「ふたりの画家、ひとつの家  毛利眞美の生涯」

2024年03月29日 | 本・よもやま話
女性の芸術家が「女流」と言われた時代に、たくましく生きた、
ひとりの女性・画家の生涯を描いた本格評伝。

こんな紹介文に興味が湧いて借りてみました。


終戦直後のパリで絵画を学び、
画壇に華々しくデビューした画家、毛利眞美。





私が生まれた戦後のまだ落ち着かない時期に、パリに留学するなんて、
随分恵まれてるなあと年譜をみると、
広島県呉市の出身で、何と!毛利元就の末裔だそうです。
現、呉三津田高校卒業とあります。

母方は、広島市向洋の庄屋の家柄。

広島幟町教会で洗礼を受け、
エリザベト音楽大学を開校したゴーセンス神父と親しいという、
とても遠い存在で身近に感じられる画家です。


「私のことを書いてみない? おもしろいわよ」
毛利眞美さんから誘われた、
ノンフィクション作家の高見澤たか子さんが書き始めた画家の生涯。

若い頃に追い続けた「女」を描く。
生命力にあふれた裸婦を描く。





絵画界のスターである夫・堂本尚郎は、
京都に美術館がある日本画家・堂本印象の甥。

華やかな家系ですが、二人の画家がひとつの家に住む葛藤、
女性であるがゆえの苦しく複雑な感情が、心に響きます。

2022年に95歳で亡くなった翌年の、2023年に発行された一冊です。
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