当会事務局の大津留公彦さんの「大津留公彦のブログ」から転載します。
「憲法九条を世界遺産に」(1)
この本は前から読みたかったが羽田で見つけたので福岡の自宅に着くまで機内のビデオも新聞も見ずに一心不乱に読んだ。
この本の特集記事を連載で書く事にした。
つまりそれ位私にインパクトを与えた。
この本は爆笑問題の太田光と哲学者の中沢新一の3回にわたる対談をまとめたもの。
Amazonにはこう紹介している。
内容(「BOOK」データベースより)
実に、日本国憲法とは、一瞬の奇蹟であった。それは無邪気なまでに理想社会の具現を目指したアメリカ人と、敗戦からようやく立ち上がり二度と戦争を起こすまいと固く決意した日本人との、奇蹟の合作というべきものだったのだ。しかし今、日本国憲法、特に九条は次第にその輝きを奪われつつあるように見える。こ の奇蹟をいかにして遺すべきか、いかにして次世代に伝えていくべきか。お笑い芸人の意地にかけて、芸の中でそれを表現しようとする太田と、その方法論を歴史から引き出そうとする中沢の、稀に見る熱い対論。宮沢賢治を手がかりに交わされた二人の議論の行き着く先は…。
内容(「MARC」データベースより)
理想社会の具現を目指したアメリカ人と戦争を起こすまいと固く決意した日本人との奇蹟の合作、日本国憲法。特に9条は次第にその輝きを奪われつつある。この奇蹟をいかにして次世代に伝えていくべきかを問う、熱い対論。
憲法九条を世界遺産にするという独自の発想が素晴らしい。
そして太田のその発想は幅広く深い読書に裏付けられたものであることがわかる。
彼はこの発想を得たのは、ジョン・ダワーの「敗北を抱きしめて」(岩波書店)という憲法の成立過程を書いた本を読んだときだという。
つまり
「この憲法はちょっとやそっとでは起こりえない偶然が重なって生まれたのだなと思ったんです。まさに突然変変異だと。」
「日本人の15年も続いた戦争に嫌気がさしているピークの感情と、この国を二度と戦争を起こさせない国にしようというアメリカの思惑が重なった瞬間に、ぽっとできた。これはもう誰が作ったとこという次元を超えたものだし、国の境すら超越した合作だし、奇跡的な成立の仕方だなと感じたううです。アメリカは、5年後の朝鮮戦争でまた振り出しに戻っていきますしね。」
「エジプトのピラミッドも、人類の英知を超えた建造物であるがゆえに、世界遺産にしていされているわけでしね。日本国憲法はまさに、そういう存在だと思います。」
確かに世界遺産に登録されれば簡単に壊すことはできなくなる。
この太田の提案に対し中沢もこうぴったりとこたえている。
「まったく同感です。アインシュタインの相対性理論も、ほとんど奇跡のように生まれています。他の人たちもに似たようなことを考えてきたけれど、ほんのちょっとした思考のジャンプから生まれた。それを実現できたのは、あの時期のアインシュタインの頭の冴えだけなんで。それほど冴えていた時期は、さすがのアインシュタインにもそのあとそれほどやってこなかった。」
実にこの二人の問題意識は噛み合っているし私の問題意識とも噛み合っている。
この二人の問題意識はありきたりの9条擁護論でない“力”を感じる。
“太田死ね”とだけ書き込むと言うネットウヨにも考えさせるものがあるだろう。
太田光を9条連合の候補に推薦します。
第一回目を中沢の「対談の前に」のこの言葉で締めます。
「「ことばの戦場」をたたかいぬくのは、ほんとうにむずかしい。でも僕は今多くの仲間たちに呼びかけたい。ことばは世界を表現するためにあるのではなく世界を変える為にあるだから、いま僕たちが使っているこの言葉に、世界を変えるための力を取り戻してやろうではないか。お笑いのことば、きまじめなことば、理論的なことば、官能的なことば、音楽とともにあることば・・。僕たちは感覚と想像と思考の力を総動員して、ことばに世界を変える力をよみがえらせていきたいと思う。」
