経済なんでも研究会

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日銀総裁の 華麗なる へ理屈

2022-03-23 08:00:49 | 日銀
◇ 「悪い物価上昇だから緩和を続ける」とは = 日銀の黒田総裁は先週18日の記者会見で「消費者物価は4月以降、資源高や円安の影響で2%程度の上昇率になる」との見通しを明らかにした。また「この物価上昇は、日本にとって好ましいものではない」と発言した。ここまでは全く納得できる内容である。ところが「悪い物価上昇であるから、金融政策を修正する必要性を全く意味しない」と続けた。さあ、解らない。

悪い物価上昇が続くと、消費が阻害されて景気が悪化する。このため中央銀行は、金融を引き締めてインフレを防ぐ。これが常識であり、現にアメリカやイギリスの中央銀行は利上げに踏み切った。しかし日銀は、現在の超金融緩和政策を修正しないという。仮に経済の拡大に伴う物価上昇ならインフレになる懸念は小さいから、緩和政策を続けられる。だが日銀総裁のおっしゃることは、すべて真逆だ。

さらに黒田総裁は「現在の円安は、全体として日本経済にプラスだ」とも強調した。だが円安によって、いまの物価上昇が加速されており、企業や家計を圧迫していることは常識になっている。たとえば日経新聞も「円安による輸出の押し上げ効果は鈍く、株価も上がらない」という記事を書いている。にもかかわらず円安プラス論を主張したのは、日銀の緩和政策で内外金利差が拡大。円安が進んでいることへの批判をかわすためだと考えられる。

日銀総裁の発言は重い。黒田総裁が「悪い物価上昇だから、緩和政策を続ける」とか「円安はプラス」などと言うと、信じてしまう人も多いだろう。しかし総裁の記者会見での発言は詭弁であり、へ理屈だ。会見に出席した多くの記者がこの点に疑問を持たず、唯々諾々として記事を書いていることも不可解である。

       ≪22日の日経平均 = 上げ +396.68円≫

       ≪23日の日経平均は? 予想 = 上げ≫
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