QOOTESの脳ミソ

テキストのみで地味にやらせてもらってます。

宴のあと・・・の宴。

2024-07-30 20:24:34 | 日記
土曜日に花火大会が終わり、別件で我が家で飲みたいとリクエストをただいていた友人も部屋がきれいなうちに呼んでおこうと花火から一日空けて昨日来てもらい、おもてなし週間は無事終了。

両日ともシチューを作ったが美味しいと言っていただけたし、「お店の味みたい」と言う女子までいる始末。(そこまで言っていただけて嬉しいけど、大袈裟ですよ)と思ったり。ま、数割ほどお世辞で盛ってくれたんでしょうけど。

花火もいつも通り盛大だった。毎年のことだが、フィナーレは第一会場よりも第二会場の方が少し豪勢なので、皆さんには第2会場のフィナーレに気持ちの盛り上がりを持っていくように伝えたのでその通りに楽しんでいただけたようだったが、それにしても第一会場のフィナーレが少々しょぼいなぁと思っていたら、後日のニュースで今年は機材の故障で第一会場のフィナーレが中止になっていたのだそう。

そのあとは午後2時ごろまでたっぷりお喋りを楽しみました。コロナ前は花火を観た後3時頃まで宴会を続けていた家庭が多かったのだが、コロナ後は皆さん早々にお開きにされてしまうようになったので、結局我が家が一番遅くまで遊んでいたグループのようでした。

コロナ後は花火を観ることもやめてしまった家もちらほらありますね。コロナが怖くてまだ油断できないから、花火の集まり自体を控えていらっしゃるのかもしれません。その辺は個人の感じ方なので、正解はないですね。

昨日来た友人はそこそこ鬱憤がたまっていたようで、奥様への不満をたくさん吐き出されて(笑)、用意した料理とサングリアを飲んで少し昼寝(仮眠?)をして帰って行かれました。

「QOOTES君みたいに一人がいいよ。」というので、「無いものねだりだよ。ひとりになったら寂しくて誰かを探すようになるよ、君は。」と言ったら、「それもそうかもね」と。「また誰かと暮らすことに疲れたら、息抜きに昼寝しに来なよ。」と言ってお見送りしました。

二日もおもてなし料理のためにいろいろな食材を購入したので、足のはやいものは来月の帰省前に食べておかないと思い、今日は冷蔵庫の中を眺めながらあと10日余りの食事の計画を策定。とりあえず、すぐに食べなきゃいけないものは今日食ってしまいました。

また太るなぁ(笑)。

花火とおもてなしの準備に気を取られていたら世の中ではパリオリンピックが始まっていました。出だしは期待された日本人(チーム)が立て続けに負けてしまって、残念だなあと思ったら昨日から今朝はいいニュースが続々と入ってきて、良かったなと思いました。

いい結果が出なかった選手は、オーディエンスなんかが残念と思う以上に落ち込んでいるでしょうしね。勝つ選手がいれば負ける選手も当然いるわけで、いい思い出もそうでない思い出も作って、ご本人の悔いのないようにオリンピックを楽しんでいただきたいですね。

8月の帰省前までにはあと友人二人と夕飯の約束が。ひとりは近くの友人なので、近所の焼き鳥屋に行く予定。

先々月に稚内から送ったホタテ貝柱、北海だこの足、銀杏草が昨日冷凍で届いたので、もう一人の友人には頼まれていたタコの足を二本ほど渡すので、神田とか東京駅あたりまで来てもらおうと。

で、今回は春に神田で見つけた魚金グループの「レモンサワーバル ウオキン」と言うお店を予約する予定・・・だったが、どうも閉店してしまったようだ(笑)。

さて北海タコの受け渡しがてら、どこで一杯飲もうか(笑)。

店は山ほどあるだろうから問題ないけど。

追伸。
どうでもいい話なのだが、鼻毛が鬱陶しくなってきたので、久しぶりに鼻毛を一気に抜く「ゴッソ」という鼻毛ワックスをやって、鼻腔をつるつるにしたい。

検診は無事サヴァイヴ、そして今日はパーティの準備。

2024-07-27 13:23:29 | 日記
昨日定期検診を終えた。検診は2か月おき、うち血液検査は一回おきで今回は血液検査の回だったので、体重、血圧測定の後採血。体重、血圧に加え即日で判明する血液検査の結果、全部クリア。あとは次回告知されるほかの血液検査項目を待つのみ。さて、前回9.1だった尿酸値は無事正常値に戻って投薬を免れられるか!?