「憲法九条を世界遺産に」(1)
この本は前から読みたかったが羽田で見つけたので福岡の自宅に着くまで機内のビデオも新聞も見ずに一心不乱に読んだ。
この本の特集記事を連載で書く事にした。
つまりそれ位私にインパクトを与えた。
この本は爆笑問題の太田光と哲学者の中沢新一の3回にわたる対談をまとめたもの。
Amazonにはこう紹介している。
内容(「BOOK」データベースより)
実に、日本国憲法とは、一瞬の奇蹟であった。それは無邪気なまでに理想社会の具現を目指したアメリカ人と、敗戦からようやく立ち上がり二度と戦争を起こすまいと固く決意した日本人との、奇蹟の合作というべきものだったのだ。しかし今、日本国憲法、特に九条は次第にその輝きを奪われつつあるように見える。こ の奇蹟をいかにして遺すべきか、いかにして次世代に伝えていくべきか。お笑い芸人の意地にかけて、芸の中でそれを表現しようとする太田と、その方法論を歴史から引き出そうとする中沢の、稀に見る熱い対論。宮沢賢治を手がかりに交わされた二人の議論の行き着く先は…。
内容(「MARC」データベースより)
理想社会の具現を目指したアメリカ人と戦争を起こすまいと固く決意した日本人との奇蹟の合作、日本国憲法。特に9条は次第にその輝きを奪われつつある。この奇蹟をいかにして次世代に伝えていくべきかを問う、熱い対論。
憲法九条を世界遺産にするという独自の発想が素晴らしい。
そして太田のその発想は幅広く深い読書に裏付けられたものであることがわかる。
彼はこの発想を得たのは、ジョン・ダワーの「敗北を抱きしめて」(岩波書店)という憲法の成立過程を書いた本を読んだときだという。
つまり
「この憲法はちょっとやそっとでは起こりえない偶然が重なって生まれたのだなと思ったんです。まさに突然変変異だと。」
「日本人の15年も続いた戦争に嫌気がさしているピークの感情と、この国を二度と戦争を起こさせない国にしようというアメリカの思惑が重なった瞬間に、ぽっとできた。これはもう誰が作ったとこという次元を超えたものだし、国の境すら超越した合作だし、奇跡的な成立の仕方だなと感じたううです。アメリカは、5年後の朝鮮戦争でまた振り出しに戻っていきますしね。」
「エジプトのピラミッドも、人類の英知を超えた建造物であるがゆえに、世界遺産にしていされているわけでしね。日本国憲法はまさに、そういう存在だと思います。」
確かに世界遺産に登録されれば簡単に壊すことはできなくなる。
この太田の提案に対し中沢もこうぴったりとこたえている。
「まったく同感です。アインシュタインの相対性理論も、ほとんど奇跡のように生まれています。他の人たちもに似たようなことを考えてきたけれど、ほんのちょっとした思考のジャンプから生まれた。それを実現できたのは、あの時期のアインシュタインの頭の冴えだけなんで。それほど冴えていた時期は、さすがのアインシュタインにもそのあとそれほどやってこなかった。」
実にこの二人の問題意識は噛み合っているし私の問題意識とも噛み合っている。
この二人の問題意識はありきたりの9条擁護論でない“力”を感じる。
“太田死ね”とだけ書き込むと言うネットウヨにも考えさせるものがあるだろう。
太田光を9条連合の候補に推薦します。
第一回目を中沢の「対談の前に」のこの言葉で締めます。
「「ことばの戦場」をたたかいぬくのは、ほんとうにむずかしい。でも僕は今多くの仲間たちに呼びかけたい。ことばは世界を表現するためにあるのではなく世界を変える為にあるだから、いま僕たちが使っているこの言葉に、世界を変えるための力を取り戻してやろうではないか。お笑いのことば、きまじめなことば、理論的なことば、官能的なことば、音楽とともにあることば・・。僕たちは感覚と想像と思考の力を総動員して、ことばに世界を変える力をよみがえらせていきたいと思う。」