のリスクを伴います。もちろん、出来る限り安全に使われるようにしなければなりませんが。

レントゲン博士の贈り物「放射線」を、医療のためにも、研究のためにも、大事に安全にこれからも使っていきたいと思います。
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