とりあえずホッとしたので昼頃から今夜の支度を開始。昨晩までに掃除はほぼ全て済ませた。ソファのカバーも数年ぶりに交換したし、割れていたので交換しようと思い買ってあった便座も交換。億劫だったが、始めたら意外と簡単にできた。特に便座はYoutubeに交換方法の動画がたくさんあるので非常に助かった。

僕がアメリカにいたのは1995~6年でちょうどWindows95が発売された「一般の」インターネット黎明期だったが、その頃にすでにネットを使って在宅で仕事をしていた知人に「インターネットというのは何?」と聞いたら、

「自分が知らないことでも地球上の誰かが知っていて、教えることができる。それをつなぐのがインターネットだよ。」

と言われたのを、便座の交換などYoutubeを使って調べ物をしているといつも思い出す。すごくステキなツールだと思って、現地の大学の夜間コースでWindowsの使い方を勉強しに行った。

ただ、あの頃大学のコースではまだ95の前のWindows3.1だった。だけど、3.1はよりPC内部の仕組みがわかるOSだったので、「User Friendly」なWindows95に変わってOSが勝手にやってくれることが多くなってからも、仕組みが少しは想像できたから3.1でWindowsを始めたのは今でも正解だったと思う。

また脱線した。

ただ、今のインターネットは、彼が言ったようなステキな一面を保ちつつも、詐欺から侮辱まで悪用する人間も多くなってしまい、負の側面の方が目に付くようになってしまって悲しい。

脱線に次ぐ脱線を経て本題に戻ると、掃除は昨晩までに大体終えたので今日は昼頃から料理に着手。ちらしずしのご飯は炊飯中、ビーフシチューは最後にニンジンとジャガイモを入れるだけにしてこれから5時間ほど煮込む。時間がかかるものはその二品なのでとりあえず大変な部分は終わり。

先週掃除をしていたら昨年は結局使わなかったサングリア用のボトルが出てきたので(IKEAのコルク蓋のカラフェ。便利です。サングリアなどで使用するときはコルクの蓋にラップを巻きましょう。)、今日は来客の6割ほどが女子でもあるし、桃の白サングリアでも作ろうと思い立ち、それの支度も先ほど終えた。ついでに皮ごと食べられる白ブドウも入れました。でもシャインマスカットではない、高いから(笑)。

女子向けに、ワインだけのサングリアではなくて飲む直前にプレーンの三ツ矢サイダーを2割ほど入れて甘くする計画。その代わりにフルーツに砂糖を混ぜ込むことはしない。

スペインなどヨーロッパに行くと、日本の居酒屋で使われる樽のチューハイやハイボールのように、飲食店用にサングリアの樽もあって注文すると生ビール同様サーバーから注いでくれる。

オーソドックスな赤サングリアもあるが、僕は白サングリアの方が好きですね。

昨日は料理のおともに食べるバゲットも買ってきたのだが、どこで買おうか迷った挙句間違いのないアンデルセンで。アンデルセンは厚さを指定するとスライスしてくれるので非常に便利(スライス作業代は無料)。

アンデルセン、好きなんだよね。

学生時代は千葉市に住んでいたが、ちょうど千葉そごうがオープンした頃でそこに入ったアンデルセンが、自身初のアンデルセンだった。広島のパン屋のアンデルセンが関東進出したはしりだったのだと思う。

まだ安かったので(笑)、たまにバゲットやエピ(ベーコンエピではない本当のエピ、麦の穂の形のどでかいフランスパン)を買ってきて、自宅でテレビを観ながら延々と食った(笑)。その時にエピというのはフランス語で麦の穂と言う意味だと知った。

近所のベーカリーでもきっとフランスパンのスライスサービスはしていると思うので、自宅の周りの数店で順次、確認の意味でスライスをお願いしてみようと思う。自宅でもできるが、フランスパンは硬い皮がぼろぼろとこぼれ落ちて掃除するのが面倒なのでスライスしてもらえるならその方が便利だと思う。

ということで、ランチ兼コーヒーブレイクも済んだので、引き続き支度に戻る。

CALERA、ロマネコンティ、ウンチク失礼します(笑)。

2024-07-24 19:41:12 | 日記
札幌に行くとたまに時間合わせに行くLong barというショットバーがある。「ホリデイインすすきの」の一階に入っているバーだ。特にそこに泊まるときは会員サービスでそのLong barでも使えるウエルカムドリンク券をいただけるので、一杯余分に頂いて待ち合わせに急ぐ。

