「不可視の両刃」放射線に挑む~英国大学院博士課程留学~

英国に留学して放射線研究に取り組む日本人医師ブログ

色は匂えど散りぬるを

2016-04-13 | 雑記
祇園精舎の鐘の声 諸行無常の響きあり
沙羅双樹の花の色 盛者必衰の理をあらはす
おごれる人も久しからず ただ春の夜の夢のごとし

今も、古巣の公立相馬総合病院で、非常勤医師として週一回程度は働いています。今日、相馬から仙台に戻ったら桜はすでに散り始めていて、ひとつの季節が終わったことをひっそりと教えてもらいました。

桜の花はとても美しいですが、はかなく散るさまを見ると、やはり諸行無常を感じます。はかない(儚い)とは「人の夢」と書きます。いつか夢は叶うだろうかと思いながら、迷いながら揺れながら、それでも人は前に進むしかないわけですが、そのようにして生きるという宿業をふとした瞬間にはかなく感じることもあります。
私は仏教徒というわけではありませんが、「形あるものはいつか滅びる」という教えには、ある程度、共感しているのですね。

富も、名声も、所詮は儚く消えるものならば。
一体全体、何を求めて、これから生きればいいのか。

かつてそんなことを悩んだこともありましたが、それなりにこの世界の広さと美しさを知った今はもう、自分の中では解決しました。それでも我々は大きな夢を描くべきなのだと、命を賭してでも為すべきことがあると、現在は信じています。生きている限りは頑張ろうと思っています。

医学者として夢を追いかけながら、医師として為すべきことを為す。

そういう生き方をこれからもしていきたいと願っています。