禁煙と挫折と政治と

禁煙を目指すブログのはすが、政治の話が多くなってます。禁煙は失敗と再チャレンジを繰り返し継続中。。

検察庁法改正法案と内閣人事局

2020-05-16 11:29:18 | 政治
来週末には委員会採決されてしまうであろう検察庁法改正法案を含む国家公務員法改正法案。


出来る限り意見を伝えておきたいので連続投稿させて頂きます。


今回は焦点である

「検事総長の68歳まで定年延長」

を詳しく考えてみたいと思います。



ニュースなどでもやっとこの点がポイントだと報じられるようになってきました。

改めて整理すると、

・一般検察官は現在63歳定年を65歳に延長

・検事総長は一年ごとに内閣が審査し、最長3年(68歳まで)延長

・検事長など高級職は63歳から一年ごとに内閣が審査し、不適格と認められる場合は一般検察官に降格

という内容の様です。


ぱっと見で何が1番問題に見えるでしょうか?

恐らく「一年ごとに内閣が審査」という部分じゃないでしょうか。


検事総長を内閣が任命する、ならまだしも、なぜ「一年ごとに審査」するんでしょうか?


更に地味に1番ヤバそうなのが

・検事長など高級職は63歳から一年ごとに内閣が審査し、不適格と認められる場合は一般検察官に降格

という部分。


これは言い換えると

「次期検事総長と見込まれる者も一年ごとに内閣が審査する」

ということらしいです。


つまり検察内トップに近い有力者の全員を内閣が審査し、不適格な人は一般検察官に降格する


という内容のようです。

これはいくらなんでもヤバ過ぎませんか?


国家公務員の人事権を内閣人事局が握ってから、内閣に従順な役人しか出世できなくなった事はずっと指摘されています

特に安倍政権になってからはその傾向が強くなり、おかけで森友問題の佐川局長のような人が一躍有名になりました。


ただでさえ「内閣への忖度」が問題視されている中、どうして検察庁法でかろうじて独立を保つ検察の人事権まで徹底して内閣が管理する形に変える必要があるのでしょうか??

※「徹底して」変えるのではなく、バランスを持って良くなるように変えるのであればこんなに反対されていないでしょう

歩み寄って「確かに現行制度もよくないからもっと話し合って決めましょう」と提案しても頑として延期しようとしない。

与党も反対派に反対の人達も「変えるのか・変えないのか」という極論に議論をすり替えている様に感じます。




今の検察の人事が最高の形かといえば、きっとそうではないでしょう。

検察の劣化も言われて久しい中、恐らくかなり腐敗や権力争いなど多いのだと思います。

それでも今までの安倍政権のやり方、内閣人事局の評判を考えれば

「今の内閣に任せるよりはマシ」

と思う人が多いのも当然だと思います。


しかし世論調査を見ると、このコロナ問題の最中でも内閣支持率は40%くらい。

世の中の半分弱の人達は内閣を支持している事になるので、単純に考えれば「内閣に任せて良い」と思う人も半分弱いるかもしれません。


けれどこの法案は安倍政権の後もずっと
続くのです。


安倍総理は

「内閣が恣意的に人事を行うことは絶対にない」

と言いましたが、まだ見ぬ未来の政権のことも考えての発言なんでしょうか?

自分の政権ではやらなくても、次の政権でやれてしまう余地があるのではなんの意味もありません。


もし安倍内閣がルールを重んじ、なんでもきちんと情報公開する公平公正な内閣だとしても(内閣としてはそうあることが当然なんですが、、)、この検事総長の定年延長部分はいけないと思います。







検察庁法改正法案と三権分立

2020-05-16 09:58:33 | 政治
緊急事態宣言解除が一段落し、一気に検察庁法改正法案が話題になってきました。どんな結果になるにせよ、議論が活発になるのはいいことですね。


賛成・反対色々な意見が出ますが、お互いの意見を良く聞くとだんだんとポイントが見えてきた気がします。


反対派の意見で、よく「三権分立が脅かされる」という話がありますが、私はこれは表現の仕方がよくないと思います。


三権分立は

「行政」「立法」「司法」

で、実際の機関としては

「内閣」「国会」「裁判所」

が独立して互いに監視しあい、権力の暴走を抑えるシステムです。


検察はこの中の「行政」の機関なので、検察機構の改革は「行政」である「内閣」がやるのは当然です。


※これは検察庁法改正法案に賛成する人達(「賛成」というよりも「反対派に反対」しているだけに私には見えますが)が必ず言う事です



しかし日本の場合、そもそもこの三権分立が機能していない事が根本の問題としてあります。


というのも、裁判所が役割を放棄しているからです。


検察が立件した案件は99%有罪になるという「検察の不敗神話」がありますが、

検察が立件したら有罪に決まっている

ので、「司法」である裁判所は覆す判決を出しません


逆の言い方をすれば、「行政」機関の検察が実際には「司法」の役割も負わされているわけです。


なぜこんなシステムになっているのかわかりませんが、この実情が話をややこしくしています。



検察庁法改正法案に反対の人は

(検察は実際には司法同然なのだから)
「三権分立が脅かされる」

と言い、賛成(反対派に反対)の人は

(検察は行政機関だから)
「三権分立には関係ない」

と言っています。



なんだか言葉遊びみたいですね。こんなうわべの話よりも大事なのは

「検察は総理大臣や議員を立件できる唯一の存在」

である事だと思います。「司法」である裁判所は自身で議員などを立件出来ません。


そのことを考えれば「三権分立に関係ない」というのは現実を見ていない揚げ足取り的意見のような気がします

しかし制度上の話で言うと「三権分立に関係ない」は正しい話になってしまうので、反対派の人達は「三権分立」という言葉を安易に使うとただでさえややこしい話が余計にややこしくなってしまうので注意が必要です。