すすきのという場所柄、客層はどちらかと言うと同伴出勤前の中高年とおねえちゃんのカップルが多いが(30%くらいは下品なオジサン(笑))、深い時間になるとサラリーマンのグループも見かける。Long barと言うくらいで店の奥まで続くカウンターが好きでちょくちょくお邪魔するのだ。

香港のキャセイパシフィック航空の空港ラウンジにもLong barという長くて左右の見晴らしのいいカウンターがあるバーコーナーがあって、そこでピニャコラーダを作ってもらうのがお気に入りだ。

脱線した。

以前そこで一杯だけワインをいただいて出ようと思っていたら、店の同年代のスタッフが「どんなワインがお好きなんですか?」と聞くので、格好をつけて(笑)唯一知っている銘柄のワインを言ってみたら、それが意外に玄人受けする答えだったようで、ワインのいろいろを教えてくださった。

その彼に教えていただいたうちの一つが昨日の日記に書いたカリフォルニアのCALERAだった。なかなか興味深い話だったので受け売りでそのストーリーを今日の日記代わりに書いてみる。彼の話をそのまま書くので細部が違っているかもしれないがそこはご容赦いただきたい(笑)。

CALERAは「カリフォルニアのロマネコンティ」とも呼ばれるワインで、それを始めたのは当時若者だったアメリカ人のジョシュ・ジェンセンと言う男だった。彼は若い頃からフランスのロマネコンティのワイナリーでワインづくりの勉強をしていた。

何年もの修行のあと彼はアメリカに帰ることを決心する。その時にワイナリーのブドウの苗を隠し持って出国する。アメリカに帰った後その苗を使ってカリフォルニアでブドウ栽培、そしてワインづくりを始めた。そうやって出来上がったワインがCALERAと名付けられた。

寒い冬の日に、欲望渦巻くすすきの(笑)の真ん中で聴くそういう話はとても興味深かった。まるで杖の先に蚕を忍ばせて養蚕の技術を盗み出したシルクロードの昔話に似ていて、ロマンがある。

ま、現代でよく問題になるシャインマスカットや甘いイチゴの知的財産権侵害にはまったくロマンは感じない一方で、シルクロードの蚕やワインには感じるというのはご都合主義と言われても仕方ないけれども(笑)。

そんなこんなでそのCALERAは僕が知る数少ないワインの銘柄となったのだが、最近ちょっとお高いお店に行くとこれが出てくることが多くなった。今のインフレが起こるずっと前、先日も銀座で行ったやまやという酒のディスカウント店に行った時に、そのワインが一本2900円で売っていたので友人の家に飯を食いに行くときに持って行ってみたら皆に非常に評判が良かったのでそのあともう一度やまやに足を運んで残り2本を買い占めた、それが今我が家にある。

そのうち一本を土曜日に飲もうと、昨晩キッチンに出しておいたのだが、それを観ていたらあのすすきののLong barで過ごした時間を思い出した。夏、そして秋が過ぎたらまた札幌に数週間滞在するので(冬Loverなので)、その時に行ってみようと、酷暑の毎日のなか、もう冬が恋しい。

因みに生まれてこの方、酷寒の冬真っただ中でも春や夏を恋しいと思ったことは一切ない(笑)。

隅田川花火大会の準備。

2024-07-22 20:56:45 | 日記
翌週に仕事の月次締めきりと二か月おきの検診をダブルで控えた日曜日は非常にブルーだった。

ただ今回は石垣沖縄で10日間ほど散々飲み歩いたわりには、土曜日に覚悟して体重計に乗ったら想定していたより3kgも少なく、検診日の目標値まであと0.3kg。日曜日に測ったら標準値を楽々クリアしていたので、引き続き食事に気を付けながら残りは前回宣告された投薬を回避するために水を毎日2~3リットル飲んでひたすら尿酸を流すだけだ(笑)。

明けて、今日月曜日。
朝の計測は順調。検診はほぼクリアなので、仕事と並行して土曜日の隅田川花火大会に友人を招待する準備を始める。

大体のものは近所のスーパーでそろうし、「締めビーフシチュー」に使う、もも肉のかたまりも直前の金曜日にハナマサに買いに行けばいい。が、美味しいブルーチーズは少し遠出しなければならないので億劫だった。

