『コンドルは飛んでいく』

今週末はジャパンカップ(東京・芝2400m)。ディープインパクトも出走する。
自分から見て本当に「最強」と思える馬は数頭いるけど、エルコンドルパサーもその中の1頭です。特にこの馬が勝った1998年のジャパンカップ(以下、JC)の衝撃は忘れられない。
サイレンススズカ(過去ログ参照)が居なくなった後でも、エアグルーヴ、スペシャルウィークといった当時の最強日本馬(自分はこのあたりの世代が日本史上最強だと思っている)が上位を独占。そのレベルが世界に確実に近付いていることを知った一戦だったが、この馬のえげつない強さと未知の可能性に感動できたし、事実、翌年のフランスの凱旋門賞(先日ディープインパクトが挑んだレースだ)で2着になった。馬名の通り、このレースから世界へ『コンドルは飛び立っていった』のだ。引退後種牡馬になったが、早くして死んでしまったのが残念でならない。
エルコンドルパサーが日本で負けたのはただ一度。サイレンススズカが逃げ切った毎日王冠のみ。主戦だった蛯名騎手はエルコンドルパサーの引退後、その毎日王冠でのレースを振り返り「サイレンススズカを捕らえようと思ったら捕らえられていた。でも今後のために無理をさせず、本気で追わなかった。あの時スズカを本気で追っていたら、JCの勝利はなかったかもしれないし、凱旋門賞に出てなかったかしれない」と語っているのを聞いたことがある。
ディープインパクトが凱旋門賞を失格となり、リベンジをせず今年で引退してしまうのはとても残念です。でもこのレースで凱旋門賞の"かわり"といってはなんだけど、とにかく『ド肝を抜く』勝ち方をして欲しいと思う。同じように凱旋門賞で勝てなかった、あの時のエルコンドルパサーのためにも。