「不可視の両刃」放射線に挑む~英国大学院博士課程留学~

英国に留学して放射線研究に取り組む日本人医師ブログ

千葉大学医学部の暴行事件

2016-11-28 | 雑記
千葉大学医学部の集団強姦事件に関する報道は不可解です。
私が報道を拝見した際は、5年生数名と研修医が関わっていることまでは明らかになっていたものの、県警が加害者らを逮捕拘束までしているのに氏名を公表しないのはちょっと納得できないものがありました。アンフェアだからです。
仮に同じような事件が起きた時には、成人ですから、やはり加害者らの氏名が通常は公表されるだろうと思われます。一方、今回のように加害者とその関係者の立場によっては公表されないこともあると認めてしまうのは、やはりアンフェアというべきでしょう。被害者を守るのは当然ですが、しかし、そのために加害者を守るという論法にも違和感がやや残ります。

私が医学生、医師だった頃も千葉に限らずあちこちの医学部で起こる事件がありましたが、たとえ報道されなくても、業界内で漏れ聞こえてきたものでした。たしかに医療界の中では表沙汰にしない方が良い事件もあるようには感じますが、今回の千葉のケースはそれらとは性質が違う気がしますね。
私の知る某医学部の有名教授はかつて薬物所持で逮捕されたことがありますが、その後は素晴らしい業績を出されていました。仮に罪が認められたとしても、その後で千葉の彼らに更生の機会がないとは思えません。ただ、医療従事者に求められるべき倫理観と照らし合わせると、やはり医師になるのはちょっと難しいとは思います。しかし、それは仕方ないでしょう。

医者とはいえ神様ではなく人間ですから、たまに事件を起こすことも、あるいは事件に巻き込まれることもあるでしょう。しかし、その際にはフェアな対応をされてしかるべきと感じます。
日本全国どこの医学部にも、残念ながら、「自浄作用」なんて存在しません。医学部に限らず教育機関とは大抵そういうものですが、ちゃんと再発防止には取り組むべきです。膿を出す必要があるなら、警察でも役所でも市民団体でも報道機関でも構いませんが、外部からメスを入れるしかないと思います。