がいずれは行かなければいけないので(えいっ!)と勢いをつけて、本日夕方17時過ぎに銀座松屋まで出かけた。

銀座は人、人、人。眩暈が・・・

僕が気合を入れたときにチーズを買うのは「チーズ王国」と言うお店。日本の主要都市の百貨店地下に入っているお店で、場所によっては店名が「マダムヒサダ〇〇」という名前だったりもするが、全部同じお店である。ヒサダさんと言うご家族がヨーロッパ(主にパリ)でいろいろなチーズを買い付けてきて販売している。女優の杏さんのYoutubeチャンネルでパリの本店も紹介されていた、あのお店だ。

ここで勧められたチーズでまずかったものは今までなかった。

今日は一時期終売になったマスカルポーネ・ゴルゴンゾーラが再発売になったと聞いたので、土曜日に友人に食べてもらいたくて買いに来たのだ。(あれ?このチーズの話は前にどこかで書いた気が・・・繰り返しだったらすみません。)このチーズは、その名の通りマスカルポーネチーズとゴルゴンゾーラを何層にも重ねたもので、ブルーチーズをあまり食べなれない人にとってはマイルドでとても親しみやすい。僕もこれを入り口にブルーチーズをいろいろ食べ比べてみるようになった。

が、その販売日は明後日24日ということでまだ店頭にはなかったので、「じゃ、他にシャープじゃないマイルドなブルーが何かあれば」と勧めてもらったのが「セザール・レガリス」というフランスのブルー。ライオンのマークのマンションを思い出すネーミングだが、試食したら注文通りとてもマイルドなブルーチーズだったので、これは友人たちも楽しく酒を飲んでくれるだろう(笑)。チーズ王国では、それとマンチェゴというスペインの羊のチーズにトリュフを練りこんだものの小さいポーションを一つ買った。

折角銀座まで行ったので銀座松屋だけに行ってそのまま帰るのもなぁと思い、やまやという酒のディスカウント店の銀座店に。そこは輸入食材の品ぞろえも意外と多い。本当は22時まで営業しているやまやの亀戸店に明日あたり自転車で行こうと思っていたのだが、せっかくなので銀座店で数本買っておけば明日のやまや亀戸店で酒のストックをもう少し買える。

やまやでは800円程度のスパークリングワイン一本と友人が好きなボンベイサファイア一本を購入。トニックウォーターまでは持って帰る余裕がなかったのでそれはまた明日。そのほか、後でキリンの糖質オフビールを一ダース追加で買っておけばいい。

そのほかのものが飲みたいと言われれば、インフレ前に大バーゲンの2000円台で買ったカリフォルニアCALERAのシャルドネ(今日ショップで観たら1本8000円だった)、ウイスキーが飲みたいと言われればニッカの鶴か余市、焼酎が飲みたいと言われればJALの機内で買ってきてもらった森伊蔵を開けようと思う。人が来た時じゃないと飲まないと思うから。自分用には7-11のアンデスなんとかというチリワイン、「黒白波」、バランタインの一番安い奴で十分だ。

ということで、土曜日のパーティに向けていろいろ片付け&準備を進めている。

現時点で計画している献立
[花火前」
トリュフペーストとクリームチーズのカナッペ
ちくわの梅シソ巻き
タコのイタリアンマリネ
すし太郎

[花火観ながら]
生ハム
チーズ各種

[花火後]
締めビーフシチュー
コーヒーor京都の煎り番茶or紅茶
とっておきのイタリアとスペインのチョコレート(めちゃ美味い)

という感じにしようと思っている(笑)。

アメリカ南部の思い出 6 [新たな出会いと運転免許取得]

2024-07-19 20:34:35 | Memories of the Southern States
なにせ30年前のことなので、記憶がよみがえってくるのを待っていたら間が空いてしまった。前回は運転試験でいきなり右側通行と左側通行を混同して試験一発中止になったため、勤務先が他の高校で運転の指導をしている先生を家庭教師に付けてくれたところまで書いた。

あの当時、ずっと夢見ていた国アメリカに一年という短い期間でも滞在するということで、僕としては吸収できるものはできるだけ吸収しようと思っていた。欧米人相手では、日本人同士のコミュニケーションとは違って言葉にしないと誰にも伝わらないというのはずっと英語を教えてもらっていたアメリカ人宣教師から聞いていた。また、アメリカでは上司や年長者ともファーストネームで呼び合うというのも書籍などで読んでいた。

運転指導の初日、業務後に勤務先の学校のレセプションで待っていたらその運転の先生の車が止まったとレセプショニストの女性が教えてくれたので、僕は外に出ていきなり「Hi, Bobby!」と大声で呼んだ。事前に先生の名前は聞いていたのだ。

