九州大学同窓生九条の会のブログ

九州大学で学んだ私たち日本と世界のOBはアジアと世界に平和を求める叫びと九条を広めます。
日本で唯一の同窓生九条の会

読売新聞さんありがとう

2006-07-31 07:48:14 | マスメディア
本日(7.31)の読売新聞朝刊に昨日の東野利夫講演会の記事が写真付きで比較的大きく紹介されていました。記事の内容は別に紹介します。
取材に見えたと思われる日経・朝日・西日本・赤旗にはまだ出ていないようです。

「九大生体解剖事件」の真実と憲法九条 盛会でした

2006-07-30 23:50:00 | 九州大学同窓生九条の会の活動
この記事は、先行して記事をUPされている「9条の会を応援する有志のブログ」の許可を得て転載するものです。

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九州大学同窓生九条の会と六本松9条の会による共同開催の
「九大生体解剖事件」の真実と憲法九条
 講演会が、7月30日午後2時から4時半まで、
早良市民センター会議室で開催され、
主催者の予想を大きく超える68名の方が参加しました。

 東野先生のお話の詳細は、今後掲載してゆく予定ですが、ここでは概略と感想を。

 東野さんは、その当時まだ10代の学生で、何が行われるかもしらずに“実験手術”に参加することになったそうです。
西部軍監2名が命令執行のために同席確認し、執刀医と腕の立つ軍医の2名で執刀。東野さんは、海水を血液代わりに輸液する実験で、海水の入ったボトルを腕を上げて支える役だったそうです。
 二人づつ4回に亘って、8人を生体解剖したということです。
医師たちは、軍の命令によりやむなく“実験手術”を行うことになったようですが、殺害は「血液を抜く」ことにより行われたそうで、その時点では医師たちは場を離れ、軍人が手を下したということ。
回を重ねるに従って、嫌がる医師が増えていったとのこと。

 東野さんは、「戦争が普通の医師をこういう事態に追い込む。」「九州大学は場所を使われただけという逃げ腰の態度ではなく、九州大学の医師が実行したという事実について、誤りを誤りと正面から認め、反省の意志を明確にするべきだ」「これをあいまいにしておれば、同じ過ちを繰り返すことになる」と述べられました。
 
 日本国憲法との関係では、戦争が勝ち負けではなく、いずれの心にも大きな損傷を与えること、戦争を繰り返してはならない、「殺されても殺さない」覚悟が必要だと強調されました。

 終了後、主催者側と東野さんの懇親会(ごくろうさん会)を行いました。

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転載引用終わり

出席者にアンケートをお願いしていたところ、ほぼ福岡市全域と市外からも参加者があり、主催した「9条の会」以外の、各地の「九条の会」からも参加者があったことがわかりました。
新聞折込のビラを見て来られた方も少なくありませんでした。
感想の中心は
※ 殺すより殺される覚悟を決めることができるかどうか
※ 間違いは、それを誤りと認めなければ「過ち」となる
の二つの言葉に集中しました。

 懇親会では、東野さんが講演後の質疑で言われた「今の若い人々には、国語力を付けることが必要だ」との意味について論議が進み、先生の言う国語とは国語・算数・理科・社会というような科目として並立する国語ではなく、もっと深い文化・哲学・思想の大本となる言語の力の意味であることがだんだん解ってきました。
言語の貧困が今の若い人々の状況のベースになっているという意味のようです。
 これは塾で小学生を教えている講師の質問に答えた際の、東野先生の回答についての談義のなかでの話です。
 ここには興味深い話が豊富に含まれているのですが、ここでは省略します。
どなたか、コメント欄に詳しく書いてください。

2006/7/31 (今回記事担当:JUN)

悲惨と愚劣(『汚名「九大生体解剖事件」の真相』を読んで)

2006-07-26 00:21:05 | 感想・レビュー
『汚名「九大生体解剖事件」の真相」(東野利夫著)(文春文庫)を読み終わった。
家の外で読んだのだが移動中はいつもラジオを聞くのだけれど今日は何も聞かなかった。
衝撃が大きく頭を整理したかったからだ。
こんなに身近にこの事件はあった。
東野先生ともお会いしたばかりで先生の戦争を憎む気持ちをお伺いした所なのでこの本を書いてこの事件の真実を歴史にとどめようとされたことがよく分かる。
先生は捕虜が「ここはどこかと聞くので「university」というとすごく安心したような顔で眠った。」と言われていた。
捕虜達にとっていかに「university」という言葉が安らぎを与える言葉であったことか・・・・
この本は恩師の汚名を晴らす為にそして「戦争の真の悲惨と愚劣」を表現するために書かれた本です。
産婦人科を経営しながら休みの度にB29の墜落場所を探して山の中までも行き(この間、先生と会ったという大分の山の中に住んでいる人とも出会った。)19歳の青年の神風体当たり作戦で墜落させられパラシュートで落ち、「実験手術」に遇うことなくただ一人生存しているパイロットにアメリカまでも会いに行っている。
この執念がすごいと思った。
遠藤周作の小説や上坂冬子の本で有名になっている「人肉試食」というのは実は米軍の自白強要による捏造であったことはこの本を読むと良く分かる。
事実その件では挙証できず全員無罪となっている。

