経済なんでも研究会

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‟中成長国”になった 中国

2022-03-08 08:03:20 | 中国
◇ 45兆円の減税で5.5%成長を死守へ = 中国では5日、全国人民代表大会が開幕した。まず李克強首相が、施政方針演説に当たる政府活動報告を発表。そのなかで「22年の実質経済成長率は5.5%程度を目標にする」方針を明らかにした。21年は「6%以上」としていたから、ことしは目標を引き下げたことになる。李首相はその理由として、いま中国は「需要の縮小、供給網の目詰まり、経済先行きへの期待の後退」という3つの圧力に曝されていると説明した。

この成長率を達成するため、政府は2兆5000億元(約45兆円)の減税を実施する。地方のインフラ債券も3兆6500億元を発行する。金融政策は緩和の方向を目指す。こうして5.5%の成長率はなんとしても達成するというのが、政府の強い姿勢であると強調した。というのも経済の拡大を維持し、秋に予定される共産党大会で習近平体制の続投を実現しなければならないからだ。

中国の実質成長率は、コロナの影響で20年は2.2%に低下。その反動もあって21年は8.1%に上昇した。そのあと22年が目標通り5.5%になるとしても、かつての2ケタ成長とはほど遠い。たとえば昨年10-12月期の成長率は年率4.0%に落ちている。少子高齢化の進展などもあって、中国は完全に‟中成長国”に変貌したと言えるだろう。

しかも、ことしの目標である5.5%成長の達成も、決して容易ではない。世界が原油や資源高で苦しむなかで大規模な景気対策を講じれば、インフレになる可能性は増大する。また習主席が公約している‟共同富裕”を推進すれば、景気にとってはマイナスになりやすい。こうした問題を抱えながら、いかに目標を達成するか。習政権の腕の見せ所だが、至難の道であることは確かなようだ。

        ≪7日の日経平均 = 下げ -764.06円≫

        ≪8日の日経平均は? 予想 = 下げ≫
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