車を降りて近づいてくるBobby先生は少々驚いたような顔で「君がQOOTES?」と言うので「Yes, I am.」。そうやって自動車運転の訓練は始まった。

あとになってわかったことだが(というか読んでいて分かったかもしれないが)、あのような場合、アメリカ人と言えどもいきなりファーストネームで呼ぶことは少ない。僕はアメリカをできるだけ吸収しようという思いで先走ってしまったようだった。

ただ、僕の急激な距離の詰め方が奇妙だったので、Bobbyの方も面白いアジア人が来たと却って興味がわいたようだった。

運転の訓練自体は特に問題がなかった。一度目の試験が中止になったのは単に左右を間違えただけで、僕は日本でも運転免許を持ってたまに運転をしていたので車の運転自体には問題がなかった。ただ左右の違いに慣れることだけが必要だった。それで、一週間毎日仕事が終わるとBobbyがたまにしてくれる注意を聞きながら町中をドライブした、とくに細かいテクニックの練習は必要ないと思ったようだった。

ドライブの途中で、初日のスタッフミーティングでPTAの皆さんが作ってくれたビスケットの話や(アメリカ南部の思い出の過去の回を参照ください)、その2週間ほどの間に学校のカフェテリアで食べたいわゆる「南部料理」は何が美味しかったかと言う話になった。

初日に食べたビスケットが不思議な味がしたという話をし、数日前に学校のカフェテリアで出された「Country Steak」が特に美味しかったと言ったらBobbyは、
「家庭のビスケットは作る人によって癖があるんだ。うちのNancy(奥様)が作るのは美味いんだ。」と言うのに続けて「Country SteakというのはHamburger in Gravyだ。それもNancyが作るのが一番うまいんだ。」と言っていた。

イタリア男にとってマンマのご飯が一番美味しいように、アメリカ南部の男性も妻の料理が一番で、それを遠慮なく言うんだなあと欧米の文化を感じた。日本でも最近は人前で妻の料理を褒める人が多くなってきているがいい傾向だと思う。やっぱ評価されると嬉しいだろうから。

昔ながらの夫婦お互いのことや自分の子供のことを、他人に対してはへりくだって「愚〇」と呼ぶのはあまり聞いていて気持ちはよくない。過剰な家族自慢のはもちろんいただけないけど(笑)。でも過剰にけなすよりはいいかな。

そんな風に運転の訓練をしていたのか単なるドライブだったのかわからない二日ほどが過ぎたときに、訓練の途中でBobbyが「ちょっと家でコーヒーでも飲んでいくか」と提案してくれて寄ったことがある。彼の自宅に着いて入り口のドアに近づくと、メガネの女性が向こうからニコニコと僕らを見ていた。それが彼の妻のNancyだった。

「あなたがQOOTESね。ようこそ。コーヒーでいいかしら。」とコーヒーを出してくれた。広いリビングの大きなソファに座ってコーヒーを飲んでいたら、

「Bobbyにまだ美味しいビスケットを食べてないって聞いたんだけど、PTAが作ったのはおいしくなかった?」
「美味しくないことはなかったんだけど、ちょっと微妙な味だなと思って。」
「そう。で、学校で食べたHamburger in Gravyは気に入ったのね?」
「すごく美味しかったです。」

Hamburger in Gravyというのは牛肉100%を固めただけのハンバーグを一旦焼いたものを、残った肉汁で炒めた玉ねぎに少々の小麦粉を加えて作ったグレービーソースの中で煮込んだ料理だ。

因みに、アメリカ中なのか、南部だけなのか、あの町だけなのかわからないけど、肉を固めたハンバーグも、それをパンで挟んだハンバーガーも、牛肉100%のひき肉も、彼らはすべてを「Hamburger」と呼ぶので、文脈を読まないと誤解してしまうことが多々あった。それも貴重な経験の一つだった。

「Bobbyにそう聞いていたのよ。来週運転の訓練が終わったら家にいらっしゃい。南部料理をご馳走するからね。」と言っていただいた。

Nancyも別の中学校で司書さんをしている経験豊かな先生だった。

そうやって、それ以来現在に至るまで30年にわたる家族ぐるみの付き合いが始まったのだった。

あ、因みにBobbyとの一週間のドライブ練習のおかげで2回目の運転免許試験は見事合格。試験官の不愛想な黒人女性にも「前方後方の確認がExcellentだったわよ。」とお褒めをいただいた。