本の中から少し紹介します。

「私が、この書で取り扱った首謀者といわれる人たち、パイオニアといわれる人、また軍の権力の操り人形としか思えない悲しいピエロの存在、その人たちが、あの切迫した時代背景の中で、演じたものーそれを深く、裏側から洞察した場合、果たして、彼らは、個人的に裁かれるべき真の悪人だったろうか。
私はだんだん事件の根源へのベールを剥がしていくうちに、そこに戦争の真の悲惨と愚劣が生々しく存在していることが、分かってきた。
この戦争の悲惨と愚劣は、どんなに表現しても、いまの若い世代には分かってもらえないかもしれない。」

ただ一人生存しているパイロット・ワトキンズさんとの対話
東野「私も当時学生だったが解剖実習室に入って二度、実験手術に立ち合い手伝った。
医師の立場に立って後から考えると、どうして良心が疼かなかった悔やんでいる。事件に関係した医師の中には心の奥底では今でも罪の意識に苛まれている人もいると聞いている。
ワトキンズ「この事件の関係者の中で、まだ胸を痛めている方がおられたら伝えてください。私は決してその方たちに悪い感情など持っていないということを。
死んでいった部下たちはかわいそうだったが、ナチスがやったような残虐な殺され方ではなく、麻酔をかけられてわからないようになって死んでいったのがせめてもの救いです。
東野「戦争も末期になると敵も味方も互いに異常なほど狂気に支配されることをこの事件から教えられました。
戦争ほど人間の悲惨と愚劣をみせるものはほかにないと思いました。」

最後に東野さんに託された慰霊碑を作った大分県竹田の人たちへのワトキンズさんのメッセージを紹介します。
新婦人新聞で紹介されたのはこのことだと思います。)

竹田のみなさまへ
“殉空の碑”の慰霊祭は祖国の安寧のために尊い生命を捧げた御霊を想起し、あの忌まわしい戦争の悲劇を考えさせる良い機会だと思います。
私はこれらの御霊に深い感銘と悲しみを覚えるのであります。
今まで国家と国家の間には幾多の戦争があり、そのたびに沢山の尊い生命が失われていきました。
私、マービン・S・ワトキンズは1945年5月5日、九州に飛来したB29の機長として、竹田市のみなさまに私の部下と日本の少年航空兵を追悼する合同の慰霊碑を建立して下さったことに深く感動し、そのご努力に感謝いたします。
日米両国の今日の平和と友好の陰には生命を捧げて礎となった犠牲者があることをわたくしたちは決して忘れてはなりません。
過去36年にわたって共に享受してきたこの友好を日米両国の者が、今後とも末永く維持するよう心からお祈りいたします。1981年5月5日
元B29機長
マービン・S・ワトキンズ

関連情報を二つ紹介します。
7.30(日)14時から 東野利夫講演会 於)福岡市早良区早良市民センター (藤崎駅直結)
8.6(日)14時から(KBC九州朝日放送他テレビ朝日系放送 ザ・スクープスペシャルにて東野利夫VS鳥越俊太郎対談)あり

大津留公彦のブログより
以上です

本日の西日本新聞朝刊で取り上げられました

2006-07-22 17:08:24 | マスメディア
本日(7.22)の西日本新聞の朝刊で7.30の講演会が取り上げられました。
以下全文です。

30日に9条の会講演会
早良市民センター
「九州大学同窓生九条の会」と「六本松9条の会」の合同講演会が30日午後2時15分から、早良区百地2丁目の早良市民センターで開かれる。
テーマは「『九大生体解剖事件』の真実と憲法九条」。
講師は、両会代表世話人の医師で、事件当時に九州大学の医学生だった東野利夫さん。
参加費は500円。
「九州大学同窓生九条の会」事務局(池永法律事務所)=092(642)8521。



賛同とカンパのお願い

2006-07-09 19:43:30 | 九州大学同窓生九条の会の活動
1.九州大学同窓生九条の会の賛同者になって頂ける方はq9united@mail.goo.ne.jp
までメール下さい。
名前を出していい方は肩書きもお願いします。

2.カンパをお願いします。
振込先
郵便口座記号:01760-3、口座番号:25643、加入者池永満
通信欄:九大同窓生九条の会募金 


新婦人新聞に紹介されました

2006-07-08 23:39:44 | ミニコミ
新婦人新聞(国連登録NGO)6.29付一面の「気象台」という囲み記事にこんな記事がありましたので紹介します。

「この5月、恒例となったB29墜落地での日米犠牲者追悼法要で、このことを小説にして発表し碑文を書いたT氏が九州大学OB九条の会の呼びかけ人代表に、お経を上げた住職のK氏は九条の会阿蘇の代表になっていた。これらを立ち上げた関係者の努力に感動しながら、参加していた私たちも「九条の会をつくろうよと」と俳人「九条の会」の資料を参考に準備・・・」

勿論T氏とは我が代表世話人の東野利夫さんです。
目下7.30の講演会の為にパワーポイントの資料を準備して頂いています。
会場の早良市民センターロビーにはポスターが張られチラシが置かれています。
福岡市中央区荒戸2丁目の日本パプテスト教会にはチラシが六本松2丁目のかつ煮いし原にはチラシと「汚名」が置かれています。
東野先生の本「汚名」の必要な方はメールをq9united@mail.goo.ne.jp