◇ 景気対策の手段はあるのか = 安倍首相は内閣改造後の記者会見で「最優先は経済再生だ」「アベノミックスはさらに加速させる」と強調した。世論調査でも「安倍内閣は経済問題に最優先で取り組んでいるとは思わない」という回答が過半数を占めており、安倍首相も経済の不調が支持率の低下につながったと認識したのだろう。
だが認識は正しいとしても、その実行はかなり難しい。まず金融政策はゼロ金利のうえに、発行額を上回る国債の買い入れ。これ以上に動きようがない。財政も16年度の税収は予算割れ。国債を増発すれば、財政再建などはすっ飛んでしまう状況だ。残るはアベノミックス第3の矢、つまり構造改革しかない。
ところが、この構造改革は遅々として進まない。規制緩和にしても1000件を超える提案があったが、実現したのは数えるほど。しかも民泊にしてもタクシー運賃にしても、小粒ばかり。とても経済再生の原動力には成りえない。最近はIT化やロボットで生産性を上げると宣伝しているが、成果が表れるまでには相当の時間がかかる。
要するにカネはないから、チエを出すしかない。そのチエを素早く集めて選択し、インパクトの大きいものを首相の力で実現する。たとえば医療や農業の規制緩和、水道業の民営化、地方分権の推進など。いずれも激しい抵抗が生じるだろう。その抵抗勢力と心中するくらいの覚悟がなければ、安倍内閣の支持率は回復しない。
≪8日の日経平均 = 下げ -59.88円≫
≪9日の日経平均は? 予想 = 下げ≫
だが認識は正しいとしても、その実行はかなり難しい。まず金融政策はゼロ金利のうえに、発行額を上回る国債の買い入れ。これ以上に動きようがない。財政も16年度の税収は予算割れ。国債を増発すれば、財政再建などはすっ飛んでしまう状況だ。残るはアベノミックス第3の矢、つまり構造改革しかない。
ところが、この構造改革は遅々として進まない。規制緩和にしても1000件を超える提案があったが、実現したのは数えるほど。しかも民泊にしてもタクシー運賃にしても、小粒ばかり。とても経済再生の原動力には成りえない。最近はIT化やロボットで生産性を上げると宣伝しているが、成果が表れるまでには相当の時間がかかる。
要するにカネはないから、チエを出すしかない。そのチエを素早く集めて選択し、インパクトの大きいものを首相の力で実現する。たとえば医療や農業の規制緩和、水道業の民営化、地方分権の推進など。いずれも激しい抵抗が生じるだろう。その抵抗勢力と心中するくらいの覚悟がなければ、安倍内閣の支持率は回復しない。
≪8日の日経平均 = 下げ -59.88円≫
≪9日の日経平均は? 予想 = 下げ≫